今までの兼題

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第69回夫・妻第70回隣人第71回危険第72回書類
第73回眼鏡第74回午前・午後第75回人形第76回世界
第77回仲間第78回教室第79回椅子第80回阿吽
第81回土地第82回煙突第83回階段第84回曖昧
第85回出口第86回文句第87回 第88回 
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春暁の夢の出口に母の声和智安江
今朝の風猛暑の出口かも知れず和智安江
地下道の出口にあふぐ秋の空和智安江
時雨来て待つ人の来ぬ北出口和智安江
出口なき遠き空へと狂ひ凧和智安江
恋猫の出口をさがす隔離部屋安達英子
出口なき暑さに咲きぬ藤の花安達英子
日焼子の出口入口「ひらけごま!」安達英子
小春日や出口調査のタッチペン安達英子
教頭の出口をふさぐまみ貒の穴安達英子
出口より二人出て来る冬景色新井大介
無視されて出口へ向ふ息白し新井大介
暗がりに出口がひとつ冬林檎新井大介
無精髭が出口うろつく着膨れて新井大介
出口より行くあてもなく冬銀河新井大介
出口へと無言のふたり秋そぞろ石井圭子
悲しみの出口となりぬ十三夜石井圭子
遠き日の蟻の出口に金平糖石井圭子
吊橋を秋の出口のやうに行く石井圭子
出口から落葉舞ひ込む美術館石井圭子
病院に死者の出口や鵙高音岩淵喜代子
冬紅葉出口大きく芝居小屋岩淵喜代子
冬牡丹屈みかがみて出口まで岩淵喜代子
出口より眺めてゐたる雪の町岩淵喜代子
出口得て神の箱庭めく追儺岩淵喜代子
転げゐて出口を探す芋の露宇陀草子
海士の家出口につるす秋簾宇陀草子
出口まで秋刀魚の匂ふ定食屋宇陀草子
出口なき夢に覚めゐて虫の闇宇陀草子
鉦叩闇の出口をたたきをり宇陀草子
向日葵の迷路の出口子等走る及川希子
長き夜や出口を探すミステリー及川希子
葛の花出口は見えぬ獣道及川希子
花野道出口が見えて振り返る及川希子
出口なく戦火は止まず晩秋へ及川希子
北風の出口入口七曲り岡本惠子
茶の花や出口で待つてゐる子犬岡本惠子
生まれ出る暗渠の出口枇杷の花岡本惠子
綿虫や夜の出口のうす青き岡本惠子
寒鮠の腹閃けり堰出口岡本惠子
入り口も出口も無くて真葛原尾崎淳子
忘却とは出口無きもの風白し尾崎淳子
鬱屈の出口は何処に着脹れて尾崎淳子
山霧やこの径だけが出口へと尾崎淳子
たましひの出口は夢や夕千鳥尾崎淳子
コンサート出口に奏者白ショール小田裕子
冬近し寛ぎし実家出口いらず小田裕子
悩みごと出口はあるさ冬林檎小田裕子
歯科医院出口にブーツ揃へられ小田裕子
地下鉄の八番出口冴ゆる星小田裕子
迂回路の看板寒し北出口鬼武孝江
二学期を終へ足早に出口出る鬼武孝江
工事中の駅舎出口にサンタクロース鬼武孝江
吐き出さるる師走の駅の西出口鬼武孝江
まだ先に桜トンネルの出口あり鬼武孝江
高層に似たる宿木櫨もみぢ河邉幸行子
今風の冬帽子でふあれもこれも河邉幸行子
残り火で焼きし藷とやひとつづつ河邉幸行子
ど忘れが常となりつつ冬うらら河邉幸行子
開店のガラガラポンと山眠る河邉幸行子
蚯蚓鳴く昭和の出口うす暗き川村研治
秋風や出口の狭き動物園川村研治
木犀の香る出口や音楽堂川村研治
蛇穴に入るや出口を知らぬまま川村研治
立冬の駅や明るき海出口川村研治
創作の出口のなさよ汁粉喰ふ木佐梨乃
出口まであと何里かな去年今年木佐梨乃
除夜の鐘出口が無くば作ればよい木佐梨乃
お悩みの出口を見つけ初茜木佐梨乃
初日の出口あんぐりと嬰児泣く木佐梨乃
入口も出口もなき浜冬暖か木津直人
神の留守駅の出口に目の泳ぐ木津直人
初時雨小さき出口に猫の影木津直人
冬紅葉水の出口に葉の溜る木津直人
蜜柑山の出口をさがし海に出る木津直人
秋真昼出口たが違へる投票所栗原良子
出口調査せぬ日曜の秋日和栗原良子
裏出口油汚れて神去月栗原良子
高層の出口に待機虎落笛栗原良子
出口無き故落下せり雪捨てよ栗原良子
鷹狩りの出口なき空逃げおほす兄部千達
炭焼きの出口を塞ぐ蒸し焼きや兄部千達
夜吹雪や森の出口を探さねば兄部千達
薔薇園の香気漂ひ探す出口兄部千達
若鮎の海の出口と別れゆく兄部千達
新学期転校生は出口くん小塩正子
春愁小さき光の出口見え小塩正子
向日葵の出口の遠き迷路かな小塩正子
向日葵や出口はひとつ迷路ゆく小塩正子
雪しまく出口なきよな深き闇小塩正子
廃校の出口入り口草の花西方来人
解散は牧の出口や秋の暮西方来人
おいとまの出口開ければ秋夕焼西方来人
セーターの出口を探しもがきをり西方来人
出口なき手袋五指を守りけり西方来人
地下街に出口をさがす一葉忌佐々木靖子
出口入口左右に分けて菊花展佐々木靖子
美術館につながる出口鵙日和佐々木靖子
寄進箱出口にあるや神の留守佐々木靖子
飛石を辿れば出口苔紅葉佐々木靖子
地獄にも出口ありけり蜘蛛の糸島 雅子
秋桜出口へ連れる盲導犬島 雅子
海側の出口明るし石蕗の花島 雅子
無人駅出口に待たす狩の犬島 雅子
非常出口ランプの緑も冬に入る島 雅子
秋にゐる駅の出口を間違へて末永朱胤
入口に戻れば出口美術展末永朱胤
出口出て出口を探す十二月末永朱胤
出口なき冬の夜空を紙の鶴末永朱胤
青空といふ出口あり冬の月末永朱胤
出口出で干柿抜けて帰りけり鈴木統子
空つ風出口のランプ切れかかり鈴木統子
冬の蝿出口睨みて動かざる鈴木統子
出口にて思ひ返して日記買ふ鈴木統子
冬日伸ぶ出口のはうを指し示し鈴木統子
針の穴出口はひとつ一茶の忌高橋寛治
木犀や記憶の出口くすぐられ高橋寛治
秋の暮れ移ろふ空に出口なく高橋寛治
出口なく様々な雲秋の空高橋寛治
鳴く虫や宇宙に出口ありもせず高橋寛治
入口と出口が同じ秋の園武井伸子
末枯の風の出口に腰掛けて武井伸子
真つ青な空の出口へ雁消ゆる武井伸子
夕暮の出口はここと雁の声武井伸子
風が風追ひて枯野の出口へと武井伸子
湖の出口入口大鷲来谷原恵理子
出口無し鼬は罠にうづくまる谷原恵理子
餅を干す納屋の出口の風の音谷原恵理子
綿虫の夕暮れどこにも出口なく谷原恵理子
楽屋出口の大夫ジーンズ冬帽子谷原恵理子
出口より穭田ますぐ広がれる近本セツ子
菊人形出口の風の通ひをり近本セツ子
桐の実や北出口出て別れゆく近本セツ子
出口より走る白猫夜寒かな近本セツ子
冬月に出口入口閉ざしゐる近本セツ子
黄色声改札出口の赤い羽根千葉 隆
冬銀河大宇宙に出口なし千葉 隆
暮れの秋秘境の出口かずら橋千葉 隆
秋遍路苦行の出口瀬戸大橋千葉 隆
良き出会ひ出口無かりし花野原千葉 隆
島原の出口柳の小春かな土岐光一
ダンジョンの出口に待つや宇津田姫土岐光一
今生の出口に雪見障子あり土岐光一
吉原の出口あらぞめ退紅寒鴉土岐光一
寒椿入口出口躙り口土岐光一
退院のまばゆき出口新樹光豊田静世
天空に入り口出口小鳥来る豊田静世
改札の出口に集ひ紅葉狩豊田静世
晩秋や出口調査に問はれたり豊田静世
出口なき戦の民や冬ざるる豊田静世
ファンの待つ劇場出口秋涼し中﨑啓祐
駅出口赤い羽根もつ女子高生中﨑啓祐
出口何処キリコの町の秋の暮中﨑啓祐
木枯らしの出口ひしゃげた紙コップ中﨑啓祐
村の出口半鐘伝ふ初時雨中﨑啓祐
トンネルの出口に揺らぐ立葵中島外男
トンネルの出口入口泡立ち草中島外男
地下鉄の出口間違へ秋の雨中島外男
出口なき山間に入るきのこ狩り中島外男
出口求め森を彷徨ふ秋の暮中島外男
白雲の真下が出口大花野中田千惠子
風音は出口を隠し芒原中田千惠子
出口より入りくる女秋時雨中田千惠子
出口なき真葛原の風の渦中田千惠子
隧道の出口に冬のオリオン座中田千惠子
真冬とて入口あれば出口あり抜井百合子
人生の迷へる出口の余寒かな抜井百合子
トンネルの彼方の出口の山桜抜井百合子
地下鉄の出口へ冬の人の波抜井百合子
初場所の余韻を胸に出口へと抜井百合子
冬満月空に出口のあるやうな服部さやか
綿虫やこの世の出口探しをり服部さやか
出口まで足元照らす石蕗の花服部さやか
白息やわが身に少し出口あり服部さやか
着ぶくれて駅の出口の人だかり服部さやか
出口かと思へば入り口大花野平林佳子
秋夕焼地下鉄出口に待ち伏せり平林佳子
且つ散りて紅葉眩しき出口かな平林佳子
花薄荷夢の出口も入り口も平林佳子
釣瓶落とし妄想醒める出口かな平林佳子
菊の日や出口に母の声のして牧野洋子
騒がしき駅の出口や燕の巣牧野洋子
蝉鳴くや出口に小さき靴の跡牧野洋子
改札の出口で別れ秋深し牧野洋子
文化祭出口に藁のテラノザウルス牧野洋子
山眠る出口みてからアプローチ松下祥子
冬の虹躊躇ふ道にも出口あり松下祥子
出口にて友待つ祭事寒し門松下祥子
冬の河豚出口塞がれキュッと鳴く松下祥子
出口より入る手ほどき冬安居松下祥子
入口とも出口とも見ゆ秋の虹三島やよい
いづれ行く出口の光か秋夕焼け三島やよい
代萩を結びて出口草遊び三島やよい
山城の出口は足下照紅葉三島やよい
出口へと達筆秋の書道展三島やよい
薪能出口に近き席に着く宮本郁江
公園の出口を塞ぐ蔦かづら宮本郁江
冬帽子最終バスの出口かな宮本郁江
母の部屋猫の出口のある障子宮本郁江
初時雨庫裏の出口に猫の声宮本郁江
校門の出口より散る卒業生山下添子
薔薇満開入口出口トンネルも山下添子
赤い羽根地下出口より飛んでくる山下添子
一斉に風は出口へ薄原山下添子
毛糸編む手首の出口つくりをり山下添子