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地球儀をまはし一人の夜食かな  千秋

★仕事や家事から解放され、夜食を取る。ふと目についた地球儀を回してみれば、華奢な指先が渡り鳥となって世界をめぐる。暑い国、寒い国。カラフルな帯でしかなかった国々は、ゆっくりとそれぞれの境界線をあらわにする。目の前に止まった国の名前を、小さく声に出してみる。知っている国、知らない国。ひとりきりの時間を贅沢に味わう術を、確かに作者は知っている。(あき子)

地球(テラ)丸し揺るるに任せ花サビタ  平田雄公子

★地球から片時も離れたときもないのに、地球と言葉に乗せなければ、地球の存在など忘れている。丸いと言われても丸さも見えない。だが、地球は厳然と自転しているのである。花サビタのぼったりした重量感が、地球の不思議な感触と繋がって揺れている。(喜代子)

青りんご地球の引力衰えず  ゆうゆう

★ニュートンが万有引力に気づいたきっかけは、庭木から落ちたりんごであったというのはあまりに有名な話し。これによって、すべての物の間に引き合う力が働いていることが証明される。りんごを手に取った作者は、取り落としそうになったのか、単にりんごという果物からの連想なのか、なにかの拍子に「引力」という言葉が身のうちに響いたのだ。そして青りんごはその時、取り巻くすべての物に引き合う力の詰まった地球そのものとして、作者の掌に存在している。(あき子)

端居して地球の隅に吾もゐるか  けい

★端居とは一日の時間のエア・ポケットである。単に涼を求めて室内から外気に触れる位置に出るだけではない。そこは、現実と非現実の境でもある。そんな境だからこそ、自分の身を置く地球をあらためて認識するのである。(喜代子)

地球てふ水のベッドや夜の秋  宇都宮南山

★地球を西瓜ほどの大きさに縮小すると、海はほんの紙一枚程度の厚さなのだという。触れれば少し指先が濡れる、その程度。それでもこの海水がすべての生き物の母であり、皆ここを揺りかごとして生まれてきた。秋めくニュートラルな夜にこそ、ふさわしい感覚であると思う。(あき子)

地球人明日おもへば原爆忌  高浜魚子

★八月六日は広島に、九日は長崎に原爆の投下された日。毎年その日はやってきて、毎年その日の出来事を思い出す。そして、原爆投下をした国も原爆投下された国も、地球人であることを。(喜代子)

地球からはみ出しゆくよ草の絮  あすか

★春は蒲公英の絮毛が飛び柳如が飛び交う。秋もまた、草々の花が絮毛化して旅立っていく。この季節のことに乾いた空気に絮毛は乗りやすいのだ。「はみ出しゆくよ」には、その絮毛の行方を見上げる無心な作者がたしかにいる。(喜代子)

空の先地球が浮かぶ熱帯夜  あき子

★まずは例です。
 まだまだ暑い夜が続く。あちらに寝返り、こちらに寝返りしていると、鼻の先の闇は空の彼方へ触手を伸ばし、同じような水色の星がぽかりと浮かんでいるように思えてくる。(あき子)


予選句

青き星秋の雲間に蟻の列えみ
この地球(ほし)に吾も宿借るる夜長かな
地球儀の梱包ばらす今日の秋児玉硝子
曼朱沙華地球のどこかきな臭し下川景右
月上る地球望めば泥沼や高浜魚子
白槿古き地球儀植民地ゆうゆう
燃盛る地球の芯や去年今年 RICKY
青嵐口あり手あり地球人 RICKY
水澄むや地球は小さな星だけど 宇都宮南山
季語ならばやはり冬かな地球の忌宇都宮南山
暑気払い地球に向かって流れ星 ゆうゆう