今までの兼題
| 第1回 | 海 | 第2回 | 岩 | 第3回 | 風 | 第4回 | 雨 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第5回 | 地球 | 第6回 | 獏 | 第7回 | 焔 | 第8回 | 鎖 |
| 第9回 | 闘 | 第10回 | 鬼 | 第11回 | 面 | 第12回 | 悪 |
| 第13回 | 数 | 第14回 | 憎 | 第15回 | 兄弟 | 第16回 | 骨 |
| 第17回 | 青 | 第18回 | 飛 | 第19回 | 指 | 第20回 | 輪 |
| 第21回 | 五 | 第22回 | 進 | 第23回 | 祝 | 第24回 | 角 |
| 第25回 | 羽 | 第26回 | 貧 | 第27回 | 洋 | 第28回 | 雀 |
| 第29回 | 父 | 第30回 | 肩 | 第31回 | 円 | 第32回 | 満 |
| 第33回 | 第34回 | 第35回 | 第36回 |
★5月4日までの投句
みな岸に上りたさうに蝌蚪の満つ 宮島 千生
★そうかもしれない、早く蛙になって岸にあがりたいと。岸に上がれば広い世界がある。子供の時は、なんでも自由に出来るく大人になりたいと願ったりするものである。実際はそうはいかないのだが(禎子)
陽炎の中のピッチャー二死満塁 岩田 勇
★二死満塁はピッチャーにとって、極度の緊張を強いられる場面である。ここで頑張らないと負けてしまう。この句では、陽炎の中なので、必死に投球を続けた結果が不明であり、どこかのんびりした草野球のように思う(禎子)
遠足の子に満面のゑみまたゑみ 廣島屋
★こらから遠足にでかける子を見守る親の笑顔。親も子の始めての遠足に子と同じようにうれしくて、にこにこ、そわそわしている。よくここまで成長したという感慨も見える(禎子)
退院の日は満開の八重桜 中村光声
★退院は本当にうれしいことである。ご本人も周囲の人にとっても。ちょうど八重桜が満開で祝福していて、順調な回復を思わせ明るい暮らしも予想される(禎子)
ちゃぽちゃぽと潮の満つ音春の岸 しま
★掲出句から、原石鼎の「春の水岸へ岸へと夕べかな」という句を思い出す。極めて単純な構図から春の気配を読み取る作者が見えて、好感を抱く句である。石鼎の句は悠揚と流れる山村の川を思い浮かべるが、しまさんの句は河口のようなところのようだ。(喜代子)
昭和の日緑の日あり光満つ acacia
★いつから昭和の日になったのだったか。このところの祭日の増え方は急激で、休むために祭日を作っているようでもある。四月二九日が昭和天皇の誕生日だったことが、時代によっ昭和の日とかみどりの日とか移り変わって、祭日の意図が希薄になった。acaciaさんの手柄は昭和の日みどりの日と畳み込んで、それを「光満つ」で括ったことにある。その頃の空気を言いとめている。(喜代子)
春愁や満つれば欠けるもののあり 中村光声
★満ち欠けをくりかえすものは月、そして運勢。その昔から、完璧なものの魔除けのために、たとえば日光の東照宮の陽明門などは、一本の柱の彫刻だけが下り竜になっている。満つれば欠けるの理を恐れたのだろう。「この一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」と栄華を極めた平家一門すら盛者必衰であった。万人に春愁の種はつきない。(千晶)
路地裏のたんぽぽ満開明日は晴 宮島 千生
★小さな花なのに「たんぽぽ」は勢いのいい花である。小さいくせに地上からすっくと立ち上がるその逞しさと鮮烈な黄色が感じさせるのだろう。路地裏の花壇でもない暗がりに咲いていても、真っ先に飛び込んでくる明るさである。その明るさから、明日を占っている作者がいるのである。(喜代子)
糠床の真中の釘や春満つる さじ太
★糠床の鉄類は漬物の色を鮮やかにするためのもの。錆びた釘などを入れておくことは糠床を作っている人には常識なのである。糠床に釘が入っていることと、「春満つる」とに何の因果関係もないのだが、日常の中の充足感が「春満る」の気持ちを引き出してきている。(喜代子)
夕暮れて小鷺の冠に春満つる 遊起
★夕暮れたときに小鷺の冠に春が満ちているという事には、理屈は無い。ただそう見えたのであろう。それを宜うか宜へないかは、個々の感覚。夕ぐれの中で昼間より、むしろ小鷺の白い冠の存在が際だつたときの、その白さに春を感じ取ったのだと思う。(喜代子)
満願の日を待つばかり百千鳥 中村光声
★日数を限って神仏に祈願をし、その日が満ちることであるが、切なる願いが叶うことでもある。季語に百千鳥を据えたことで、後者と見た。何はともあれ、大願成就の日がもう直ぐなのである・・「やるだけのことはやった」その充実感が百千鳥の囀りを呼び起こす。「日を重ね今日満願の大法事(蝉丸)」の一句を添えて讃とする。(竹野子)
満たされぬ体を預け花開く 石川順一
★満たされぬ体とは欲求不満の謂であろうか? 花の季節は冬眠から覚めた生きとし生けるものにとって情念の高まる季節であり、「桜咲く」ではなく『花開く』とした所に作者の期待が凝縮されていよう。 情景の描写にやや欠けるが、そこがエロチックな所以であり(川柳作家、宮崎歌子の「みだりには出入をさせぬ月華門(月経の異称)」)を彷彿とさせる。 (竹野子)
満開のミモザに生きる重さあり 華子
★生きる重さとは絶妙な表現であろう。稲穂のように見下ろす草丈ではなく、見上げる木である。それも直下で見上げたときの黄色い重量感は、隙間の全くない厚みをもって覆っているのである。衒いのない平易な表現の好感が持たれる秀句である。(恵子)
オキザリス満ちし玄関三輪車 宮島 千生
★若い方の家庭を想像する温かみが詠まれているとおもうのである。取り合わせが珍しい構成になっている。季語オキザリスを詠みこなした作品がまずあまりない。盆梅や福寿草と玄関を詠った作品はままあるが、オキザリスを用いたことで新鮮な句になったとおもう。加えて三輪車という構成が類想のない佳品に仕上がっているのである。カタバミは日本の家紋の中にも存在する。(恵子)
花筏満ち潮にのり川のぼる 小夜
★本来は川から海へ流れていくものなのだが、この句では、まるで海に桜が咲いているような瞬間を捉えている。そのことが花筏を豪華に大きくしていてる。(喜代子)
ゆらゆらと潮満ちきたる春の海 半右衛門
★蕪村の「春の海ひねもすのたりのたりかな」が思い出される句である。蕪村の句はひねもすおだやかな海面を見つめて作品化されたもの。この句もまた「ゆらゆら」というのだから、それまでも穏やかな海だったのである。その穏やかな海をせり上げる満潮時を切り取って春の海を豊かにしている。(喜代子)
満開の桜の上の虚空かな 中村光声
★虚空とは何もない空間、空のことと辞書にある。桜の上には真っ青な空しかない、どこまで行っても無限の空である。桜は満開であってもすぐに散り、どこかそこには、はかなさ、虚しさがただよっている。桜を見ているとそのような無常観に襲われる。(禎子)
時満ちて別れの朝の花散らし 小夜
★後朝の別れだろうか、でも、桜が散るとともにこれが最後の別れになるかもしれない。誰にもそのことは分からない、神のみぞ知る。(禎子)
校庭に霞の満ちて日章旗 宮島 千生
★卒業式の日章旗へ起立しなかった教師達が、罰せられている世の中である。その日章旗が校庭で霞んで佇立している。世の動きに批判的な作者の思いが感じられる句である。(禎子)
満州といふ国ありき蜃気楼 岩田 勇
★満州という国は蜃気楼だったのではないかと思う時代になってきたということだろう。崩壊から半世紀以上経っている。しかし、逆に満州の人はどう考えているだろうとつい思いを馳せてしまった。(禎子)
人生の満期継続四月馬鹿 隠岐灌木
★人生の満期というのは何時を言うのだろう。それでもとにかくありそうな気がしないでもない。人それぞれに、満期だとおもう時期がちがうにしても、満期の先は実に気楽にのびのびと、人生を謳歌したらいい。四月馬鹿という季語を人生の節目に利用するのも、別の見方をすれば余裕というもの。(喜代子)
満腹の仔猫まとまりとろとろとろ 坂石佳音
★隅から隅まで春そのもの、という感覚が伝わってくる。「まとまり」の一語が物語を広げる。数匹の子猫がかたまりあう、その姿を想像するだけでも、猫好きは思わず笑みのこぼれる。癒しの句である。(喜代子)
春満ちて鯨は沖に帰るとも ミサゴン
★地球温暖化現象による海水の温度上昇に伴い、生態系に異変が生じている。近海をさ迷っていた鯨が沖に帰るとも・・。地上では春の訪れと共に生き物の躍動が始まり活動期に入る。海にも陸にも不安が募る。鯨は何故『海』を選んだのか・・。土肥あき子の「水温む鯨が海を選んだ日」の一句が脳裏をよぎった。(竹野子)
満たされることの不安や沈丁花 さわこ
★冬、雪の中から、もう花の用意をし、葉の間に蕾が簇って生じ、長い蕾の期間を経て、かなり香気の強い白色の花を咲かせる『沈丁花』の特異性と、自給率40パーセント以下の『食』の安定と安全を重ねて思うと「満たされること」への不安が募るのだ。中国からの輸入食品が薬物で汚染されていることは周知の事だが、玩具や家具調度品にまで及ぶに到っては何をか況んや、この句の本意に心すべし・・。(竹野子)
いつのまにグラス満たしぬ月朧 廣島屋
★半身をバーのカウンターに拠りかからせている一葉の写真を思い出した。写真の人物は太宰治である。「いつのまにグラス満たしぬ」は自らの無意識の所作かもしれないが、自らを自ら癒しているような静さがある。肯定するのでもない。否定するのでもない。ただ今あることを納得するかのような都会の憂愁が滲んでいる。(喜代子)
ひたひたと地球の息吹潮満ち来 横浜風
★折口信夫の「死者の書」の冒頭には、水の垂れる音を(したした)と書き表している。この句の(ひたひた)も水の音には違いない。たった一音の似て非なる音律が生と死を境にしているのだ。茫洋とひろがる海原のその一所で、作者は満潮の音を聞きながら、地球という規模になるまで季節を謳歌しているのである。(喜代子)
満たされて坊の眠りや春の昼 西方来人
★大人の願いのなかに子の眠りがある。幸せな眠り、それは大人の願い。(もとつぐ)
一人には独りの心春満月 みどり
★こんなに月が大きかったのかとおもうほど上りはじめた春月はおおどかである。独りと詠っても、春の満月によって孤独とは異なる満足感が齎されて、心楽しくなっているのだ。(恵子)
ため息と春の満月そつと抱く 曇遊
★センチメンタルというなかれ、そこに突き抜けた美学がある。(もとつぐ)
春潮の満ち干く音や宵の宿 西方来人
★仕事を離れた旅の、早めに入った宿は、ホテルではなさそう詠われている内容も季語も実にゆったりとして、食事になるまでの旅の醍醐味が伝わる。仮にオーソドックスといわれても穏やかさに共感できる。(恵子)
満を持したんぽぽ宇宙へ出奔す 石田義風
★(満を持したんぽぽ)とは、全円の絮たんぽぽのこと。透き通った絮蒲公英のひとつひとつがまん丸に張りつめているのを目にすると、思わず手折って風に乗せてやりたくなる。折りしも今月11日にはスペースシャトル・エンデバーに日本人土井隆雄さんも乗る込んで宇宙へ旅立っていった。きっと絮蒲公英もその後を追って宇宙に旅立ったのであろう。(喜代子)
満塁に三振の児よ揚雲雀 宮島 千生
★草野球の明るさが揚雲雀の季語のあたたかさでよく伝わってくる。「児」の表記は小学生ぐらいの自分の子供ではない子供のことを指すと聞いたことがある。せっかくのチャンスの満塁も空振りの三振に終わってしまったが、なお空の高みを目指す揚雲雀のようにあきらめずにがんばってほしいと作者は願っているのだろう。春光がまばゆい一句である。(千晶)
うららかに満員なかの独りかな 西方来人
★時は春。うららかな気候に誘われてでかけたのだろう。でも、思うことはみな同じで人気のスポットに。例えば、花見時の詰め込まれた遊覧船の中。大勢の人々と居ながらうららかさのせいで孤独感が深い。うららかなことは気持ちのいいことではあるが、どこか満ち足りた果ての虚しさがつきまとう。(禎子)
満天の星を知らぬ子青き踏む たんぽぽ
★近頃の夜の日本列島は宇宙からの写真でも明るく見えるそうである。都会に生まれ育った子供たちはプラネタリウムでしか満点の星を知らないであろう。それほど自然と遠い暮しの子のことを作者は淋しがっている。春の夜に野に連れ出して一緒に星を眺めたいのかもしれない。(禎子)
ひなぎくの咲く満席の喫茶店 宮島栄螺
★とても明るくて楽しい景が見える。席を満たしているのも女性ばかり。賑やかな笑い声もして春の昼が輝く。(禎子)
満開の桜の下の道化役 西方来人
★満開の桜の下に死体が埋っているという小説を読んだことがある。桜のあまりの美しさ、妖しさが狂気を誘い出す。でも、この句では道化となっただけで無事である。花見の宴にサービス精神旺盛な会社員が見えてくる(禎子)
★ 花の下と言えば、花見の宴を思いうかべるが、この句では、カップルの紹介役を買ってでて、ぎこちない二人を懸命に笑わせようと骨を折っているひとりの人物を思い浮かべた。道化役という自嘲的な響きが、誰もが夢見るような満開の桜の下に、ひとり悲しい。 (長嶺千晶)
★気象庁の桜の開花予報も出された。例年の如く、早朝から席を取って花見の宴が始まる。宴を盛り上げる道化役は○○さんと決まっているのだ。日頃は生真面目な人が別人のように変身して皆を喜ばす。これも、みな、花の精を纏った陽気の成せる仕業なのであろう・・。(竹野子)
朧夜に満面笑みの母に会う 半右衛門
★うきうきと春の夕べの道を行く。満面に笑みを浮かべながら近づいて来たのは『母』であった。予期せぬ母との出会い、幾つに成っても母との出会いは嬉しいもの『朧夜』が情趣を深める。(竹野子)
風船の今を満たすも小さき空 宮島千生
★風船の中にも一つの世界があり小さな空がある。そして現在という時に満たされている。でも、ちょっとしたことで風船は割れてしまう。私達の住む世界も、風船のように壊れやすい危うい世界かもしれない、というより実際に危機にあるようである(禎子)
春潮の満ちて客船押し上ぐる ハジメ
★先日も大桟橋に飛鳥Uが停泊していた。甲板の空には万国旗がはためいて、巨船の周りをかもめが飛び回っている。春潮が満ちてきたら出航するのだろう。心に楽しい船旅を思い描いた(禎子)
満つるとは恐ろしきこと藻草生ふ 岩田 勇
★混沌とした澱みに生える藻草によって生み出される世界。満ちるとは幸せか。(もとつぐ)
自転車の籠に満載うぐひす菜 たかはし水生
★小松菜の幼名で、かぶら菜や水菜より葉の形が鶯に似ていることによるという。菜っ葉類はのびだしたら早い。たまたま見回った自分の畠のものか、通りがかりに近所から貰ったものか。どちらにしても自転車の籠に満載という菜の特色が描かれて面白い。(恵子)
満天の星毀れしかいぬふぐり 中村光声
★満ち足ることは詩になり難く、いつも不安のなかに詩が生まれる。星を毀したい衝動。(もとつぐ)
満足にゆかぬ子育て水温む たんぽぽ
★満足と感じないときは子育てに一所懸命なのかもしれない。親心とはそんなもの。でも水温むと意識するとき、なんとなくさきに明るさを感じているのである。季語が心を表すことばに置き換えられている。(喜代子)
春夕焼満員お礼大相撲 半右衛門
★春夕焼と、満員御礼と大相撲。この3つを並べただけで、暖かな空気を感じるのは、取り合わせの妙というものだろう。国技館の中の空気と春夕焼の空気が境をなくして、あたり一面に満ち溢れているような不思議な手触りを感じる。(喜代子)
満ち引きの潮の揺りかご春の泡 祥子
★潮沫を上手く引き出した佳句とおもいます。春の大潮が駘蕩とした響きを生み、潮溜まりをのぞく子供の声も聞こえます。季節の春が嵌まっています。(恵子)
満天の星の雫やいぬふぐり 宮島千生
★まだ花の少ない早春に、田舎道や畑の辺などに瑠璃色の小さな花を輝かせる優しい草花である。ふぐりが二つ接したような形の実をつけることから『犬ふぐり』の名をもつが、可愛そうな気もする。あの、可憐な花を『満天の星の雫』と受け止める感性の豊かさに、『犬ふぐり』の喜ぶ声が聞こえてくるようである・・。(竹野子)
満タンにしてドライブの春大地 半右衛門
★雪解けの始まる大地。啓蟄と共に大地が動き出す。春の大地は生きとし生けるものを受け入れて、生命の躍動を促すのである。『満タンにして』の『して』を取り15文字の『破調』にしたらどんな趣になるだろうか?「満タンにドライブの春大地」生涯一句の破調 ?・・。(竹野子)
満天の星に抱かれ山眠る 西方来人
★冬の帝の鈍い光の下に生気を失い、降り積もる深雪に覆われて、深深と眠っているかのような冬の山も、晴れた夜は満天の星に抱かれて眠っていることを発見したのだ。晴れ渡った寒天の夜の趣が、『星に抱かれ』に表出された。竹野子)
予選句
| なまぬるき吐息の満つる春の夜 | 中村光声 |
| 家に満つカレーの匂ひ子供の日 | 森岡 忠志 |
| 時満ちて筍飯は炊きあがる | 玉裳 |
| 生垣の躑躅満開猫二匹 | 宮島 千生 |
| サクラサク余韻の嬉し天満宮 | ぐみ |
| 珈琲の香の満ちて藤白し | 宮島 千生 |
| 海鳴りの満つる灯台松の芯 | 中村光声 |
| たかんなの鋭気満たして吸ひつく刃 | 遊起 |
| 満天の星降る岬能登の闇 | 岩田 勇 |
| 満天を深呼吸せり花水木 | 宮島 千生 |
| 蝌蚪満つる天水桶となりにけり | 中村光声 |
| 茶の香満つういらう別ける春の昼 | 宮島 千生* |
| 干満の潜む海原風光る | 中村光声 |
| いつのまにグラスに満タン花吹雪 | さわこ |
| 春朧欠けても満ちる三日の恋 | 小夜 |
| 満地球氷河の溶けた肌哀れ | 半右衛門 |
| 摩訶不思議満地球てふ春の宵 | acacia |
| 囀りや今日も満席木のベンチ | みどり |
| 春深しかぐやの映す満地球 | みどり |
| 花は葉に大地の力満ちる幹 | 中村光声 |
| 花散らす風ふところに満尾せり | 中村光声 |
| 枝垂れ花重なり落ちて夜気が満つ | 小夜 |
| 満期日のわくわく久し桜冷え | さわこ |
| 摘む人を待つや蓬の野に満ちぬ | 宮島 千生 |
| 春満月しみじみ観れば恐ろしき | 藤尾 |
| しゃぼん玉吹けば幼き日の満てり | 中村光声 |
| 惣領のくしゃみ満開花粉症 | 半右衛門 |
| 鞦韆を漕ぐ満々と夢のこと | 阿愚林 |
| 並木道さくら満開二往復 | ミサゴン |
| 朧夜の円満離婚呵々大笑 | ぐみ |
| 満願を添へて納めし遍路杖 | 岩田 勇 |
| 名を問えば満天星と言われけり | 西方来人 |
| 新築の図書館に満つフリ−ジア/td> | 宮島栄螺 |
| 花祭満都に雨の降りにけり | 中村光声 |
| 正信偈御堂に満ちし花祭 | 宮島 千生 |
| 天空をひととき満たし桜散る | 宮島 千生 |
| 満山の囀り鎮め鐘響く | 宮島 千生 |
| 満開の四つ五つやフキノトウ | acacia |
| 花満開池の湾曲灯りして | ハジメ |
| 錯乱が満ちてくるのは芽吹く頃 | 石川順一 |
| クロッカス満開後の短さよ | 石川順一 |
| 満開の花の真下の大河かな | 中村光声 |
| 花冷の満座の中にゐて独り | 中村光声 |
| 乳癌の妻も満足山桜 | 藤尾 |
| 来し方に満点いくつ万愚節 | 華子 |
| 囀りや今日の幸せ空に満ち | 華子 |
| 奈落から満ちるよろこび万愚節 | 西方来人 |
| 春泥のおぼこの跡や満庭に | 西方来人 |
| 花情報満載の世の底の冷え | 華子 |
| 満願の鳥居の脇の黄水仙 | 宮島 千生 |
| 春の水ごとり満たして水車かな | 華子 |
| 花冷えや別れの潮の満つを待つ | 小夜 |
| 満員のド−ム球場花衣 | 宮島 千生 |
| 雨水を満たす大甕蝌蚪の国 | 中村光声< |
| 満員のド−ム球場花衣 | 宮島 千生 |
| 満身に花吹雪浴ぶ此岸かな | 宮島 千生 |
| 神様の規則満ちたる春の雲 | 中村光声 |
| 満天星の花の標や保育園 | 中村光声 |
| 春風に満艦飾の濯ぎ物 | たんぽぽ |
| 満ち潮にアサリ隠れる早さかな | 半右衛門 |
| 落書きは百点満点山笑ふ | 祥子 |
| 満開にひそひそ聞こゆるしじまかな | acacia |
| 春場所や満員御礼幟立つ | 中村光声 |
| 昨日より今日の空へと木の芽満つ | 隠岐灌木 |
| 水清く満ち足りて何故鳥帰る | 半右衛門 |
| 満々と飲み干す酒や桜散る | acacia |
| 横綱の満面の笑み花青木 | 宮島 千生 |
| 春日満つ石の日時計正午指す | 中村光声 |
| 満水のダム湖抱きて山笑ふ | 中村光声 |
| 満腹の目のすぐわかり花筏 | 廣島屋 |
| つばくらめ満都をかすめ海に出る | 中村光声 |
| 観世音春の声聞き満る花 | 志村ゆり |
| 満月に黒雲一片近付けり | 祥子 |
| 宵の満つけだるくとどむ桃の花 | 鴨三 |
| 満々の笑みはちきれるしゃぼん玉 | さわこ |
| まさぐりて満かいざくらあたたかし | さわこ |
| まさぐりて満かいざくらあたたか | 半右衛門 |
| 満水のダム湖揺るがす雪解かな | 西方来人 |
| 干満をともに座つて春半ば | 廣島屋 |
| 合歓の花はらはら母の満中陰 | 森岡 忠志 |
| 何故に水満々として鳥帰る | 半右衛門 |
| 菜花の香満ちてラリ−の続きけり | 宮島千生 |
| 春の海タンカー沈み油満つ | たかゆき |
| 汗かきは隔世遺伝満一歳 | 森岡 忠志 |
| 詰襟に希望の満ちて無人駅 | 宮島千生 |
| 地に人の満ちて残雪穢れをり | 宮島千生 |
| 満腹の幸知らぬ子と菜飯食ぶ | 宮島千生 |
| 新樹光二尺に満たぬ弁財天 | 森岡 忠志 |
| 満ち満ちて雪解け水に春の光 | 伊藤 無二 |
| 春風に笑顔満開三汀像 | 阿愚林 |
| 満を持し頭擡げる土筆かな | 半右衛門 |
| 満干や飯蛸坊主遍路の途 | 鴨三 |
| 満員の受験会場皆受かれ | 宮島 千生 |
| 満足と不満のありて春の雷 | 宮島栄螺 |
| 満々と水湛えるも鴨の発つ | 半右衛門 |
| 満満の雪解を抱けり日本海 | 宮島 千生 |
| 沼満ちて蛙の戦始まりぬ | 宮島千生 |
| 天満屋の北京にとどく春マラソン | 半右衛門 |
| 分かち合ふ春満月の光りかな | 中村光声 |
| 飛花落下円満家族車座に | みどり |
| 満員のブルートレイン春北斗 | ハジメ |
| 縁先に満天星の花と吹く風と | みどり |
| 満載の船の遅さよ朝霞 | 中村光声 |
| 臥す君は満開桜心待ち | 西方来人 |
| あおやぎの 糸に満満 みどりの子 | 鴨三 |
| 春光や瑠璃満ち溢る鳩の胸 | 中村光声 |
| 入学の姉を追いたる満3歳 | 西方来人 |
| 満床の老人施設風光る | たんぽぽ |
| 春満月ひとりになれば本開く | shin |
| 三月十日死臭に満ちしこともあ | 中村光声 |
| 満席の回転寿司や春の宵 | たんぽぽ |
| 満腔の声を絞りて恋の猫 | 西方来人 |
| 満月は海の灯台人生まる | 祥子 |
| 受験子のいはずもがなの笑み満面 | 岩田 勇 |
| 掌に満つるでこのたんこぶ春炬燵 | 隠岐灌木 |
| いささかの不満堪へて栄螺噛む | 宮島 千生 |
| 今宵から満漢全席黄砂荒る | 木佐梨乃 |
| 満を持し再び出でる恋の猫 | 西方来人 |
| 満天の星の冠満一歳 | 祥子 |
| 満潮痕辿りて歩む浜の春 | 横浜風 |
| 満ち足りて早寝の母や春炬燵 | たんぽぽ |
| 不満などあるにはあれど麦とろろ | 祥子 |
| 満つる家の灯り点るる朧かな | 玉裳 |
| 満々の雪解け水や黒部ダム | 岩田 勇 |
| はつとして冬満月の真白かな | 岩田 勇 |
| いぬふぐりてふ星満てり賢治の地 | 中村光声 |
| 朧夜に満面笑みの母に会う | 半右衛門 |
| 冬銀河満座の中の道化役 | 西方来人 |
| 満月や森の奥から深き声 | 祥子 |
| 春満月森の香四方に放ちけり | 中村光声 |
| 水満たし光るチューリップを挿 | acacia |
