本誌は4月(春号)、7月(夏号)、10月(秋号)、1月(冬号)に発行する俳句同人誌です。年間購読のご希望は3,000円を郵便振替 00150-8-85254「ににん発行所」宛に住所、氏名、郵便番号、電話番号を明記してお振り込みください。現在発行している号より一年分を順次お送りいたします。
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過去の目次

0号〜40号41号〜最新号

ににん 93号 2024年1月1日 発行
目次 1 
挨拶代表交代02 岩淵喜代子
代表交代03新井大介
俳句ににん集04 三島やよい 他
さざん集19服部さやか 他
 
句々燦燦92号から34同前悠久子 他
 
書評有馬道子『記号論から見た俳句36末永朱胤
杉山久子句集『栞』37新井大介
 
連載定型詩の不思議38高橋寛治
連載武蔵野嬉遊42正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
一句深遠46新井大介
編集後記48*
 
附録『雁の玉章』木津直人
原良子
栗武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子・木津直人

●編集後記 九三号●

▼はじめての床屋に行ってみた。老夫婦二人でやっている床屋だ。駅前の雑居ビルに入っており、分かりにくい。それでも長く商売をつづけており、馴染み客が多いようだ。ご主人は馴染みの客に取り組んでおり、会話が弾み、時々奥さんも口をはさむ。その奥さんが僕の髪を刈るようだ。大丈夫だろうかとふと思う。「はじめてだと緊張しますよね、お互い。ただの床屋なんですけどね」と奥さんが言う。その言い方がとても感じよかった。腕も確かであった。(大介)

▼母が存命の頃、二人で皇居を散歩した事がある。そこで馬車行列のイベントに出くわした。するとサプライズで当時の平成天皇両陛下があらわれた。沿道の群衆の中、なんと母の眼のまえに陣取られて、馬車の通過を待つことになった。「どこからいらしたんですか?」「世田谷なんです」三人で立ち話をしている! 私はその後ろで驚いていた。見物人たちによって動画投稿されたので、後日それを見ながら「戦前だったら銃殺されてたねえ」と母は笑った。(直人)

▼全国で熊が出没している。大正時代に北海道 で起った三毛別羆事件。この羆は女人ばかりを 八人喰い殺し、後には毛髪と脚絆ぐらいしか残 さなかった。この熊には女の方が美味だったら しい。(男は不味いのか)この事件を克明に辿っ た「羆嵐」吉村昭。名著である。(淳子)

▼五〇年前の自分を思い出すのは簡単ではない。一つの方法として、当時記憶に残った本からその頃の自分を推測することを試みた。ジョン・バース『旅路の果て』とかなり後になるがトマス・ピンチョンの『スロー・ラーナー』で、二冊の小説から米国最新の文化情報を求めていた姿勢が見える。やや方向転換があったのはピンチョンを読み始めた頃で、詳細な分析はこれからだが、二人の作家に再挑戦したい気分で未読の本を読む予定を立てている。(寛治)

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▼ににんからのお知らせ

▼ににんの会費は、冬号の出るまでに納入していただくことにしています。十二月末の一斉納入にご協力ください。
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▼季刊「ににん」の購読は三千円
▼同人費一万三千円

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
 現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 春号・二月十五日締切り  (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り  (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)

●作品掲載その他●

▼宇陀草子
「俳壇」一月号 俳句五句とエッセイ

▼九四号の兼題「煙突」
 高々と煙突立てり春の空  高柳重信
 煙突の一本高し春の海   高浜虚子
 遠景に煙突揺らせ陽炎へる 稲畑廣太郎

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ににん 92号 2023年10月1日 発行
目次 1 
俳句ににん集02 松下祥子 他
さざん集17中田千惠子 他
 
句々燦燦91号から32谷原恵理子 他
 
書評岸本尚毅『文豪と俳句』34末永朱胤
金子敦『金子敦句集』35新井大介
 
連載俳句作品36正津勉
連載定型詩の不思議40高橋寛治
連載僕の愛する俳人44西村麒麟
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
一句深遠47新井大介
編集後記48*
 
附録『雁の玉章』近松セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 九二号●

▼タオルの基本はやはり白色なのだろうけど、僕は敢えて色柄物を勧めたい。白は確かに清潔感があって気持ち好いのではあるが、古びた時は本当にみすぼらしい。それに比べ、色柄物は使い込むほどに却って味わいが出たりして、長く使える。アメリカでの単身赴任で色柄物の良さに気づき、イギリスでの生活で確信めいたものになったのであるが、これが日本ではなかなか分かってもらえない。日本人はやはりどうしても清廉な白色が好きなようだ。(大介)

▼五月、城崎温泉から乗った山陰線の車窓。田も山もさ緑に萌え、山里の姿はつつましく、ほとんど例外なく、関東では見られない光沢のある瓦で葺かれていた。美しさの裏には因襲もあるんだろうな、規格型住宅を建てたい人だっているだろうな、そう思いながら福知山を過ぎると、そろそろ瓦は光沢を失って来て、列車が京都市内の高架線に入ると、京町屋のきたない瓦屋根が眼下にひろがった。美しい但馬路は幻と消えていた。(直人 )

▼バスター・キートンのサイレント映画『キートンの西部成金』にギタリスト、ビル・フリゼールが委託され作曲し、彼のレギュラー・トリオの演奏によるCDがある。フリゼールらしさがあふれた見事な出来映えで興味が尽きない。
 このCDを聴きながら思うのは牧野信一の短編小説『ゼーロン』や『鱗雲』『西部劇通信』などのキートン的な要素を含んだ作品でビル・フリゼールの音楽もぴったり合う。『キートンの西部成金』、是非見たいものである。(寛治)

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▼ににんからのお知らせ

▼ににんの会費は、冬号の出るまでに納入していただくことにしています。十二月末の一斉納入にご協力ください。
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▼季刊ににんの購読は三千円
▼同人費一万三千円

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
 現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り  (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り  (発行十月一日)

●作品掲載その他●

▼岩淵喜代子
「俳句四季」十月号 巻頭作品三句
 現代俳句協会第六四回全国大会作品選者

▼宇陀草子
 「俳句四季」十月号 八句掲載

▼九三号の兼題「土地」
 枯れし土地にはじめて吾子を立たしぬ 篠原 梵
 冬暖を城にあそびてみな土地人    宮津昭彦
 見知らぬ土地低きところを寒の水   鈴木六林男
 時雨来て駅にさざめく土地訛     大沼雅敬
 雪虫を払う眼前父母の土地      村田治男
  表題は「土地」にしないでください。
  さざん集とも、句は季節順に並べてください。
▼句々燦燦の執筆者の方は、引用句の表記ミスにご注意ください。

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ににん 91号 2023年7月1日 発行
目次 1 
特集『宇陀阿騎野』風土への深い眼差し02大郷石秋
 
俳句ににん集08 牧野洋子 他
さざん集24中島外男 他
 
秀句燦燦90号から36小塩正子 他
 
書評川崎展宏『四季の詞』42末永朱胤
山西雅子句集『雨滴』43新井大介
 
連載武蔵野嬉遊44正津勉
連載定型詩の不思議48高橋寛治
連載僕の愛する俳人52西村麒麟
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 九一号●

▼東京と軽井沢で二拠点生活をはじめ、枕に凝りだした。東京の枕と軽井沢の枕とでは寝心地が違い、枕の重要性に改めて気づいたのだ。気づくと気になる。気になると眠れない。たまの出張などで枕が変わり寝つけないのは致し方ないとして、日常生活の場で眠れないのは困る。そんな訳で枕に凝りだしたのだ。悩みはじめたという方が実は正しい。凝性の僕は枕についてさまざまな情報を集め、いろいろな枕を買って試す。そんなこんなで家に枕が増えた。(大介)

▼ながく校正・校閲をしてきた登山の雑誌「山の本」(白山書房)がこの春休刊した。コロナで購読者が減ったことが理由だった。文章を中心にした山の雑誌としては、かつて串田孫一編集の「アルプ」が多くの山好きや登山家に影響を与えた。「山の本」もそのような記録として残ってほしい。感動したものもあったし、校正しつつ遭難地点を割り出した事なども懐かしい。私はこの春から腰を痛め、もう荷を負っての山は無理になった。どうしようと思うこのごろ。(直人 )

▼何年ものコロナ禍の籠り生活のあと、コロナウイルスへの対応が変わったということで、外出の機会が殆ど元通りとなりつつあるが、不安はぬぐいきれない。身近の小さい句会でもコロナ禍の間に会員同士の気持ちのずれが起こって、分裂してしまったものがあるなど、影響は残っている。そんな中、燕がやってきて、大磯の駅舎のなかの燕たちを観察するのがいつもの楽しみになっている。暑さに向かうが、体調を整えてににんの例会への出席に備えたい。(研治)

▼二枚のCDが僕の宝物だ。フリージャズのトリオ、ポール・ブレイ(p)、エヴァン・パーカー(s)、バール・フィリップス(b)で1994、96年に収録された。聴きながら禅問答を思い浮かべることもある。弟子と師匠の真剣勝負で、問いに対し切り返すのはむろん即興である。禅問答とフリージャズは似ている。規制されることを嫌い、反規制の気概がある。そう思うと禅がすごく身近に新鮮に感じられるから不思議である。(寛治)

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▼季刊ににんの購読は三千円
▼同人費一万三千円

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
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▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 秋号・八月十五日締切り  (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り  (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り  (発行七月一日)

●作品掲載その他●

▼ににん 谷原恵理子記
「俳壇」九月号 「にっぽん俳句風土記」志賀直哉の城崎温泉めぐり

▼岩淵喜代子
 「俳壇」八月号 グラビア 「俳人の住む街」
 「毎日新聞」埼玉版俳句欄、選評
 埼玉県芸術文化祭協賛 二〇二三年埼玉俳句大会選者

▼二〇二三年九二号の兼題「阿吽」
 菜の花や阿吽の苔もうすみどり 安藤次男
 白露に阿吽の旭さしにけり   川端茅舎

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ににん 90号 2023年4月1日 発行
目次 1 
追悼清水哲男さん02岩淵喜代子
 
俳句ににん集04浜岡紀子 他
さざん集20中﨑啓祐 他
 
秀句燦燦89号から36鬼武孝江 他
 
読む書評38末永朱胤
書評39新井大介
 
連載武蔵野嬉遊40正津勉
連載定型詩の不思議43高橋寛治
連載虚子48西村麒麟
 
一句深遠54新井大介
編集後記56*
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
栗原良子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 九〇号●

▼父のパイプのコレクションは四十本ほどになっていた。そのうち何本かを形見として手に入れ、僕はひと頃パイプに凝った。開高健がたびたび書くように、パイプは人前で喫うものではなく、独りで余裕をもってゆったり自室に籠って楽しむものなのだ。若かかった僕にはとてもそんな余裕はなく、結局パイプは止めてしまった。今なら多少の余裕はできたものの、パイプなんかを心地よく喫える身体でも時代でもなくなってしまった。(大介)

▼トルコの作曲家/ピアニスト、ファジル・サイのハイドン、ピアノソナタを聴いて目玉が飛び出るほど驚いた。作曲家サイは知っていた。不思議な交響曲など彼を好意的に捉えてはいたが、ピアニスト、サイを見落としていた。仰天して彼のピアノ演奏、バッハ、モーツアルトなど次々と聴いてみた。ゴルトベルグ変奏曲のサイ、グールド、高橋悠治の聞き比べもした。作曲も『トロイ・ソナタ』『チェロと管弦楽のたの協奏曲』など驚きで、刺激的である。(寛治 )

▼ロープウェイの山上駅を降り、アイゼンを締める。その五分間で手の指の感覚は全部なくなってしまった。冷え性のうえ不整脈持ち、さらに加齢。だめだ。どこで引き返すか迷いながら登っていく。手袋の中で拳を握り、速めに登って心臓にターボをかける。すると指に血が戻ってきた。一時間後、北横岳の頂上に立つ。樹氷群は凍りつき、突いても蹴ってもびくともしない。零下十五度。薄日もさしてきた。(直人)

▼裏表紙の奥付をご覧になって、編集などの名前が変わってきていることにお気付きになったでしょうか。
 ふたつほど大きく移動したのが、校正と会計です。校正は木津直人さんが行っています。また会計の口座管理は今年度から尾崎淳子に担当していただくことになりました。会計並びに監査は前年度と同じ五十嵐孝子さんの担当です。
 なお、ににんへの入金は郵貯口座「〈10330―76542741〉ににん発行所」のみになりますので、口座番号を記録しておいてください。(喜代子)

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▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
 現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 夏号・五月十五日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り  (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り  (発行四月一日)

●作品掲載その他●

▼岩淵喜代子
 午後といふ冬日の熱き日なりけり 岩淵喜代子
 人形を立たせ箱庭完成す     川村研治
 つつかれて空蝉の肢とれちまふ  新井大介
 春の闇うしろ姿の夢をみし    五十嵐孝子
 合歓咲いて町へ移動の人形劇   岡本惠子
 万緑や手話のふたりは向かひ合ひ 尾崎淳子
 舞ふ柳絮つかみそこねて西安路  木佐梨乃
 一番乗りのいぬふぐりが百もある 木津直人
 廃屋の主なりしか八重椿     小塩正子
 戦場に海月のごとく落下傘    千葉隆
 花影に豆腐屋の桶並びをり    中﨑啓佑
 鞦韆や午後は誰にも誘はれず   服部さやか
 葉桜の木漏れ日浴びて老ふたり  三島やよい

▼岩淵喜代子
「俳句四季」四月号 作品十六句
「毎日新聞」埼玉版俳句欄、選評
 埼玉文学館賞の選出

▼西方来人
「俳句四季」六月号「句のある風景」五句

▼末永朱胤
『ウエップ俳句通信』一三三号
特集「同人誌の同人競泳」俳句十句

▼二〇二三年九一号の兼題「椅子」
 百物語舞台に椅子のひとつだけ  小田允夜
 楸邨を待ちつづく椅子緑蔭に   熊谷愛子

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ににん 89号 2023年1月1日 発行
目次 1 
特集『月の梯子』句集評論02高橋寛治
一句鑑賞06新井大介
 
俳句ににん集08平林佳子 他
さざん集24豊田静世 他
 
秀句燦燦88号から40歌代美遙 他
 
読む書評42岩淵喜代子
書評43新井大介
 
連載評論定型詩の不思議44高橋寛治
連載評論僕の愛する俳人48西村麒麟
連載評論光太郎の山52正津勉
 
編集後記58*
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 八九号●

▼あのジーパンを捨ててしまったのは、取返しのつかない失敗である。確かに色あせてくだくだではあった。サイズも少し大きく、だぶついていた。それを嫌った妻の言うことを、なぜ受け入れ、処分してしまったのか。とても後悔している。三十年以上は間違いなくは履き続けたもので、愛着のあるジーパンであった。生地はすり減り柔らかく、何よりも僕の体にしっくり馴染んで心地よかった。そんな唯一無二のものを、僕はなぜか手放してしまったのだ。(大介)

▼「大事なことは逃走することだ」と書いたのはジョゼフ・コンラッドだ。十七歳の頃、ロシア帝国を逃れマルセイユで船員となる。数々の優れた海洋小説を書き後に世界的な大作家となった。独立運動を指揮したポーランド貴族の父の流刑(現ウクライナ領内)が原因で、両親を失い十二歳で孤児となる。コンラッドは生涯ロシアを嫌った。歴史は繰り返すのか?今、ロシアから逃げ出す若者は多い。世界的な大作家が近い将来、誕生するであろうか。(寛治 )

▼深紅の楓よりも、桜紅葉の方が好きだ。ほどよく枯れ色と混ざって青空に映えている姿が、控えめでなつかしい。
 楓の見事な発色は、どう捉えていいのか脳が迷ってしまう。同じことが春、桜の花にも起こる。あまりの出来事に、戸迷いながら、愛でながら、やがてここには長く居られない気持ちになり、卒然とその下を通りすぎる。
 ひとつの物とじっと対峙する気持ちは、自分の中にはないのかも知れない。(直人)

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▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
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 春号・二月十五日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)

●作品掲載その他●

▼ににん
二〇二三年現代俳句協会年鑑
    年鑑動向記載 岩淵喜代子
 午後といふ冬日の熱き日なりけり 岩淵喜代子
 人形を立たせ箱庭完成す     川村研治
 つつかれて空蝉の肢とれちまふ  新井大介
 春の闇うしろ姿の夢をみし    五十嵐孝子
 合歓咲いて町へ移動の人形劇   岡本惠子
 万緑や手話のふたりは向かひ合ひ 尾崎淳子
 舞ふ柳絮つかみそこねて西安路  木佐梨乃
 一番乗りのいぬふぐりが百もある 木津直人
 廃屋の主なりしか八重椿     小塩正子
 戦場に海月のごとく落下傘    千葉隆
 花影に豆腐屋の桶並びをり    中﨑啓佑
 鞦韆や午後は誰にも誘はれず   服部さやか
 葉桜の木漏れ日浴びて老ふたり  三島やよい

▼岩淵喜代子
「俳句」十二月号作品二十一句
「俳壇」十二月号
 一句鑑賞田口紅子句集『金声』より。
「ウエップ」百三十一号作品十二句
 毎日新聞埼玉版俳句選者
 俳人協会埼玉支部俳句選
 現代俳句協会埼玉支部俳句選

▼尾崎淳子
「俳句界」一月号 作品六句掲載

▼木津直人
「山の本」二〇二二年冬号 中村好至惠画文集 『水彩(みずいろ)の山』書評。

▼二〇二三年九〇号の兼題「教室」

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ににん 88号 2022年10月1日 発行
目次 1 
俳句ににん集02中田千恵子 他
さざん集18同前悠久子 他
 
秀句燦燦87号から36安達英子 他
 
読む書評38川村研治
書評39新井大介
書評40栗原良子
 
連載評論定型詩の不思議42高橋寛治
連載評論僕の愛する俳人46西村麒麟
連載評論永平寺50正津勉
新連載評伝鹿火屋曼荼羅55岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』木津直人
栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 八八号●

▼コロナの四回目のワクチンを接種はしたのだが、これで絶対大丈夫だという実感が湧いてこない。各種の会合はだいぶ復活されているようだが、絶対安心という保証はなにもない。猛暑や出水被害も報告されているなか、縮こまってしまうのは行動範囲だけでなく、思考力、想像力もさび付いてしまっているような気がして仕方がない。そろそろ燕も帰ってしまったらしく身の回りでほとんど見かけなくなってしまった。気を引き締めていかねばと思う。(研治)

▼消化器内科の世話になり内視鏡を使った手術を受けた。手術そのものは二時間程度で終わり、痛みもなかったが、その前後の絶食が結構きつかった。手術前日から飲食禁止となり、ようやく重湯にありつけたのが翌々日の昼からであった。その間は点滴のみ。空腹が続き苛立つこともあったが、それでも快復は思いの外早く、重湯を二回こなした後は五分粥へ進めた。空腹を極めると体内が浄化されたように思えてきたのが発見である。(大介)

▼俳句でも猫や犬、動物を詠み込んだ句は多い。
 愛らしいペットの仕草は動画サイトで幾らでも見ることが出来る。一方屠殺工場のシーンを見る事はない。人間の二面性、動物であり且つ人間であることの危うさ。戦争で日々殺傷が続いている。人は心のバランス、健康をどう保つことが出来るのか?
 与謝野晶子は、「ああ、弟よ、君を泣く、君死にたまふことなかれ」と詠ったのでした。言葉の力、浄化作用。心のために。(寛治 )

▼東海道線の函南(かんなみ)駅は、箱根山の裾野にある小さな駅で、駅前には何もない。そこから車道を歩いて下ると、眼下に田園がひろがった。残暑のため汗はきりもなく滴った。
 向こうからランドセルの女の子が歩いてきた。こんなに景色のいい一本道を、この子は毎日登下校していると思うと、何だか可笑しかった。その子は何か独り言を言っているようだった。
 私は伊豆箱根鉄道の大場駅まで歩いた。そこまでほんの一時間。汗まみれだった。(直人)

▼次回の詠題は「仲間」です。どの詠題の時もそうですが、仲間の句を作るのに、どんな仲間があるか等を想像したら、既に仲間の良い句などは創れません。どんなときでも、そのことばから想像できないことばから生まれてこそ、秀句になります。くれぐれも「仲間」を探さないでください。(喜代子)

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▼ににんからのお知らせ

▼ににんは会費の納入を冬号の出るまでに納入していただくことにしています。従って毎年、十二月末までに納めて頂くと助かります。この一斉納入にご協力ください。
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▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
 現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り (発行十月一日)

●作品掲載その他●

▼岩淵喜代子
俳句年鑑二〇二三年版 「諸家自選五句」
           「結社の動向」
八月「篠」二百号記念句会
「毎日新聞」埼玉版俳句欄、選評

▼二〇二二年八九号の兼題「仲間」
 手の傷も暮しの仲間雪青し   金子兜太
 冬田道一列歩行の仲間たち    原子公平
 鯛焼や内職仲間妻にあり    細川加賀
 空蝉を硝子の仲間に加へ けり 岩淵喜代子

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ににん 87号 2022年7月1日 発行
目次 1 
特別作品フライトゥーザ・ムーン02正津勉
 
俳句ににん集04中島外男 他
さざん集20千葉隆 他
 
秀句燦燦86号から36村瀬八千代 他
 
読む書評38川村研治
書評39新井大介
 
連載評論定型詩の不思議40高橋寛治
連載評論僕の愛する俳人44西村麒麟
新連載評伝鹿火屋曼荼羅49岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』近松セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 八七号●

▼コロナ禍のさなか、パソコンのメールに大いに助けてもらっているが、最近行った、十数人に対する一斉メールの際、三十分以上かかって送信できたのだが、受信者から添付したファイルが五通も重なっておくられてきたといわれたのである。パソコンの仕組みについてはよく分からないながら、絶対の信頼を持っていたのだが、これからは十分注意せねばと思っている。それにしても、対面での句会が再開できるようになることを願ってやまない。(研治)

▼文庫本を買い、帰りの電車で読みはじめる。しばらく前から気になっていた随筆集だ。たまたま立ち寄った本屋で目に留め、買い求めたのであった。家に戻ってからも読み進めた。著者は相変わらず子供や小動物がお好きなようだ。ふと気になって本棚を探せば、まったく同じ本が見つかる。既に読み終えている風情でもあるが、自信が持てない。楽しみながら読めているなら、再読であっても、それはそれでよかろう。今更急ぐ人生でもあるまい。(大介)

▼編集は面白い仕事だ。人は誰でも寝る前にその日の出来事を、あるいは翌朝前日の出来事を無意識に編集しているものだ。知恵が働く身近な現場である。その延長に多くの他者の出来事が含まれる雑誌の編集となると賑やかである。
 言わずに言う、書かずに書く、言葉を使わずに言葉を使う。俳句の醍醐味であり、言語の持つ驚くべき機能の一つだ。今、「嘘を重ねる戦争」と書けば読者は多くの意味を具体的、抽象的にもくみ取って頂けると思う。(寛治 )

▼時々豆を撒いていたら、雉鳩がなついて、窓辺に催促にくるようになった。二羽が仲良くしていて、うらやましい。ところが三羽になると、関係が複雑になった。餌のひとりじめや、いじめが起きる。それで豆やりはやめた。先週、窓から地面を見ていると、いつもの鳩を蛇がねらっている。鳩は目があまりよくなく、気づいていない。急いで外に出て、蛇を棒で追いやった。ジムグリという一メートルの奴で、まだ気温が高くないので、動きは緩慢だった。(木津)

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▼ににんからのお知らせ

▼ににんは会費の納入を冬号の出るまでに納入していただくことにしています。従って毎年、十二月末までに納めて頂くと助かります。この一斉納入にご協力ください。
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▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
 現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 秋号・八月十五日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り (発行七月一日)

●作品掲載その他●

▼岩淵喜代子
「篠」二百号、「四〇周年を迎えて」へ寄稿
「俳句」七月号
    創刊七十周年祝い句一句とエッセイ
「俳句」八月号、松野苑子句集『遠き船』小論
「俳句界」八月号「セレクション結社」
    グラビア・エッセイ・主要同人二十句
「俳壇」九月号・結社主宰一〇一人競詠
「毎日新聞」埼玉版俳句欄、選評
「俳句四季」カレンダー掲載

▼西方来人
「俳句四季」六月号「句のある風景」五句

▼二〇二二年八八号の兼題「世界」
 雪解光のみの世界や豚眠る   高野ムツオ
 白亜紀の世界へ 続く蝉の穴  加藤房子
             膝の上が女の世界毛糸編む  伊丹三樹彦

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ににん 86号 2022年4月1日 発行
目次 1 
俳句ににん集02中崎啓佑 他
さざん集19近本セツ子 他
 
秀句燦燦85号から34中崎啓佑 他
 
読む書評38川村研治
書評39新井大介
 
連載紀行立山紀行40正津勉
連載寄稿僕の愛する俳人44西村麒麟
連載評論定型詩の不思議50高橋寛治
新連載評伝「鹿火屋」曼荼羅54岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記62*
 
附録『雁の玉章』中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 八六号●

▼▼新型コロナウィルス感染が収まっている訳でもないなか、彼方の国で人間の殺戮が始まってしまった。これもみな人間の限りない欲望から発していると思うと人間の存在に大きな不安を感じざるを得ない。自分自身以外にも自分と同じ心をもった者がいるのだという他者への信頼感が欠損すると悲劇が起こってしまう。
俳句という小さな表現形式に頼っている我々も、一句の中に無限の可能性を籠めるという欲望を持っているが、それも、読者への絶対な信頼がなければ叶うものではない。一方、読者という立場に立ってみて、作者への信頼感のもと、その作品を深く読み込むという努力も怠ってはならないのだろう。
コロナ感染への恐れはまだ続くと思われるが、このような状況の下、他者への信頼を失ってしまう例がしばしば見られることがかなしい。
  人間同士の争いを嘆いているなかにも、自然の脅威がいつ襲ってくるか分からない。地震、噴火、豪雪など、差し迫っているところもあるのであるから、少なくとも人間同士の関係が毀れないことを祈るばかりである。(研治)

▼評伝『頂上の石鼎』を書きあげてからもう十二年も経っているのだ。書き上げてからずっと気になっていたのが、石鼎の膝下に集まった弟子たちや遠くから「鹿火屋」に参加してきた俳人のことだった。例えば今回書いた鈴木花蓑など、評伝を書いている当時は全く関心がなかった。それでも、『頂上の石鼎』を読み返してみると、ほんの少しだが花蓑が登場していたのでほっとしている。登場したとは言っても、「しばしば訪れた一人に「平野」の編集を手伝っていた鈴木花蓑がいる」という二行にもみたない文章である。その後、わたしも花蓑に素っけなかったが、コウ子も花蓑を話題にしているのは一回目の訪問のときだけである。
人はわたしが石鼎に拘っているのが気になるらしく、「なぜ石鼎なんですか」と問いかけてくる。「「鹿火屋」に居たからかも知れない」と答える。すると次に「なぜ俳句だったんですか」と聞いてくる。それは石鼎のことよりも答えにくい。「うーん」と首を傾げた後「暇だったから」とあっさり答えるともう何も聞いて来ない。(喜代子)

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 夏号・五月十五日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月十五日締切り (発行四月一日)

●記事掲載●

▼岩淵喜代子
「俳壇年鑑」二〇二一年度の自薦三句
「俳壇」三月号・春の季語で定点観測文章
「さいたま文芸集団」機関紙に俳句五句出句
「毎日新聞」埼玉版俳句欄、選評
「埼玉文芸」賞の俳句部門選考

▼木津直人
「山の本」(白山書房)二〇二二年春号「日高山脈を共に歩いた道具たち」

▼二〇二二年八六号の兼題「人形」
 子が沈め母がしづめて浮人形 成田清子  扇風機人形劇の幕を吹く   牧野春駒  きさらぎや人形にある糸切歯 藺草慶子

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ににん 85号 2022年1月1日 発行
目次 1 
新井大介句集特集『水平線』の自選句を読む2今井聖
背景 大介様4加藤静夫
遥かなる時空6朝吹英和
 
俳句ににん集10豊田静世 他
さざん集27谷原恵理子 他
 
秀句燦燦84号から44田中美佐子 他
 
読む名句集を読む46川村研治
名著を読む47岩淵喜代子
 
連載寄稿僕の愛する俳人48西村麒麟
連載評論定型詩の不思議52高橋寛治
連載紀行奥越紀行56正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記60*
 
附録『雁の玉章』栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 八五号●

▼新型コロナウイルス感染が広がって二年目が終ろうとしている。ワクチン接種の二回目も終了したが、自由に出掛けるという環境にはなっていない。その中でオリンピックが開催され、パラリンピックも無事終了した。
 アスリート達の活躍を見ていていつも思うのだが、ここまでの力を発揮するために、日頃いかに彼らが努力してきたのか、その積み重ねの重さをひしひしと感じさせられる。単に勝ち負けに一喜一憂するだけでなく、そこへたどりつくまでの強い精神力に思いいたるからこそ、感動させられるのだと思う。毎年正月に行われる箱根駅伝を間近に見ているのだが、目の前を過ぎる走者の速さに驚かされる。この速さで長距離を走り通す気力体力には途方に暮れる思いだが、選手たちにとっては、日頃の練習の延長線上にあることなのだろうと思う。
 十一月に入ってから、久しぶりの一堂に会した句会があちこちで始まっているようであるが、今後、コロナ禍の波が再び襲ってこないことを祈る。コロナ、寒さに用心しながら、皆さまの健やかな年越しを願うばかりである。(研治)

▼十一月十九日は部分月蝕。とは言っても九十七パーセントが欠けるのだから皆既月蝕に近い。しかも満月に月蝕が重なるという八十九年ぶりの深い部分月蝕なのだそうである。毎月満月になるたびに、メールで「きれいに出ましたね」などと言いあう知人と、この月蝕も見物し合った。同じ条件で見られる部分月蝕は六十五年後だという。
 さてコロナ禍から解放されたような無いような半端な空気で、句集出版のお祝い会がなかなかできない。そんなことを言っているうちに二十五周年が来てしまいそうだ。次の「ににん」創刊二十五周年祝賀会のことを考えてもいいかもしれない。(喜代子)

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 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内
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 春号・二月十五日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月十五日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月十五日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十五日締め切り(発行一月一日)

●記事掲載●

▼ににん
『俳句』年鑑十二月=結社の年間動向
 千年の後は数へぬ海鼠かな    岩淵喜代子
 雲の峰梯子の脚を押さへをり    川村研治
 秋晴のいくつか拾ふ松ぼくり    新木孝介
 紅葉かつ散りてあの日のあの背中 五十嵐孝子
 敗荷の騒ぐや月の引力に      尾崎淳子
 夏雲や家を壊せば窓も消ゆ     木津直人
 蒲公英や誰とも会はぬ散歩道    小塩正子
 侘助や胸の高さに出窓あり     高橋寛治
 井戸神も酒蔵神もゐる月夜     武井伸子
 白梅の香の中にゐて香を忘る   谷原恵理子
 端居して煙管をふかす父の背    中島外男
 黒猫に三月の橋架かりけり    服部さやか

▼岩淵喜代子
「俳壇年鑑」二〇二一年度の自薦三句
「毎日新聞」埼玉版俳句選、選評

▼二〇二一年八五号の兼題「午前午後」「午前」「午後」
 以上のいずれも可

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ににん 84号 2021年10月1日 発行
目次 1 
俳句ににん集2同前悠久子 他
さざん集19田中美佐子 他
 
秀句燦燦83号から36佐々木靖子 他
 
読む名句集を読む38川村研治
名著を読む40岩淵喜代子
 
連載評論定型詩の不思議40高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人48西村麒麟
連載紀行奥越紀行48正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』栗原良子
武井伸子
中崎啓佑
近松セツ子
木津直人
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 八四号●

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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
角川『俳句』九月号作品二十一句
角川『俳句』十一月号=企画「暦を詠む」・祭事で詠む
二〇二一年度『俳句年鑑』作品五句
「毎日新聞」埼玉版俳句選、選評

▼宇陀草子
『俳句界』十月号 俳句十

▼谷原恵理子
日本詩歌句協会賞・激励賞受賞

▼二〇二一年八五号の兼題「眼鏡」
 死者の眼鏡かけみて青葉の景見える 橋本美代子

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ににん 83号 2021年7月1日 発行
目次 1 
谷原恵理子句集特集揺蕩いのある時空へのまなざし2山野邉 茂
詩魂の根6林 誠司
 
俳句ににん集8千葉 隆 他
さざん集26武井伸子 他
 
秀句燦燦82号から44岡本惠子 他
 
読む名句集を読む46川村研治
名著を読む47木津直人
 
連載評論定型詩の不思議48高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人52西村麒麟
連載紀行奥越紀行58正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』木津直人
武井伸子
浅見百
近松セツ子
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 八三号●

▼感染が広がって既に一年以上になってしまったが、いまだに先の見えない状態が続いている。ワクチン接種が始まっているが、これとて、完全に防げるわけではないようであり、安心できない。こういう状況の中で、制限されている句会を実施するかどうか、その方法をどうするかについては個人個人の価値判断によるところが大きく、一概に結論を出しにくいが、はっきりしているのは、こういう状況においてどういう作品を生み出せるかどうかであろう。懸念されるのは、コロナ禍を表に出した作句姿勢である。この点については全ての人の共通意識であるから、どう工夫しても全て似た表現に陥ってしまうことになろう。こういうときにこそ、人間の持っている本来的な悲しみのこころを深く見つめ、そこから起ち上ってくるものをかたちにするという掘り下げが必要なのではないかと思われる。単にコロナ禍を嘆くのみで終始することを避けたいと思う。
 二十周年という大きな区切りを経て「ににん」という一つのかたまりのなかの、ひとりひとりの意識をぶつけあい、高め合って新しい歩みを始めたいと思うことしきりである。(研治)

▼こんな時節なので土手を散歩するのが日課になっている。毎日その土手で楽しんでいるのが生い茂った雑草の類の花である。最後を飾ったのが芥子菜の花だった。最近は殆どの雑草が花を咲き尽くして土手が青一色になった。そう思いながら何時ものように土手へ出ると、それらの草が全部刈られていた。(喜代子)

▼編集の人々
 ににん集、さざん集の送り先は武井伸子さんです。ほかにも、俳句の校正は川村研治さん。句句燦燦の原稿依頼係は高橋寛治さんです。「ににん」校正係を木津直人さんにお願いすることになりました。これまでも「雁の玉章」の校正と編集は木津さんでしたが、今年から全面的に受け持ってもらいますので、校正についての問い合わせは直接木津さんから行きます。会計は五十嵐孝子さんです。(編集室)

▼季刊ににんの購読は三千円
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▼同人費一万三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼川村研治
『俳壇』八月号「連載『結社の声―わが主張』
結社の成り立ち、歴史
わが主張
年間活動報告〈句会、吟行、大会など〉
会員の作品〈全員掲載〉

▼岩淵喜代子
『俳句四季』六月号巻頭三句
『現代俳句』五月号 わたしの一句
『俳壇』七月号 巻頭作品コーナー十句
『俳句』九月号 俳句二十一句
「俳人協会埼玉支部」俳句大会選句
「毎日新聞」埼玉版俳句選、選評

▼新井大介
『俳壇』七月号 現代俳句の窓 作品六句
角川『俳句』八月号 俳句七句と短文

▼谷原恵理子
『俳句四季』七月号に、八句掲載

▼二〇二一年八四号の兼題「書類」
 声なき雁転校書類封じをり    能村登四郎
 真新らしき書類四月の荒地よぎる 稲岡巳一郎

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ににん 82号 2021年4月1日 発行
目次 1 
中島外男句集特集『妻の日記は』は鎮魂の句集か2宇陀草子
一句鑑賞6あべあつこ他
 
俳句ににん集8近本セツ子 他
さざん集26高橋寛治 他
 
寄稿「海の振り子」ほか45西尾一
 
秀句燦燦81号から46岡本惠子他
 
読む名句集を読む48川村研治
名著を読む49高橋寛治
 
連載評論僕の愛する俳人50西村麒麟
定型詩の不思議56高橋寛治
連載紀行若狭湾紀行60正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』近本セツ子
栗原良子
武井伸子
中崎啓祐
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 八二号●

▼コロナウイルスの感染は二度目の緊急事態宣言のおかげか、いくぶん緩和されてきた気配はあるが、まだ油断できない。ワクチンの接種が行き渡るのにも時間がかかるであろうし、もうしばらくは、自粛がつづくのだろうと思う。
俳句は座の文芸と言われるように、一堂に会して集まる句会において、その場の雰囲気の下に作品が生まれていくという醍醐味を味わうものであるが、もう長いこと遠ざかっている。ただ、そのため、郵便やメールによる句会が盛んになり、口頭で言いっぱなしになりがちなところを、時間をかけて自分の考えをまとめ、文章としての意思疎通が行われているようである。このことは今までおろそかになっていた大切なことに気づかせてくれるきっかけになったのではないかと思われる。
八十号、八十一号と特別号がつづいたが、通常号としてじっくりと、それぞれが新しい自分を発見して行きたいものである。(川村研治)

▼一月三十日に脊髄圧迫骨折で入院しました。腰痛にもなったことのない骨を不注意で損傷してしまうなんて痛恨の極みです。三日に砂を詰めるというような手術をして、十六日に退院しました。入院中にベッドの上で仰向けでパソコンを打つことを覚えました。病院の介護ベッドは背中の角度も足の方の角度も自在に動かせるという優れものだったので、いくらパソコンと向き合っていても背中が痛くなりませんでした。おかげで、毎週の地方版の俳句欄の選も滞りなく済ませることが出来ました。新井さんの句集『水平線』の最終稿も病院から送りました。
入院中に今回の最終編集と校正を木津直人さんにお願いしました。今回だけではなく、今後も引き続き担当していただきます。つきましては、ここで改めて締切り日厳守のご協力をお願いします。締切りは二十日となっています。この期日が守られないと次の行程に進めませんのでよろしくお願いします。二十日に集まった原稿をこちらで校正を割り振っておりますが、「ににん」の場合、執筆している方々が編集の担当者でもありますので、執筆者ご自身の作品を期日までに出して貰ってからでないと、発行所としては、次の段階に進めません。校正の依頼も出来ないわけです。その皺寄せが最後の一番肝心な最終校正に及んでしまいます。(喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
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▼同人費一万三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼川村研治
『俳壇』八月号「連載『結社の声―わが主張』
 結社の成り立ち、歴史
 わが主張
 年間活動報告〈句会、吟行、大会など〉
 会員の作品〈全員掲載〉

▼岩淵喜代子
『ウエップ俳句通信』一二一号 俳句十六句
『俳句界』六月号「俳句の余白の魅力」
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評

▼谷原恵理子
『俳壇』五月号「現代俳句の窓」五句

▼二〇二一年八三号の兼題「危険」
 危険な手仕事のそのはかなさの花火 林田紀音夫
 オリオンの確かに歪む危険な夜   楠本憲吉

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創刊二十周年に寄せて ②

 本来なら、このページは祝賀会の報告のグラビアとなるはずでした。
 しかし、その集いが出来ない代わりに、みなさんに「ににん」誌上に起こし頂くことにしました。それが、創刊二十周年の特別作品を鑑賞していただく企画です。
 鑑賞者は「ににん」の外側からそれぞれが探してもらうことにしました。
 参加している結社の主宰にお願いした人もいました。日ごろ遠望していた著名な俳人にお願いできた人もいました。いちばんの豊穣は鑑賞者がご主人だったり奥様だったりご子息だったりしたことです。
 ほかにも、友人だったり、姪御さんだったり、地元の短歌の知人にお願いしたりして、「ににん」誌が思わぬところまで運ばれました。
 私は石鼎評伝を書く時にお世話になった土岐光一さんにお願いするべく、何年ぶりかで連絡を取りました。
 この場で、鑑賞の執筆を引き受けてくださった方々に、心からお礼を申し上げます。八十一号が、会員のそれぞれの宝物になることを願っております。

十一月三十日 月蝕の夜に   岩淵喜代子

      
ににん 二十周年記念号 81号 2021年1月1日 発行
二十周年記念号Ⅱについて1岩淵喜代子
 
寄稿4齋藤愼爾
6酒井佐忠
6正津勉
 
ににん創刊
二十周年記念企画
「鑑賞偏」
浅見百の俳句12叶 裕
安達英子の俳句54歌代美遙
あべあつこの俳句鑑賞 38中井洋子
新井大介の俳句鑑賞27 川村研治
五十嵐孝子の俳句31佐藤文子
石井圭子の俳句18新沢しん子
岩淵喜代子の俳句10土岐光一
宇陀草子の俳句25井上康行
及川希子の俳句13吉野かおる
岡本惠子の俳句39北杜 青
尾崎淳子の俳句17高浦銘子
鬼武孝江の俳句48鈴木掬泉
河邉幸行子の俳句36滝口美智子
川村研治の俳句11大川ひろし
木佐梨乃の俳句22犬男爵
木津直人の俳句23小笠原高志
栗原良子の俳句24マノアヤコ
黒田靖子の俳句56飯田徳子
兄部千達の俳句28芳村龍太郎
小塩正子の俳句32川野章江
佐々木靖子の俳句14川中彩乃
志田恵美の俳句59川村研治
島雅子の俳句51松居 舞
島崎正彦の俳句29高島正比古
志村万香の俳句34岩淵喜代子
末永朱胤の俳句40小笠原高志
鈴木統子の俳句53木津直人
西方来人の俳句33杉山美津子
高田まさ江の俳句55関口久子
高橋寛治の俳句37角谷昌子
武井伸子の俳句19高田正子
田中美佐子の俳句50桑原三郎
谷原恵理子の俳句43佐藤日田路
近松セツ子の俳句42西尾 一
千葉 隆の俳句49千葉知子
同前悠久子の俳句20渡邊 むく
豊田静世の俳句45浜田はるみ
中崎啓祐の俳句46丹波竜三
中島外男の俳句26酒井重義
中田千惠子の俳句58太田かほり
服部さやかの俳句30西村麒麟
浜岡紀子の俳句21川村研治
浜田はるみの俳句35辻美奈子
深澤文子の俳句57高橋寛治
牧野洋子の俳句15阿部富子
三島やよいの俳句52小畑陽子
宮本郁江の俳句16矢端晴美
村瀬八千代の俳句47余川やよい
山下添子の俳句41山下耕史
山本美帆の俳句60木津直人
和智安江の俳句44鴇田智哉
山本乃生子の俳句61岩淵喜代子
俳句ににん集62谷原恵理子 他
さざん集79鈴木統子 他
 
読む句句燦燦98村瀬八千代 他
名句集を読む100川村研治
名著を読む101岩淵喜代子
 
連載評論定型詩の不思議102高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人106西村麒麟
 
編集後記112*
 
英語版『奥の細道』を読む表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』中崎啓佑
近本セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子
 
創刊特集企画編集委員岩淵喜代子・川村研治・木津直人・尾崎淳子

●編集後記 八一号●

▼新型コロナウイルスというこれまで体験し凧とのない脅威にさらされていると、一人一人の生き方の上での価値観の差が際立ってくるようである。人間は例えばエレベーターなどの閉所に閉じ込められた状態が続くと発狂してしまうという話があるが、自粛状態が続くと、それに似た怖れの気持ちが強まるのではないか。そのため、感染の危険よりも、その怖れがきっかけになって、あえて人込みのなかへ出ていき、人に会いたくなるようである。その際の気持ちのずれが人と人との間の信頼関係に影響してくるような気がする。俳句という縁で繋がっている気持ちを改めて再確認して、この状態を乗り越えたいと思う。
今号は、前号の特別作品に対して、それぞれ、多くの方々から鑑賞文を寄せていただいたこと、大変ありがたいことと思う。どんな集団でも、その中だけで固まっていることがつづくと、井の中の蛙のように、考え方が偏りがちになる。その意味では、より厳しい目で他者の目に曝されるという一つのきっかけができたのではないかと思われ、筆者の方々に厚くお礼申し上げたいと思う。
コロナ禍の状態はまだまだ続くと思われるが、来年には医学の力によって、正常な状態に戻ることを期待しつつ、一人一人の力を蓄えていく日々を大切にしたいものである。(川村研治)

▼「アーシャンを見ていると、年をとっても楽しいことがあるんだなと思えるわ」と孫がFacebookに書き込んだ。一昨年、すなわち二〇一九年十月二十八日の孫の誕生日のことである。句集『穀象』を上梓し、そのころ、ちょっと身辺が騒ついたのだ。日本現代詩歌文学館賞を受賞して、初夏には岩手県北上市まで出かけた。孫の目にはその前後の日々の新聞に、句集受賞の記事や、授賞式の写真が載ったことを実際に眼で確認したのだろう。賞がどんなものかあまり認識しないながらも、何だかお目出度いことなんだと感じ取ったのだ。それから、私は孫の住んでいる仙台を通り越して授賞式に出かけ、立ち寄りもしないで帰ってしまった。その年の初冬に、松島の瑞巌寺での俳句大会に選者で出席したときにも、夜だけ娘の家に立ち寄って、また翌朝友人たちと合流するために、慌ただしく立ち去ってしまった。「うちのおばあちゃんはスーパーばあちゃんだからね」と孫ふたりで話していたと、孫の母親である娘が伝えてきた。ところが昨年の二〇二〇年は、コロナ禍で一度も仙台に行けなかった。孫たちも一度も仙台を離れることが出来なかった。(岩淵喜代子)

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内  現在は不定期の会です。出席するときには問い合わせてください。

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼ににん
 現代俳句年鑑「ににん」動向

川村研治
 『現代俳句年鑑』 俳句五句

▼岩淵喜代子
「俳句界」二月号 作品二十一句
『俳句』 二月号 山田貴世句集特集鑑賞
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評
『現代俳句年鑑』 俳句五句

▼中島外男
 インタビュー(上毛新聞 11月)

▼二〇二一年八二号の兼題「隣人」
 草ひばり隣人という薄あかり  本田ひとみ
 隣人のごと身ほとりに鶏頭枯る 本多静江

      
ににん 二十周年記念号 80号 2020年10月1日 発行
二十周年によせて1岩淵喜代子
グラビア五年間の収穫2 
 
目次4 
 
ににん創刊二十周年
記念企画「共存」
10浅見百
94安達英子
62あべあつこ
40新井大介
48五十嵐孝子
22石井圭子
6岩淵喜代子
36宇陀草子
12及川希子
64岡本惠子
20尾崎淳子
82鬼武孝江
58河邉幸行子
8川村研治
30木佐梨乃
32木津直人
34栗原良子
98黒田靖子
42兄部千達
50小塩正子
14佐々木靖子
104志田恵美
88島雅子
44島崎正彦
54志村万香
66末永朱胤
92鈴木統子
52西方来人
96高田まさ江
60高橋寛治
24武井伸子
86田中美佐子
72谷原恵理子
70近松セツ子
84千葉 隆
26同前悠久子
76豊田静世
78中崎啓祐
38中島外男
102中田千惠子
46服部さやか
28浜岡紀子
56浜田はるみ
100深澤文子
16牧野洋子
90三島やよい
18宮本郁江
80村瀬八千代
68山下添子
106山本美帆
74和智安江
108山本乃生子
俳句ににん集110田中美佐子 他
さざん集127末永朱胤
 
読む句句燦燦144村瀬八千代 他
名句集を読む146川村研治
名著を読む147岩淵喜代子
 
連載紀行三国湊行148正津勉
連載評論定型詩の不思議152高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人156西村麒麟
 
年譜162作成 山下添子
 
編集後記166*
 
英語版『奥の細道』を読む表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』岡本恵子
中崎啓佑
近本セツ子
木津直人
栗原良子
武井伸子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子
 
創刊特集企画編集委員岩淵喜代子・川村研治・木津直人・小塩正子・山下添子
創刊特集企画デザイン鈴木不意

●編集後記 八〇号●

▼▼昨年の段階では想像もしなかったコロナウイルスの感染拡大という状況が前号以来続いている。このような中で、二十周年記念特集号を作りあげるにあたっては、普段より一段と多くの方々の協力をいただき、発行にたどりつくことができたことを、一同で喜びたい。座の文芸と言われる俳句の会で、人と人との出会いの場が不自由になって、改めて、俳句というものは人と人とを繋げる役割を持っているものということを痛切に感じている。今は郵便やメールによる通信手段に大きな力を借りている訳だが、これも、俳句が最短の詩形であることの恩恵であるのかもしれない。
当分はこのような環境での活動をせざるを得ないと思うが、現代の医学の力を信じ薬の開発を得て、一年後には、現在の状況を懐かしがって思い出せるようなことになることを願っている。このような事態であるが、新しいメンバーの参加が続いていることは大変心強いことと思う。全員で切磋琢磨して行きたい。(川村研治)

▼ににん創刊二十周年記念の特集号のデザインは、十五周年のときにもお願いした鈴木不意さんに制作していただきました。今回はそれぞれの生き物に合わせて絵を挿入していただく申し出がありまして思わぬ豪華なデザインになりました。それぞれが、ご自分の作品のページを楽しんでいただきたいと思います。(岩淵喜代子)

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

●記事掲載●

▼ににん関連記事

二〇二一年度俳句年鑑掲載作品
 千年の後は数へぬ海鼠かな    岩淵喜代子
 雲の峰梯子の脚を押さへをり    川村研治
 秋晴のいくつか拾ふ松ぼくり    新木孝介
 紅葉かつ散りてあの日のあの背中 五十嵐孝子
 敗荷の騒ぐや月の引力に      尾崎淳子
 夏雲や家を壊せば窓も消ゆ     木津直人
 花吹雪サバンナ知らぬ象の背に   小塩正子
 侘助や胸の高さに出窓あり     高橋寛治
 井戸神も酒蔵神もゐる月夜     武井伸子
 白梅の香の中にゐて香を忘る   谷原恵理子
 端居して煙管をふかす父の背    中島外男
 黒猫に三月の橋架かりけり    服部さやか

▼岩淵喜代子
『俳句』九月号
  佐藤麻績句集『白光土』一句鑑賞
『俳句四季』十二月月号 作品十六句
二〇二一年度角川『俳句年鑑』 作品五句
「都市」十二月号・
  中西夕紀句集『くれなゐ』鑑賞
詩歌文学館「あるいは挫折と復活の詩歌」へ
               色紙と短文
日本ペンクラブ寄稿
     「コロナウイルスとわたしたち」
埼玉文芸集団寄稿「コロナの日々に」
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評

▼中島外男
角川『俳句』十一月
  「俳人スポットライト」作品七句

▼二〇二〇年八一号の兼題「夫」または「妻」
 妻あるも地獄妻亡し年の暮   石原八束
 定位置に夫と茶筒と守宮かな  池田澄子
妻または夫という文字を使わなくても、妻や夫が感じらればいいと思います。

ににん 79号 2020年7月1日 発行
目次1 
生きもの連載春愁の犬2鬼武孝江
 
俳句ににん集4武井伸子他
さざん集21新沢しんこ
 
句々燦燦78号から38中田千恵子他
 
読む句句燦燦38中田千恵子他
名句集を読む40川村研治
名著を読む41岩淵喜代子
 
連載寄稿僕の愛する俳人42西村麒麟
連載評論定型詩の不思議48高橋寛治
連載紀行三国湊行52正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』武井伸子
岡本恵子
中崎啓佑
近本セツ子
栗原良子
岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七十九号●

▼新型コロナウイルスによる感染拡大のため、緊急事態宣言が発令され、外出することが極端に少なくなってしまった。俳句は、人と人との繋がりによるものであると同時に人と人とを繋ぐものであることをつくづくと感じさせられている。句会は郵便やメールによる通信句会が盛んになっているが、これも郵便業務が動いているお陰と感謝せねばならない。
 今の状況の大変さを俳句で詠む試みとして多く目にするのは「コロナ禍」と直に詠んだ句が多く見られるが考えものである。東北大震災のときにも「被災地」とした句が多かったが、短い俳句の中に新聞の見出しのような言葉を使ってしまっては詩にはならない。コロナ禍の実際をモノで示してこそ俳人としての使命ではないだろうか。このような大変なときに、世の中には人の不幸につけこむような仕業が横行していることに目を背けるが、この状況下で自分はどのように詠んでいくのかということで俳人としての真価が問われるのであろう。(川村研治)

▼二月初めに起きた客船のコロナ感染が、日本では三月に入って緊急事態宣言に及び、五月末にようやく解除された。本当に我慢の限界には来ていたのではないかと思う。これまでカルチャーも休講、図書館も閉館、もうただただ家に籠るしかなかった。毎日、近所の土手を散歩しながら、春の草花と親しんだ。(岩淵喜代子)

▼俳句四季六月号の俳句歳時記の三十句は、歓迎を込めて「ににん」に入会して間もない新人を中心に集めました。お名前を憶えていただきたいと思います。
 今回の新型コロナウイルス禍は今までにない手強い細菌です。六月は解除になりましたが、「ににん」の句会は七月から再開したいと思います。十月に予定していた二十周年祝賀会は中止することにしました。その代わりに誌上での企画を考えます。また未定ですが、八十号の「生き物を詠む」企画とともに、次号八十一号も、二十周年特集企画を行うことにします。もし、企画がありましたら申し出てください。(編集部)

「生き物を詠む」企画作品

 基本的には6月末にとしましたが、まだ提出していない方々は、テーマにする生き物と、何号から参加したのかを連絡してください。
 なお、この原稿の整理を小塩正子さんにお願いしています。問い合わせなどの事項が起きましたら、小塩さんからメール、あるいは電話で伺いますのでよろしくお願いいたします。なお、入会間もない方々で、間に合わないという方は申し出てください。ご相談に応じます。(編集部)

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳句四季』六月号
 わたしの歳時記 会員の句三十句

▼岩淵喜代子
『俳壇』八月号 俳句十句
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選

▼二〇二〇年八〇号の兼題「反対」
 日の丸に反対しても桜咲く    津田清子
 反対の電車に乗れば夏の海    岡田史乃
 反対の崖にままこのしりぬぐい 岩淵喜代子

ににん 78号 2020年4月1日 発行
 目次1 
生きもの連載ソプラノ2宇陀草子
森の春秋4川邉幸行子
島 雅子句集特集冬たんぽぽフユタンポポ6村上 葉
言葉の魔力10川村研治
物語の入り口11浜岡紀子
 
俳句ににん集12高橋寛治他
さざん集29志村万香他
 
句々燦燦77号から46同前悠久子他
 
読む名句集を読む48川村研治
名著を読む49岩淵喜代子
 
連載寄稿僕の愛する俳人50西村麒麟
連載評論定型詩の不思議56高橋寛治
連載紀行三国湊行60正津勉
 
転載俳句と短歌の競詠64岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記68*
 
附録『雁の玉章』木津直人
岡本恵子
武井伸子
栗原良子
中崎啓祐
岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七十八号●

▼昨年は台風などの災害が大きく、自然の脅威を感じさせられてきたのだが、今年になってからは、新型コロナウイルスによる感染が報告されており、つくづくと人間世界の不安定さを思い知らされている。それでも、過去にいくつかの病原菌の恐怖に曝されてきた人類は、その都度、これを克服してきた歴史がある。現代の医学の力を信じたいと思う。
 この二月二十日は、俳壇の重鎮金子兜太氏の三回忌。個人的には直接の関わりは少なかったが、結社の大先輩として、また、父親のような存在として遠くから拝していたような気がする。句集をお送りしたとき、太々とした字で「頑張ってますな」と書いて頂いたのが大切な記念になっている。
「ににん」二十周年の記念行事の日程が十月に決まり、祝賀会の準備とともに記念号の準備も始める時期となっている。特集の原稿について、各自滞りなく準備して遅れのないようにお願いしたいと思う。(川村研治)

▼先日草津に二泊してきた。草津は何度も通っている温泉場で、いまさら草津の観光案内をしてもらわなくても、と思った。しかし、ホテルのサービスだというので、街中の散歩のつもりで参加した。富士山の周辺の伏流水は何百年という長い年月を経て湧き出してくるのだが、草津の湯はわずか四週間ほどの時間で地上に湧き出してくるのだそうである。そのために酸性度が高いのである。飲料水は他市から引いているのである。昔は臭い湯と呼ばれて皮膚病の人しか寄り付かなかったという。
 さらに吃驚したのは、湯畑のあの装置は湯の花を採っているのだと思っていたが、そんなものは採っていないのだそうである。それじゃーお土産屋で売っているのは、と誰かが訪ねていたが、案内の人は「さー、どこから運んでくるのか」と首をかしげていた。(岩淵喜代子)

▼川邉幸行子さんの句集『お百度ごころ』、並びに島雅子さんの句集『もりあをがへる』のお祝会を四月に予定していました。しかし、今回は新型コロナウイルスの感染拡大の最中でもありますので、すこし様子を見たいと思います。予定としては五月末あたりを考えています。なんとか収束してほしいと思います。

●テーマ作品について●

 テーマ「共存」の作品は五月末を締め切りとします。すでに発表された方、もう提出された方ももういちど見直して二十六句に整え、プロフイル、並びに何号からの参加なのかも書き記して提出してください。なお最近入会の方は、これまでの作品から二六句纏めて提出という方法も可能です。(編集部)

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳句四季』六月号
 わたしの歳時記 会員の句三十句

▼岩淵喜代子
『俳句』四月 グラビア季節の俳人
 四月の季語についてのエッセイ
 俳句二句
『俳句』五月号 俳句二十一句
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評

▼尾崎淳子
本阿弥書店『俳壇』一月号
俳句作品「眩き日」7句

▼木津直人
『俳句四季』六月号 わたしの歳時記エッセイ

▼二〇二〇年七九号の兼題「珈琲」

ににん 77号 2020年1月1日 発行
 目次1 
生きもの連載行つたり来たり2中島外男
川邉幸行子句集特集おめでとう4谷 雅子
対象との距離感6浜田はるみ
物語の入り口9服部さやか
 
俳句ににん集10鈴木まさゑ他
さざん集26島崎正彦他
 
句々燦燦76号から44末永朱胤他
 
秀句燦燦名句集を読む46川村研治
名著を読む47岩淵喜代子
 
特別作品お化け傘48正津 勉
 
連載評論定型詩の不思議50高橋寛治
連載評論僕の愛する俳人54西村麒麟
 
転載直線曲線60岩淵喜代子
 
吟行記瑞巌寺62谷原恵理子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記66*
 
附録『雁の玉章』木津直人
岡本恵子
武井伸子
栗原良子
中崎啓祐
岩淵喜代子
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 七七号●

▼年々その度合いが激しくなっているようだが、今年の台風や豪雨の被害が甚大なものとなっている。道路が川のようになったり、家の天井まで浸水するなど、多くの人が大変な思いをしている。私自身も台風十五号のときは交通への被害のため、普段の三倍もの時間をかけて、東京まで半日かけて移動するといった大変な思いをすることになってしまった。
 このようなとき、いつも問題になっているのは、非常事態に陥っている被災地の様子をテレビなどで見ながら作られる俳句の是非である。こうしたことに関心を持ち、心を痛めるのは、人として当然であろうが、それを眼前に体験しているように俳句として作りあげるのは如何なものだろうか。個人的には、眼前の景を基にした上で、これらの被害に思いを及ぼすという句作りをしたいと思っている。
 来年に迫った「ににん」二十周年行事の準備が始まった。限られた人数であるが、効率よく、楽しみながら、進めたいと思う。(川村研治)

▼これまで長い年月、「ににん」の編集は私一人で行ってきましたが、編集の部分ごとに集めて貰える担当者が決まりました。これからは、原稿依頼や投稿の催促などが他の同人からいくと思いますので、よろしくお願いいたします。まず、付録の「雁の玉章」は木津さんが最後の校正まで行ってから、私の方に返してくれます。「句々燦燦」は高橋寛治さんから依頼が行きますので、ご協力をお願いします。また「ににん集」、「さざん集」は武井伸子さんに集めてもらいます。武井さんのところで、フォーマットに入れた作品群を川村研治さんが校正して私の方に返してくれます。そんなことで、わたしの分担が少し軽減されました。要するに編集のパーツを少しずつ分担して貰えることになりました。(喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

「俳句四季」十二月号句会拝見・川村研治記
「二〇二〇年俳句年鑑」同人掲載句
月光に膨らむ家に帰りつく    岩淵喜代子
竜天に目をあけてゐる赤ん坊    川村研治
春濤の来て半島を輝かす    大豆生田伴子
大甕の中のからつぽ目借時    河邉幸行子
虹色の巨大わたあめ風光る     木佐梨乃
しらぬ間に生れあなたが夏草に   木津直人
鬼灯を鳴らしてみれば苦き味    小塩正子
半島に鮫がきてゐる桜の夜     島 雅子
王様を諫めて雀蛤に        高橋寛治
紙漉きの水は四角に揺れもどる   武井伸子
男鹿半島雄鹿半島覚えし夏    同前悠久子
波乗りや椰子の実ひとつ半島へ   山下添子

▼岩淵喜代子
「二〇二〇年俳句年鑑」五句
「俳句」二〇一九年度・都道府県四十七人集
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評
松島芭蕉祭並びに全国俳句大会 選者

▼尾崎淳子
本阿弥書店『俳壇』一月号
俳句作品「眩き日」7句

▼二〇二〇年七八号の兼題「回転」
 下萌ゆる地球回転してゐたり   塩川雄三
 大枯野夜はぐらりと回転す   小泉八重子

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ににん 76号 2019年10月1日 発行
 目次1 
生きもの連載国宝松本城2西方来人
 
俳句ににん集4末永朱胤他
さざん集20島雅子他
秀句燦燦ににんの反芻38岩淵喜代子
句句燦燦40西方来人他
 
連載評論定型詩の不思議44高橋寛治
掌編集冬の旅48正津勉
連載評論僕の愛する俳人52西村麒麟
評伝京極杜藻56岩淵喜代子
転載わたしの1冊62
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 七六号●

▼「現代俳句」八月号に川辺幸一氏の俳句表記に関する提言が掲載された。
 文語、旧かな表記の作者に対して、「なぜ文語なのか」を考えたことがあるのだろうか、と疑問を投げかけている。その辺について多少コメントしたい。
 元々、俳句という極端に短い詩形に魅力があるのは、やはりちっぽけな存在である人間の存在の証を、分身としての俳句という形にして永遠に残しておきたいという願望を満たせるためではないか。そういう内容を盛り込もうとした時の表現は、自ずから日常会話からは抜け出ている必要がある。文語旧かなが、こういう内容を表現する際の礼儀であるというのが個人的な考えである。普段着のまま葬儀に参列することがないのに例えられるであろうか。音楽の世界でも現代に生きているから現代音楽という訳ではない。古典、クラシック音楽が今なお、多くの人の心を揺り動かしている。勿論、特別に優れた表現者となれば、文語口語、仮名遣いの問題など超越してしまう事であろう。(川村研治)

▼ににん集は創刊時から毎回兼題を詠むことになっている。その結果はににんのホームページに発表している。初期の兼題はひと文字で、四十回続けた。そのあと五年ほど「火または灯」をテーマにしてきた。現在は初期の言葉による兼題に戻ったが、年月を重ねたので、二文字の題にすることにしたが毎回難しいというぼやきのことばが飛んできた。それでもなんとか二十四回即ち六年ほど続いた。
 その六年間のうちで、今回の懸垂がいちばん難しかった。懸垂を詠む範囲がかなり固定化されてしまうので、おおかたが展開する世界も見つからなかった。結局同じ限られた空間を詠むことになり、類似した作品が並んでしまった。
 次回からは、この失敗を繰り返さないように、詠み込むことばをかんがえなくてはならないと思った。(喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

「俳句四季」十二月号句会拝見・川村研治記

▼岩淵喜代子
「ウエップ」一一二号 俳句二十句
「俳句界」十二月号・俳句二十一句
「いには」村上喜代子句集『軌道』書評
「俳壇」十一月号・文章石田波郷の一句
「現代俳句」十一月号・曲線直線欄文章
「俳句」二〇一九年度・都道府県四十七人集
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評

▼宇陀草子
「俳句界」十一月号 俳句五句

▼同前悠久子
「俳句四季十一月号 俳句五句

▼浜田はるみ
「俳壇」十月号 作品七句

▼二〇一九年七十七号兼題「全身」
 雨戸閉め全身耳の二百十日   山本香代子
 全身でとまどつてゐる蝸牛   重山陽子
 泥の上を全身振つて蝌蚪進む  卯滝文雄
 水飲んで恋猫全身癒しけり  稲垣暁星子
 磔像の全身春の光あり     阿波野青畝

▲ページの冒頭へ

ににん 75号 2019年7月1日 発行
 目次1 
特別作品袈裟御前2豊田静世
恋占ひ4谷原恵理子
 
句集特集『岩淵喜代子自註』評6太田土男
 
俳句ににん集10新沢しん子他
さざん集27佐々木靖子他
秀句燦燦ににんの反芻44川村研治
句句燦燦46木佐梨乃他
 
連載評論僕の愛する俳人48西村麒麟
連載評論定型詩の不思議55高橋寛治
掌編集蝶よ~花よ~58正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』
 
題字*黒田靖子
表紙絵*尾崎淳子
カット*山下添子

●編集後記 七五号●

▼新しい元号令和での最初の号となる。最初は馴染めなくともその響きが体の中で消化吸収されていくような気がする。なお、ラ行の言葉は日本の大和ことばにはないと言われており、「レイワ」が新鮮に感じられる理由かもしれない。
今年二月に亡くなられた堀文子追悼展に行ってきた。「群れない、慣れない、頼らない」を信条にされていたという彼女の百年の軌跡をたどり、感動を新たにした。この堀文子の信条はそのまま、ににんの進んできた道にも重なるような気がしている。堀文子は大磯にも住んでいたことがあるということを聞いていたが、今回、こういった信条からか、何度も転居をしていることを知った。常に自分を新しくする意志が働いているのだろう。また、「同じことの繰り返しが嫌い」と言い、「画風が様々に変わって見えても、それらはすべて私自身」とも。
二十周年に向けて我々一人一人の自由な自分自身を見つけだしていきたい。(川村研治)

▼広辞苑によると「なんじゃもんじゃ」とは、関東地方での呼び名だという。そして、千葉県の神﨑神社の「楠」、明治神宮外苑の「ひとつばたご」が名高いとある。
「なんじゃもんじゃ」を調べると、どの事典でも明治神宮外苑の「ひとつばたご」に行き着く。
 外苑に近い六道辻に幕末の頃から人々に愛されていた「なんじゃもんじゃ」の木があったらしい。聖徳記念絵画館には、「凱旋観兵式」なる絵があり、そこに六道辻の「ひとつばたご」が描かれている。この木から根接ぎをしたのが現在の絵画館の前の「ひとつばたご」なのである。それも現在は三代目になっている。
 本来は、愛知県、岐阜県、長崎県、朝鮮半島から中国へと、不連続分布しているらしい。長崎県では絶滅危惧種に分類されている。「ひとつばたご」は、多分気難しい樹なのだろう。(喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

●記事掲載●

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『俳句四季・二〇一九年俳誌要覧

▼岩淵喜代子
『俳句』二〇一九年度・都道府県四十七人集
『俳句四季』九月号 短歌と俳句の競詠
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評

▼「生き物を詠む」について
折角の企画ですから、たくさんの生物を集めたいと思います。「蝶・金魚・鷹・鴉・螢・雁・猫」はすでに二人以上の作品が提出されていますので、ほかの生物に挑戦してください。
既に作品をまとめ始めている人は、そのテーマを編集部に登録してください。

▼二〇一九年七十六号兼題「懸垂」
懸垂下降、懸垂曲線、懸垂線など
 懸垂の落ちないでゐる春没日  石崎多寿子
 たかが夜の淋しさ支え懸垂する 岸本マチ子
 懸垂にたましひ鍛へ冬青空   大石悦子
 十月十日の十字懸垂聖ならずや 攝津幸彦
 懸垂の落ちないでゐる春没日  石崎多寿子
 たかが夜の淋しさ支え懸垂する 岸本マチ子

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ににん 74号 2019年4月1日 発行
 目次1 
特別作品青き世界に2近本セツ子
秋真昼4牧野洋子
 
俳句ににん集6志村万香他
さざん集23西方来人他
秀句燦燦ににんの反芻40岩淵喜代子
句句燦燦42大豆生田伴子他
 
掌編集2テキネエ44正津勉
連載評論定型詩の不思議48高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人50西村麒麟
 
特別寄稿転載加藤楸邨先生のいたころ56
 
編集後記68*
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』武井伸子
浜岡紀子
中崎啓祐
木津直人
栗原良子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七四号●

▼平成の間に発行する最後の号となった。次号が出る頃は新しい元号での最初の号となる。単なる名称ではあるが、ににんの歩みは平成のあゆみとも言えるわけで、「へいせい」という何か静かな印象の雰囲気が醸し出されていることもあり、この言葉に知らず知らずのうちに我々は影響を受けてきたのではないかと思ったりしている。
西暦でいうと二〇〇〇年に創刊されたにんは、二〇二〇年には二十周年を迎えることになるが、ににんという名称に相応しく、二という数字に縁があるのも不思議なことである。来年の二十周年に向けて、一人一人がそれぞれ、自分らしさを発揮しつつ、昨日までの自分の殻を抜けて新しい模索をしていきたいものと思う。
毎回の兼題も自ら苦行を強いているとも言えるのだが、そうした枷を跳ね返して、自由な発想を刺激していきたいものだ。(川村研治)

▼「ににん」では、二〇周年記念号の「共存」をテーマーにした作品を随時発表しています。ここには、さまざまな生物が登場してくれることを期待しています。そのため、すでに同じ生物が詠まれている場合は、他の生物に挑戦していただきたいと思います。二作品以上集まっている生物の作品を上げておきますので、以後提出する人は、この生物をなるべく避けてください。「蝶・金魚・鷹・鴉・螢・雁」。なお、既に作品をまとめ始めている人は、そのテーマを編集部に登録してください。(岩淵喜代子)

▼「ににん」の同人費は年末に一斉納入の方法をとっています。そのために年度の途中で入会なさる方には、参加時期に合わせて、それなりの年度会費を頂いています。それによって、会計の煩雑さを解消しています。よろしくご協力ください。なお、「ににん」の郵貯通帳に入金なさった方は、メールでその旨をお知らせいただけるとありがたいです。(「ににん」会計係))

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳句四季・2019年俳誌要覧

▼岩淵喜代子
『俳句四季・2019年』俳誌要覧
   創刊三五周年によせて
『俳壇俳句年鑑』2019年 作品その他
『俳句ウエップ』108号 作品十六句
『俳句界』三月号 グラビア(私の一冊)
『俳句』四月号・都道府県四十七人集
『俳句』五月号 アンケート平成を代表する
俳句・句集・期待する俳人
『現代俳句』四月号
伝えたい俳句、残したい俳句
『俳壇』五月号 句集出版・よもやま話
『俳句四季』五月号 創刊三五年周年に寄せて
『全国俳誌協会――俳誌展望』182号俳句三句
第三四回『詩歌文学館賞』推薦作品送る
『毎日新聞』埼玉版俳句選、選評
『埼玉文学館』埼玉文芸賞俳句部門担当・選考

▼辻村麻乃
『俳壇』五月号の俳句7句

▼二〇一九年七十四号兼題「半島」
 羽がふる春の半島羽がふる   富澤赤黄男
 鬼棲むといふ半島の萩あかり  佐川広治
 半島にしばらく春の霰かな   大峯あきら

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ににん 73号 2019年1月1日 発行
 目次1 
年頭にあたって年頭にあたって2岩淵喜代子
 
グラビア祝賀会3
 
特別作品氷片6武井伸子
漆黒8尾崎淳子
遅れ降る10及川希子
 
辻村麻乃句集特集『るん』総論12藤原龍一郎
『るん』一句鑑賞16尾崎淳子他
俳句ににん集18島崎正彦他
さざん集34小塩正子他
秀句燦燦ににんの反芻52川村研治
句句燦燦54阿部暁子他
 
連載評論定型詩の不思議56高橋寛治
連載寄稿僕の愛する俳人58西村麒麟
掌編集2イワナ52正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記68*
 
附録『雁の玉章』栗原良子
武井伸子
浜岡紀子
中崎啓祐
木津直人
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七三号●

▼岩淵喜代子代表が受賞された第十一回一行詩大賞授賞式に出席させていただいた。大変な賞なのだが、ご挨拶をされた岩淵代表の淡々とした態度が心に残る。詩歌文学館賞とともに、これらのことは、一つのステップに過ぎず、今後更に句境を深めて行かれることと思う。
 高齢化の日本で認知症になる人の数が増えていることが報道されているが、最近のニュースでは、楽器の演奏をしたり、歌を歌ったりすることが認知症の予防になる、ということが言われているようだ。俳句を作り、句会に参加し、人と話し合うことも効果があるものと信じたいものである。
 いつも思っているのだが、かなり多くの方がタイトルなしで作品を送って来られる。五句の作品に対してタイトルを付けることは俳句作りの妙味にも繋がるものであり、是非タイトルを付ける楽しみを味わってほしい。(川村研治)

▼「ににん」の校正は第一月曜日の句会後に残れる方たちで行います。当日、句会はできないが校正は手伝えるという方は、十五時までに高田馬場の句会会場にお越しください。
 数年前までは、校正に至るまでのすべてを一人で行ってきましたが、最近は部分ごとに分担してもらえる人が増えました。
 俳句関係はすべて川村研治さん、句々燦々は高橋寛治さん、雁の玉章は木津直人さんです。
 また、表紙絵は尾崎順子さんの絵を使わせてもらいます。ときどきページに現れる動物(今年は猪)は、昨年に続き山下添子さんに描いてもらいました。題字は黒田靖子さんの手によるもの。要するにすべてが内側の同人たちによって作られています。おかげで、私も少し楽になりました。本年もよろしくお願い致します。(岩淵喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳句四季』年鑑

▼岩淵喜代子
『俳句界』十月号天地異変・俳句三句
『暖響』二〇一九年一月号
    巻頭文章「加藤楸邨の居たころ」
『俳句四季』十二月号書評『花の暦は日々新た』
『俳句四季』三月号 巻頭作品三句
『俳句界』三月号〜私の一冊(グラビア)
『俳句四季』年鑑
「毎日新聞」埼玉版俳句投稿欄選者

▼川村研治
『俳壇』十一月号・七句

▼二〇一九年七十三号兼題「四角」
 餅を切る四角の次もまた四角  石川敬子
 柿四角なればナイフを十文字  正木ゆう子
 枯芝を四角に切つてありし処  行方克己
 朝霧をついて四角の牛の貌   有吉桜雲

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ににん 72号 2018年10月1日 発行
 目次1 
特別作品天狗の鼻2佐々木靖子
 
浜岡紀子句集特集『美しい夜』総論4木津直人
一句鑑賞8末永朱胤他
俳句ににん集10島雅子他
さざん集26兄部千達他
『穀象』一行詩選考座談会記録42「河」転載
秀句燦燦ににんの反芻44岩淵喜代子
句句燦燦46宮本郁江他
 
連載評論定型詩の不思議58高橋寛治
掌編集2義景さん50正津勉
吟行燦燦奥秩父花まつり54辻村麻乃
比叡山延暦寺吟行56浜田はるみ
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記58*
 
附録『雁の玉章』 浜岡紀子
 木津直人
 武井伸子
 中崎啓祐
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七二号●

▼岩淵喜代子代表が第三十三回詩歌文学館賞、ならびに第十一回一行詩大賞を『穀象』で受賞された。ににん一同心から共に祝いたいと思う。岩淵代表の柔軟なものの捉えかたの魅力を味わいつつ、われわれそれぞれが自分のやり方の上に生かしていければと思う。
 ににんの仲間の句集出版も相次いでおり、九月の出版記念会で、久し振りに一堂に会して楽しい会を持ちたいと思う。更に、二年後に迫ってきている、創立二十周年記念の集まりに向けても、準備をはじめねばと思う。
 今年の猛暑は特別なもので、私自身も熱中症になり、点滴を受けたりしたが、各地で猛暑、豪雨、台風と重ねて災害が起こっており、不安を感じるとともに、つくづくと今生きていることのありがたみを感じることになった年である。
 心から皆様方の健康とよい作品をと念じている。(川村研治)

▼昨年の夏から今年の夏までの間に、ににんの同人の句集が五冊も刊行された。小さな会では珍しいことだ。句集に収める作品の取捨選択や並べ方も作品作りの一部である。本として出来上がって、改めて自分の作品の質を認識したりもする。生き物を詠もうと思ったわけでもないのに、纏めてみたら虫や魚や多かった、というのが私の句集だった。さて次はどんな句が生まれるのだろう。(岩淵喜代子)

▼九月二十九日に次の方たちの句集刊行のお祝い会を行います。
二〇一七年刊行・
同前悠久子第一句集『枝垂れの櫻』
川村研治第二句集『ぴあにしも』
岩淵喜代子第六句集『穀象』
二〇一八年刊行
浜岡紀子第一句集『美しい夜』
辻村麻乃第二句集『るん』

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 店名038 ・記号 10330 ・番号76542741・ににん発行所
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

●記事掲載●

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▼俳句年鑑掲載句
くらやみのごとき猟師とすれちがふ  岩淵喜代子 鯛焼をつつんでもらふ雨の中     川村研治 青森の向こうは蝦夷地夜鷹鳴く    尾崎淳子 恐竜も武士も目覚める子供の日    木津直人 鴨葱の暗喩翁に花吹雪        栗原良子 暗闇に鳴くを待ちをり青葉木菟    黒田靖子 梟や瞳閉づれば暗闇に        島﨑正彦 蛇苺摘みて少女のゐなくなり     辻村麻乃 ふらここの揺るる公園ひとつ近し   同前悠久子 暗闇に手足を残し昼寝覚       服部さやか 白鳥に硝子の柩用意する       浜岡紀子

▼岩淵喜代子
『俳句四季』九月号
「最近の名著を語る」・『穀象』
『俳句』九月号 添削についての文章
『俳句』十一月号 作品二十一句
『河』九月号 岩淵喜代子一行詩大賞受賞記事
『日本一行詩大賞』贈与式九月十九日六時半

▼川村研治
『俳句四季』九月号エッセイ・「月」

▼二〇一八年七十二号兼題「王様」
 子よ湯上りのタオル着れば王様になる 伊藤みどり

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ににん 71号 2018年7月1日 発行
 目次1 
特別作品暗闇坂2暗闇坂
独り居4辻村麻乃
 
詩歌文学館賞贈賞式6服部さやか
授賞特集万物の命を掴む力8高野ムツオ
句集『穀象』9青木澄江
生きてゐるかぎりの10坂口昌弘
岩淵喜代子様12中村弓子
吾でなく他者でなく14五十嵐秀彦
俳句ににん集16佐々木靖子他
さざん集29黒田靖子他
秀句燦燦ににんの反芻48川村研治
句句燦燦50服部さやか他
 
書評英語版「奥の細道」賛歌52島田正彦
連載評論定型詩の不思議54高橋寛治
掌編集2廃村56正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記60*
 
附録『雁の玉章』 浜岡紀子
 木津直人
 武井伸子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七一号●

▼冬の間は、天狼星、オリオン星座、冬の大三角形がみごとだった。星を見ていると、いつも、松本たかしの〈雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと〉が思い出される。雪だるまを見下ろすように、夜空いっぱいに星のまたたいている。それを「星のおしゃべり」と表現した、作者の豊かな想像力が素晴らしい。
 おしゃべりと言えば、俳句にしても、短歌にしても、作品を作ることを「詠う(うたう)」あるいは「詠む(よむ)」と言うが、本来これらが読み上げられたときの、耳から聴くことを重視していることがわかる。声に出して人に自分の思いを伝え、また、ひとの声を聞いて他人の思いを感じることのできることを有り難く思う。更には、聞こえない星の声を感じることのできる詩心の素晴らしさに改めて思いが及び、にんげんというものの可能性の限りなさを思う。(川村研治)

▼詩歌文学館賞、というものを頂いた。ぼーっとしている傍らに飛んできたボールみたいな感覚で受け取った。それから改めて詩歌文学館賞ってどんな人が受賞しているのか調べてみたら、第一回が平畑静塔であった。その後に続くのが加藤楸邨、橋閒石、村越化石。佐藤鬼房、永田耕衣、阿波野青畝、野村登四郎、中村苑子、沢木欣一と続く。加藤楸邨は私の入門当時のカルチャーの先生として出会っている。沢木欣一は俳人協会でドイツを訪問した時の団長さんだった。まだ夫人の細見綾子さんも健在だった。会話に時々「細見綾子がね」と言うのが印象に残っている。加藤楸邨はしばしば「家内がね!」と話を切り出すことがあった。十一回から金子兜太、安藤次男、川崎展宏、草間時彦、藤田湘子、成田千空、清水佳子、松崎鉄之助、森田峠、林翔と続く。このあたりから、川崎展宏は私の師であるし、草間時彦氏には連句でお世話になっていて、少し地続きという感じがしてきた。(岩淵喜代子)

▼季刊ににんの購読は三千円
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今までの振り込み口座も利用できます。

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
「すばる」六月号(詩歌文学館賞受賞発表掲載)
「俳句界」八月号・わたしの憧れている恋の句一句とエッセイ
「俳壇」八月号・巻頭作品十句
「ふらんす堂通信」一五七号
詩歌文学館賞受賞特集・俳句十句/受賞のことば/俳句について思うこと
「遊牧」八月号・十句選
「現代俳句」六月号・七月号 通信句会句評
「東京新聞」・四月二十八日「詩歌への招待」
俳句作品七句と短文
五月三日・俳人協会埼玉支部俳句大会応募句講評
五月二十六日・詩歌文学館賞贈賞式

▼鈴木まさゑ
「埼玉文芸」六月号 俳句十句掲載

▼辻村麻乃
「俳句四季」七月号 七月の名句

▼二〇一八年七十二号兼題「模様」
 秋風や模様のちがふ皿二つ  原石鼎

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ににん 70号 2018年4月1日 発行
 目次1 
特別作品スカベンジャー2栗原良子
 
句集特集句集「穀象」の輝き4松永浮堂
華麗なる変身物語8西村麒麟
 
俳句ににん集12西方来人他
さざん集28栗原良子他
秀句燦燦ににんの反芻46岩淵喜代子
句句燦燦48辻村麻乃他
 
連載評論定型詩の不思議50高橋寛治
掌編集2イワナ52正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』 武井伸子
 谷原恵理子
 中﨑啓祐
 浜岡紀子
 木津直人
 栗原良子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 七〇号●

▼金子兜太氏が逝去された。長年俳壇における父親のような存在であり、まさに重鎮であった。これまでの業績に感謝しつつご冥福を祈りたい。
既に萬緑が終刊となり、ついで、海程、狩、寒雷などの俳誌の終刊の予定が伝えられている。関わっておられる方々の戸惑いは想像できるが、元々個人個人の生き方の発露としての作品であろうから、自分というものをしっかりと持っていれば、動揺することはないと思う。ただ、こういうときにこそ、良き仲間の存在が心強い。
ににんでは句集の刊行が続いている。同前悠久子さんの後、岩淵喜代子代表の『穀象』が刊行され、更に浜岡紀子さん、河邉幸行子さんも予定されているという。それぞれご苦労があろうが、刊行を楽しみにしている。(川村研治)

新ににん同人紹介
千葉 隆      東京都杉並区在住
中西ひろ美     東京都青梅市在住
山本美帆      兵庫県神戸市在住
島 雅子      神奈川県相模原市在住
きわめてアバウトな管理者が取りまとめていますので、紹介をしたりしなかったりしているかもしれません。今回紹介する方たちは、昨年暮れから今年度初めにかけて入会した方々です。すでに、ににんの東京句会に参加している方もいます。東京以外の方も、上京した折に句会に立ち寄ってくださるとうれしいです。(編集部)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼速報 郵貯銀行振り込みのお知らせ
 店名038 ・記号 10330 ・番号76542741・ににん発行所
通帳に入金者のお名前が記録されますので、なるべくこちらをご利用ください。
今までの振り込み口座も利用できます。

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

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締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
埼玉俳句連盟第五七回埼玉俳句賞選考
「現代俳句」三月号・五月号 通信句会講評
「俳壇」二〇一八年度俳句年鑑・作品五句

▼川村研治
「現代俳句」四月号 岩淵喜代子句集評

▼佛川布村
「俳壇」一月号から十二月 句集鑑賞

▼桜が待たれる季節になったが、この季節ほど別離の込み合う時期はないような気がする。十七年共に暮らした飼い猫「瑠璃」が死んだのも八重桜の季節だった。わたしには、猫の重さは八重桜の重量と重なるのである。そういうと、猫好きかと誤解されそうだが、嫌いというのではなく面倒を見るのが嫌なのである。我が家の飼い猫はそのことよく理解していた。わたしの傍を通り抜けなければならないときには、目立たないように、身を低くして抜き足差し足で行き過ぎるのだった。(岩淵喜代子)

▼「ににん」次回の兼題「青森」
 葉のかたちのトーストいちまい青森にて 阿部完市
 青森はさびしき町よ雪に暮れ      福田蓼汀

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ににん 69号 2018年1月1日 発行
 目次1 
特別作品馬の表札2宮本郁江
 
句集特集同前悠久子『枝垂れの桜』評4浜田はるみ
一句鑑賞8岡本恵子他
 
書評三橋鷹女の新しさ10高橋寛治
 
俳句ににん集12小塩正子他
さざん集28木津直人他
秀句燦燦ににんの反芻46川村研治
句句燦燦48末永朱胤他
 
連載評論定型詩の不思議50高橋寛治
掌編集2イワナ52正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』 木津直人
 栗原良子
 武井伸子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子
カット*山下添子

●編集後記 六九号●

▼今年は現代俳句協会創立七〇周年ということで、十一月二十三日、帝国ホテルにおいて盛大に記念の行事が開かれた。記念式典には八百名余り、その後の祝賀会には五百名余りというから大変な盛会であった。宇多喜代子氏の講演とパネリストによるシンポジウムでは「俳句の未来・季語の未来」が論じられ、大変有意義な課題をいただいたような気がする。祝賀会では、何といっても九十八歳になる金子兜太氏の登場であった。特別功労者として表彰され、返礼の言葉も大きな声であったが、その後の秩父音頭を歌うという余興のひとこまに会場が沸いた。俳句作りの一凡人としては、気恥ずかしくなるような会場と場の雰囲気であったが、ごくたまにはこのような華やかなこともあってよいのかもしれないと、酔い心地で自分を納得させたのであった。(川村研治)

▼蝸牛が車道を移動していたのを見かけた。道の端に移動させてやろうと思ったが、その粘着力が強くて地面から引き剥すことが出来なかった。何処へ行くつもりなのか、確かに草むらを目指しているようだった。こんな小さな生き物にも思考回路があり、意思があるようだ。道を渡り切るまで待つことにした。そうしないと、車に敷かれてしまいそうなのだ。
 その数日後、枯れ枝に大きな蚯蚓を巻き付けて運んでいる女性に出会った。きっと、その蚯蚓も、私が出会った蝸牛のように道の真ん中でうろうろしていたのだ。女性は蚯蚓を草むらに戻そうとしていたのだろう。昔はこんな時に、人の姿をしてお礼に来たものだが。

●お知らせ●

「生き物を詠む」の連作はだいぶ集まりました。句集特集のないときには複数の作品を掲載することにします。その場合は、季節に合わせますので、掲載順位が多少変更になることがあります。

▼季刊ににんの購読は三千円
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▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
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▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『角川俳句年鑑』二〇一八年掲載句
鯨浮く海の扉のごとく浮く    岩淵喜代子
蟻の列じぐざぐにして真直ぐなる  川村研治
暗闇に眼がなれてきし田植道    宇陀草子
星冴ゆる進化の跡の尾骶骨   大豆生田伴子
両手もて大仰に泣く村芝居    川邉幸行子
破れ傘きちんと裂けてゐたりけり 鈴木まさゑ
海鼠嚙む鎌倉幕府を嚙むごとく   高橋寛治
暗闇に山吹の色猫の眼よ     同前悠久子
うかうかと日を過しをり枯蓮    浜岡紀子
捨てし尾の辺り進化の夜長かな  浜田はるみ
進化して零余子のごとく子を産まむ 和智安江
パパゲーノの子は産まれつぐ春の沼 西田もとつぐ

▼岩淵喜代子
「現代俳句」十月号川村研治句集評
「現代俳句」十一月号 通信句会講評
「俳人協会」十一月十日新人評論賞選考会 
「俳人協会機関紙」新人賞選評
「俳句四季二〇一八年版年鑑」
自選三句・俳誌要覧他
「俳句四季」二月号・第一句集物語

▼宇陀草子
『俳句界』二月号 俳句八句

▼「ににん」次回の兼題「位置」
 くしやみして己の位置の定まりぬ 喜代子
 竈猫封書を裂けば位置を変へ   伸子

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ににん 68号 2017年10月1日 発行
 目次1 
特別作品哲学2和智安江
 
句集特集川村研治『ぴあにしも』評4浜岡紀子
8佛川布村
 
俳句ににん集12兄部千達他
さざん集28木佐梨乃他
秀句燦燦ににんの反芻46岩淵喜代子
句句燦燦48黒田靖子他
 
連載評論定型詩の不思議50高橋寛治
掌編集2ヤンバラ52正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』 木津直人
 栗原良子
 武井伸子
 中﨑啓祐
 岩淵喜代子
 
表紙絵*高橋寛治
題字*黒田靖子

●編集後記 六八号●

▼昭和六十一年の第一句集以来、三十年ぶりに第二句集『ぴあにしも』を刊行することが出来た。第一句集『花野』では「人の心を動かす音に必要なものは強さではなく、むしろ人の心に共鳴することであり、いくら弱い音であっても最強の音に優る力を持っているもの」とあとがきに書いたが、三十年後の今回もこの気持ちは変わらない。平成二十三年から、縁あって認知症専門の富士山麓病院で新聞の編集に携わっているが、ここで、認知症というものを通して、老いということ、優しさということなどに深く思いをいたすきっかけをいただいた。俳句に対する考え方は千差万別であろうが、言いたいことを叫んだり、考えを押し付けるのでなく、読者の懐に静かに入りこんでゆく、といった事をこれからも大切にしていきたい。(川村研治)

▼このところ異類婚の話を読み漁っている。異類婚は記紀の世からあるのだが、当時は蛇が夜な夜な男の姿になって、娘の家を訪れる話となる。親が気付いて、男の袖に糸のついた針を刺しておくことで、その家を辿るというのが定番だ。辿ってみれば大蛇だったが、それでも、その大蛇との間に出来た子供を産み育てている。記紀の世は、神も動物も人間も混沌とした世だったから、そのまま肯えるのである。 民話では、「鶴のおんがえし」が一番代表的かもしれない。大方は、山や畑で働く人たちに命を助けられた生き物たちが、人間、それも女性になって現れることが多い。例えば、狐女房などは全国的である。他にも蛤女房、鯉女房、鶯女房などがあるのに吃驚。
異類婚の話は大方は男性に異類女房が添う話だが、まれに異類婿もある。猿に嫁がなければならなかった娘が暫くして里帰りを申し出るのだが、猿婿に搗いた餅を臼ごと担がせて山を降りていくちに、猿婿が臼の重みで深い淵に落ちてしまう。この話は、現代社会の少女を監禁してしまう話にも通じる。やはり知恵を生かして逃げなければいけないのだ。
しかし、有名な「おしらさま」伝説だけはなぜか違和感を持つ。というのは、蛇であろうと狐であろうと、みんな人の姿になって現れるのに、おしら伝説だけは馬そのものなのである。物理的に想像できにくい。馬との婚姻はどれも、蚕が残されるところが判れば謎が解けるのかもしれない(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『俳壇』十月号 巻頭作品十句
『現代俳句』十月号 川村研治句集評
『俳句四季』十一月号・金子兜太特集
『俳句年鑑』二〇一八年五句出句
『俳句年鑑』ににん動向記載
『俳句界』十二月号アンケート{平成の名句}
*『俳句四季』七夕まつりに参加

▼木津直人
『山の本』夏号 百号座談会「創刊とこれから」に参加。

▼「ににん」次回の兼題「坩堝(るつぼ)」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:十一月二十日
  ひぐらしや坩堝の如き姉の情 楠本憲吉

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ににん 67号 2017年7月1日 発行
 目次1 
特別作品楼蘭の美女2浜岡紀子
 
俳句ににん集4黒田靖子他
さざん集20川村研治他
秀句燦燦ににんの反芻36川村研治
句句燦燦38岡本恵子他
 
連載評論定型詩の不思議42高橋寛治
鶏頭陣44岩淵喜代子
掌編集2ヤンバラ50正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻40*
余呉湖吟行記56谷原恵理子
編集後記60*
 
附録『雁の玉章』 武井伸子
 浜岡紀子
 木津直人
 岩淵喜代子
 
表紙絵*高橋寛治
題字*黒田靖子

●編集後記 六七号●

▼三月十八日、渡良瀬遊水地で行われるヨシ焼きを見に行ってきた。渡良瀬遊水地は、栃木、茨城、群馬、埼玉の四県にまたがる、約一五〇〇ヘクタールという広大なものであり、二〇一二年には、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する内容を規定した、ラムサール条約に登録されている。ヨシ焼きは遊水地の自然を守るために行われるものであり、ヨシを焼くことによって、新芽の成長を促し、病害虫を駆除し、湿地の生態系を守ることになるのである。当日は、新聞報道によると、約八五〇〇人が訪れたという。遠くから見えるヨシを焼く黒煙の立ち上がるさまは、さながら「竜天に登る」様相を呈しており、壮観であった。煙の匂いのなか、土手を歩いていると、友人にぱったり出会い、しばらく話し込んでしまった。あたりには早くも燕が飛び交っており、雲雀の囀りも聞くことができた。春の魁であった。(川村研治)

▼このところ、誰かの句集が出来上がると次の句集作りの名乗りが挙がる。喜ばしいことである。創刊して十七年目、丁度それぞれが熟してきているのかもしれない。句集は誰のためと言えば、すべて句集を作る著者そのもののためにある。どんな句を並べるか、どんな装丁にするのか、という一つ一つが著者の夢を形に現す道程なのである。
出版社はその夢の句集造りの重大な担い手でもあるから、まずは、その橋渡しから始まるのだが、希望する出版社を決めてきて貰えるのが一番いい。それを覆したことは、これまで一度も無い。出版社がどこであっても、私のお手伝いの筋道は変わらないからである。むしろ、初めから拘りをもって句集作りをしようとする姿勢を尊敬している。
第一句集はことに句集への想いが強く、出来上がった日は、その句集を抱いて寝たと大先輩が言っていた。私もそうだった。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『小熊座』四月号より二十句選
『俳句』五月号・「創刊六十周年記念付録一・代表作十句とエッセイ」
『俳句』六月号・「俳句五句とエッセイ」
『俳句』八月号・「平和の礎となった俳句」
『俳句四季』八月号 作品十六句
『俳句ウエツプ』九九号 俳句七句
『鴎座』十五周年祝賀会特別選者
『浮野』十月号創刊四十周年に寄せてエッセイ
       浮野大賞応募句選考
『青草』二号・草深昌子句集『金剛』評
*四月・「鴎座」創刊十五周年祝賀会出席
*五月・「八千草」創刊二十周年祝賀会出席
*六月・角川書店蛇笏賞授賞式出席

▼新木孝介
『俳句四季』七月号・「句のある風景」

▼宇陀草子
『俳壇』六月号・にっぽん川紀行〜故郷の流れ

▼辻村麻乃
『俳句界』八月号・俳句三句
『俳句四季』八月号・俳句十六句
『俳句』八月号・俳句七句

▼浜田はるみ
『文学館』四月号
(春風そよそよ 春の季語そわそわ)執筆

▼佛川布村
『俳壇』六月号に俳句六句

▼「ににん」次回の兼題「猛犬」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:八月二十日
  猛犬のごとき西日に行き惑ふ 高橋寛治

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ににん 66号 2017年4月1日 発行
 目次1 
特別作品鎌倉幕府2高橋寛治
 
俳句ににん集4栗原良子他
さざん集19河邉幸行子他
秀句燦燦ににんの反芻36岩淵喜代子
句句燦燦38浅見百他
 
連載評論定型詩の不思議40高橋寛治
掌篇集歯朶42正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻35*
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』 木津直人
 栗原良子
 武井伸子
 浜岡紀子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*高橋寛治
題字*黒田靖子

●編集後記 六六号●

▼俳壇の重鎮金子兜太氏は、毎朝「立禅」ということをされているという。立ったまま、自分にとって大切な、亡くなった方々のお名前を唱えていく。全部で百三十人ぐらいという。思い出せないときは意識を集中していると思い出されるのである。これも、氏の思いの強さの現れのように思われる。自分が生きている意味を考えるとき、自分を育て、自分に関わってきた多くの人たちの存在があってこそということを思えば、それらの人たちの魂を呼び出す「立禅」は、氏にとって生きていく上で必須のことなのだろう。悼みの心は、喜怒哀楽や憎しみの心に比べて、より次元の高い感情なのだろうと思われる。こうした感情をたいせつにすることが本当の宗教に近い道なのだろう。自分の意識に多くの大切な人たちの意識が重なり合っているということを日々確かめることの重みをつくづくと考えさせられている。(川村研治)

▼今年も幾度か黄砂に襲われた。地域によっては空まで黄色いガスが立ち込めたようになる。
 この黄砂の凄まじさもタクラマカン砂漠からゴビ砂漠を経てやってくる風のせいだという。
 いつだったか、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を辿って天山山脈のふもとまで旅したことがある。砂漠に点在する莫高窟や交河故城、高昌故城はみんな黄砂の色そのものだった。それだけではない。砂漠の中に点在する故城は、日干し煉瓦造り。飴のように溶けている城は、すでに城とも見分けられない土の塊だった。
 砂漠に突然ポプラや楡の群立が見え始めると、町があることに気付きほっとしたものだ。そうやってウルムチやトルフアンを巡り、天山北嶺の天池(ポコタ山の中腹海抜二千メートルの湖)の船上で句会をした。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼「俳句あるふぁ」 (大地の俳句)特集
葡萄干す民に砂漠の地平線    岩淵喜代子
龍天に昇るや大地揺るがせて   川村研治
身に入むや空と大地は平行す   末永朱胤
茫漠と野馬立つ大地麒麟駆け   高橋寛治
夕立に大地丸ごと洗はるる    武井伸子
八月の大地に閃光の記憶     浜田はるみ

▼岩淵喜代子
『俳句』二月号 「俳句とは」小論
『紫』作品鑑賞八月号〜一月号
『鴎座』十五周年祝賀会特別選者
*埼玉現代俳句協会第十四回俳句大賞選考
*二月・埼玉文芸賞俳句部門選考
*三月・埼玉文芸賞授賞式に出席

▼宇陀草子
『俳句界』四月号
  「実力作家代表句競詠」六句

▼辻村麻乃
『俳壇』四月号新作七句

▼「十七音の宇宙」は改めて企画方針を検討することにしますので、決まるまで休止します。

ににん会計報告
 収入      九五万五千四七七円  雑誌発行費   九四万五千百一三円    残         一万三百六四円  今年度は記念号発行のために、支出の金額のすべては印刷とその郵送費のみ。

▼「ににん」次回の兼題「暗闇」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:五月二十日
  暗闇の目玉濡らさず泳ぐなり    鈴木六林男

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ににん 65号 2017年1月1日 発行
 目次1 
特別作品じぐざぐ2川村研治
 
書評浅見百句集評4末永朱胤
句集『緑陰の余白』鑑賞8尾崎淳子他
 
俳句ににん集14木津直人他
さざん集30鬼武孝江
秀句燦燦ににんの反芻48川村研治
句句燦燦50あべあつこ他
 
連載評論定型詩の不思議52高橋寛治
掌篇集54正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻(蔵の街俳句大会記録)47辻村麻乃
風韻増殖する俳句歳時記転載62*
編集後記64*
 
附録『雁の玉章』 浜岡紀子
 木津直人
 栗原良子
 武井伸子
 中崎祐介
 岩淵喜代子
 
表紙絵*高橋寛治
題字*黒田靖子

●編集後記 六五号●

▼この秋は自分にしてはよく出かけた。○九月始め・白河の関、○九月下旬・三重県伊勢神宮と相差漁港、海女小屋体験、○十月七日・小田原吟行と講演、○十月末・川越吟行、○十一月初め・栃木蔵の街俳句大会参加、などである。この間、十月には東京都中央区俳句連盟の俳句大会に出席したり、十一月にはブラジルから俳友の来日がある、といった具合だが、この間、我が家の猫三匹はどこへも出かけず仲良く留守を守ってくれている。なお、十月七日は、現代俳句協会西部ブロック主催の吟行会であったが、「なぜ俳句なのか」というタイトルではじめての講演をした。この中で、表現としての俳句と、認知症患者の自己表現について多少の言及を行った。
 認知症治療の権威である清水允熙先生によれば、認知症にならないためには、多くの友人を持ち互いに持ちつ持たれつの関係を大切にせよと言われるが、今後もこれを肝に銘じて、活動範囲を広げたい。(川村研治)

▼このところ蔵の街に縁がある。十月の終りには川越の蔵の街で、浅見百さんの句集『緑陰の余白』の出版祝賀会を行った。この川越の蔵造りは小江戸とも呼ばれているだけに、重厚な蔵である。 続いて十一月の文化の日には、「栃木蔵の街俳句大会」に招待された。栃木蔵の街は山本有三の生地。小説『路傍の石』の舞台もこの街の中にある。その大会で「石鼎の生きた時代」をテーマに講演をさせて頂いた。今回この講演のために「自然主義文学」について、改めていろいろ学ばせてもらった。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『角川俳句年鑑』年鑑活動他
『俳句四季年鑑』年鑑活動報告他
『俳句四季』二月号・わたしの歳時記「椿」
『俳句アルフア』増刊号・「大地を詠む」

▼『俳句』年鑑二〇一七年 掲載句
ぬきん出て烏柄杓は影のごとし   岩淵喜代子
あかあかと手足の記憶蛇にあり   川村研治
梅雨眺むいつか隣に鬼もゐて    あべあつこ
十月の本の栞は母のかも      石井圭子
人里にカモシカが居る盆休み    及川希子
初蝶やひらがなのごとゆるく飛ぶ  黒田靖子
引力のあえかに露をこぼしけり   佐々木靖子
枯枝を搖する風見る会議室     高田まさ江
父逝くややうやく咲きし百日紅   中島外男
凡人や高さ違へてつくしんぼ    牧野洋子
引力や赤子の笑窪冬ぬくし     宮本郁江
谷覗くための手足や烏瓜      近本セツ子

▼岩淵喜代子
『俳句アルフア』増刊号(大地の句の鑑賞文)
『紫』作品鑑賞八月号〜一月号まで、
『俳句』十二月号作品二十一句
『俳句』年鑑 作品五句
『鴎座』十五周年祝賀会特別選者
『俳句アルフア』増刊号・「大地を詠む」一句鑑賞
『俳句四季年鑑』活動記録他
『俳句四季年鑑』自選三句
『俳句四季』二月号「わたしの歳時記」エッセイ
*埼玉現代俳句協会第十四回俳句大賞選考
*十一月十三日『円錐』創刊二十五周年祝賀会出席
*十一月二十八日ペンクラブ「ペンの日」懇親会出席

▼「ににん」次回の兼題「硝子」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:二月二十日
  秋空へ大きな硝子窓一つ      星野立子
  硝子屋は硝子をかさね春の雪    長谷川櫂
  空蝉も硝子の仲間に加へけり    岩淵喜代子

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ににん 64号 2016年10月1日 発行
 目次1 
特別作品共存共存ぞん水母2岩淵喜代子
 
書評正津勉著『乞食路通』書評4磯辺勝
正津勉著『乞食路通』書評6井川博年
 
俳句ににん集8木佐梨乃
さざん集24尾崎淳子
秀句燦燦ににんの反芻42岩淵喜代子
十七音の宇宙44浜田はるみ
 
連載評論定型詩の不思議46高橋寛治
落丁愚伝48正津勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻 141*
風韻 255*
編集後記56*
 
表紙絵*山内美代子
題字*黒田靖子
 
附録『雁の玉章』 栗原良子
 浜岡紀子
 木津直人
 武井伸子
 岩淵喜代子

●編集後記 六四号●

▼大学の合唱団の先輩から「純正律合唱倶楽部第一回演奏会」というチケットが送られてきた。当時指揮法を特訓していただいた方である。今のピアノは、便利のために、一オクターブを十二等分した平均律になっているが、ある音を響かせたとき、倍音が二倍、三倍、四倍・・・というふうに聞こえてくることを基本にして作られた純正律の音階では、たとえばドミソの和音のミの音は平均律のミに比べるとやや低い。耳のよい人だと平均律のドミソは濁って聞こえるという。それでも現代の我々はその濁った和音に慣らされてしまっている。恐ろしいことである。純正律の透明感のあるハーモニーはヒーリング効果があり体によいと聞く。今からそのコンサートを楽しみにしている。(川村研治)

▼映画は見始めるとつぎつぎと通うのだが、遠のいてしまうと忘れるくらい日にちが過ぎてしまうものである。振り返ってみたら今年は数本しか観ていない。
息抜きに映画を、と思ったのだが夏休みのせいか観たいと思う映画が見つからなかったので、新文芸坐の「ハンナ・アーレント」を観に行くことにした。この映画は封切りで観ているのだが、なんか解りづらかった。入館したら二本立ての一本「サウルの息子」が放映されていた。これは初めて見る映画であったが、見始めから暗く重苦しい映画だ。ホロコーストの中で、選ばれて収容所の中で働くユダヤ人の話。観終わった時にはくたくたに疲れてしまった。本命の「ハンナ・アーレント」を見るまでの時間をロビーへ出ると、青年二人が最後までかなり重い場面だったことを話し合っていた。
しかし、これをみておいたお蔭で、二本目の「ハンナ・アーレント」の中身が鮮明に見えてきた。ナチスの戦争については、まだまだ見えない部分がいっぱいあるような気がする。

▼書下ろし作品募集
 テーマを「共存」としますので、共に生きている生き物たちの一つを選んで詠みます。
この号で取りあえず「水母」を詠んでみました。編集部に三十句ぐらい詠んで送ってください。順次掲載します。なお、それが二十周年のアンソロジーになります。短期間でまとめようと思わず半年なり一年なりこつこつと溜めてみてください。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 冬号・十一月十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

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▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『紫』作品鑑賞八月号〜一月号まで、
『俳句四季』九月号・エッセイ「忙中閑談」
『現代俳句』十月号 評論賞選評
『現代俳句』十月号 俳誌の散歩
『埼玉文芸』九五号 文芸賞選評
『俳句年鑑2017年度』作品五句

▼十一月三日・「第六回とちぎ蔵の町俳句大会」
講演「石鼎の生きた時代」岩淵喜代子
於・栃木市栃木文化会館

▼「ににん」次回の兼題「進化」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:十一月二〇日
  進化なき幾世紀経て木のぼる蛇  津田清子
  進化してさびしき体泳ぐなり  正木ゆう子

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ににん 63号 2016年7月1日 発行
 目次1 
特別作品一切合切煙也2正津勉
句集特集『韻く』書評4高柳克彦
『韻く』書評8川上謙市
『韻く』序10岩淵喜代子
俳句ににん集12川村研治
さざん集28岡本恵子
秀句燦燦ににんの反芻46川村研治
 
連載評論定型詩の不思議48高橋寛治
吟行記録吉野宇陀吟行記50宇陀草子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻 144*
風韻 2表3*
編集後記54*
 
表紙絵*山内美代子
題字*黒田靖子
 
附録『雁の玉章』 武井伸子
 栗原良子
 浜岡紀子
 岩淵喜代子
 木津直人

●編集後記 六三号●

▼最近、雑談力ということがよく取りざたされている。自在に話題を見つけて、楽しく会話を楽しむことが出来たら楽しいだろうと思う。私は子どものころから雑談が苦手である。仲間と話をしているときも、話題を見つけられないままに、話がどんどん進んでいってしまって途方に暮れることがしばしばある。内容は何でもよいから、とにかく何かをしゃべるそのこと自体が人間関係の上ではだいじなことだということをこの頃は切に実感している。相手をたいせつに思う気持ちがあれば、話すべき内容が相手の話から引き出されてくることがある。俳句も読み手があってこそ成り立つのだから、読み手の心を推し量りつつ、話しかけるという優しさが必要なのではないだろうか。(川村研治)

▼二月に吉野地方の紙漉と、国栖奏の行われる清見原神社、そうして「笈の小文」の蜻蛉の滝などを回ってきました。案内役は吟行地のど真中に生れてずっとそこに住んでいる宇陀草子さん。宿の料理も見事でした。二日目の最後は、東吉野の石鼎旧居へ巡るグループと室生寺を巡るグループに分かれて、それぞれが奈良を堪能してきました。この吟行記録は『俳壇』七月号にも掲載されます。お手にとって読んで頂きたいと思います。そうして、毎年少なくとも一回くらいは、遠出の吟行旅行をしたいと思いますので、企画できるところがありましたらお知らせください。

▼「ににん」の会計報告は、周囲の同人に順番で担当していただいています。今後もこの方式で結果を「ににん」の紙面に報告していきます。お気付きかと思いますが、その報告の中に毎回会費以外に寄付という項目があります。今回感謝の意味も込めて、表三に各年度の寄付協力をして頂いた方たちのお名前を一挙掲載いたしました。ご協力ありがとうございます。

▼「ににん」を読んで下さった方たちの書評はににん、ホームページに極力掲載しています。なお、贈呈された句集の評もホームページに掲載していますが、なかなかすべてを取り上げることが出来ません。もし、句集評・俳句誌評などを書きたい方がおりましたら、名乗って頂くと助かります。メールで送ってくださいましたら、私の方で、UPしていきます。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
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▼同人費一万三千円
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▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『俳句四季』八月号・エッセイ「忙中閑談」
『浮野』八月号・「落合水尾と観照一気」書評  
『地祷圏』第六六号 選句十五句
『彩の国秩父俳句大会』五月二八日
応募句選考・選評
『現代俳句協会』七月評論賞の選考会
『海の日俳句大会』千葉県松戸俳句協会主催
七月一八日当日句の選者

▼正津勉
『俳壇』六月号 「今月の詩人」に登場

▼「ににん」次回の兼題「書架・書棚・本棚・書庫」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:八月二〇日
  本抜けば本棚に洞西日中    依光陽子
  極月の書棚に置きし海の石   高室有子
  麦秋や書架にあまりし文庫本   安住敦
  狼の闇の見えきし書庫の冷え 岩淵喜代子

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ににん 62号 2016年4月1日 発行
 目次1 
グラビア句集出版祝賀会2 
 句集出版祝賀会記録4服部さやか
句画集特集『藤ヶ丘から』に寄せて6浜岡紀子
『藤ヶ丘から』一句鑑賞10武井伸子
書評あるがままの普羅の復活14小笠原高志
芭蕉に連なる風雅の漂白者16土岐光一
俳句ににん集18河邉幸行子
さざん集33大豆生田伴子
秀句燦燦ににんの反芻50岩淵喜代子
 十七音の宇宙52浜田はるみ
 
連載評論定型詩の不思議54高橋寛治
 石鼎余滴56岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
風韻49*
編集後記60*
 
表紙絵*山内美代子
題字*黒田靖子
 
附録『雁の玉章』 武井伸子
 栗原良子
 浜岡紀子
 岩淵喜代子
 正津勉

●編集後記 六二号●

▼近頃、身の回りの俳句仲間から、最近は何を見ても感動がないという悩みをきかされる。何か表現はしたいのだが、なにもかも当たり前で普通のただごとのように思えて仕方がないという。加藤楸邨は『俳句表現の道』において、「たつた一度しか生れない、かけがへのない我といふ存在」「その胸をかすめ去る感動は二度とくりかへされない」と、日々の感動をたいせつにするように説いているが、自分の存在など、取るに足らないものではあっても奇跡的なことであり、それ自体が感動すべきことなのだと思う。そんな時、「国技館五千人の第九コンサート」に出会うことができた。大合唱の感動を味わうとともに、改めて人間の素晴らしさ、生きていることの喜びを感じさせられた。(川村研治)

▼二月二五日から二六日にかけて、ににん本部句会のメンバーが中心になって吉野へ行ってきた。
案内役は宇陀にお住いの宇陀草子さん。そして兵庫から谷原理恵子さん、関東からは河邉幸行子さん、武井伸子さん、辻村麻乃さん、浜田はるみさんら、総勢十人がそれぞれの交通機関で榛原に集合した。
石鼎の東吉野に行くときも最寄り駅は榛原であるが、今回は谷崎潤一郎の『吉野葛』と『笈の小文』を懐にしての旅。宿の送迎バスで宇陀や国栖の里を巡って紙漉きを見学、葛晒しを行う「森野吉野葛本舗」にも立ち寄った。十年くらい前までは、その本店ですべての行程を行っていたが、現在は大宇陀の町中に機械化された葛晒の工場があって、葛を使ったお菓子もいろいろあった。
これから一年に一回は「ににん」の会として吟行旅行をしたいと思っている。よい候補地があったら紹介してください。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」締め切り
締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替:00150-8-85254

▼同人費一万三千円
 郵便振替:00150-8-85254

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『詩歌句年鑑』二〇一六年五句出句
『俳句四季』三月号 巻頭作品三句
『俳句界』 四月号 岡田史乃句集
『ピカソの壺』より一句鑑賞
『俳壇』 六月号 巻頭作品十句
埼玉文芸家集団会報二六号「文芸広場」
エッセイ執筆
埼玉文学館発行「文芸埼玉」九五号
埼玉文芸賞選評
角川『俳句』五月号・人物大特集《飯田蛇笏の魅力》エッセイ【私にとっての蛇笏は】
『現代俳句』五月号〈今、現代俳句が面白い〉
『現代俳句年鑑2016』を読む
埼玉現代俳句協会会報(七二号)俳句二句
二月・詩歌文学館へ文学賞句集の推薦
二月・角川文化振興財団へ「蛇笏賞」作品推薦
二月五日・埼玉文学館埼玉文芸賞選考会出席

▼宇陀草子
「俳壇」六月号 「俳句風土記」

▼浜田はるみ
『俳壇』四月号〈新句集の人々〉七句

▼「ににん」次回の兼題「凡人」
 次回の締め切り日にご注意ください。
 締め切り日:五月二〇日
  凡人や鶫いつせいに走り来る 森下草城子

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ににん 61号 2016年1月1日 発行
十五周年の挨拶岩淵喜代子1
目次2
グラビア十五周年祝賀会風景4
祝賀会句会記録8
祝賀会記録10
ににん創刊十五周年記念企画「俳句と詩と」 一
岩淵喜代子12
及川希子14
川村研治16
高田まさ江18
牧野洋子20
宮本郁江22
辻村麻乃24
佐々木靖子26
石井圭子28
伊丹竹野子30
尾崎淳子32
山内かぐや34
山内美代子36
武井伸子38
中島外男40
西田もとつぐ42
木佐梨乃44
浜岡紀子46
ににん創刊十五周年記念企画「俳句と詩と」 二
阿部暁子48
宇陀草子50
木津直人52
栗原良子54
新木孝介56
五十嵐孝子58
兄部千達60
小塩正子62
服部さやか64
浜田はるみ66
河邉幸行子68
西方来人70
志村万香72
あべあつこ74
島崎正彦76
高橋寛治78
岡本惠子80
末永朱胤82
近本セツ子84
大豆生田伴子86
山下添子88
黒田靖子浜90
鈴木まさゑ92
谷原恵理子94
豊田静世96
中﨑啓祐98
村瀬八千代100
和智安江102
 
俳句ににん集104岡本恵子 他
さざん集120及川希子 他
秀句燦燦ににんの反芻136川村研治
 十七音の宇宙138浜田はるみ
連載評論わたしの茂吉ノート140田中庸介
 定型詩の不思議144高橋寛治
年譜146
 
編集後記156*
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
 
附録『雁の玉章』 正津勉
 浜岡紀子
 武井伸子
 栗原良子
 木津直人
 
題字*黒田靖子
表紙絵*山内美代子

●編集後記 六一号●

▼ににん創立十五周年を記念して十月末に祝賀会が開かれた。ににん同人という作り手とそれを読んで頂いている購読者とが集まり秋晴れのひと日、ささやかな宴の中で、出会い、言葉を交し、楽しいひとときを過ごすことができた。ごく一部の専門俳人を除けば、我々一般の俳句作者は自分の作品を読んでいただける方との心のつながりこそが大切である。「私は、友が無くては、耐えられぬのです。しかし、私にはありません。この貧しい詩を、これを読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、私をあなたの友にしてください。」という八木重吉の『秋の瞳』序の言葉がつくづくと心にしみた。集まっていただいた方々と出会い話すことの嬉しさ、楽しさ、大切さを味わった一日であった。(川村研治) 

▼六十一号は新年号であるとともに、「ににん」創刊十五周年記念号である。特別企画の「詩と俳句と」は専任スタッフの川村研治さん・浜岡紀子さん・高橋寛治さんの一年がかりの努力で、出来上がりました。
山内美代子さんの俳画と俳句の『藤ヶ丘から』が上梓されました。すでにお手元に届いていると思います。闘病生活で指も思うに任せないながら、そんな影を微塵も感じさせない生活態度を見習いたいと思います。十五周年祝賀会にも、介護の手助けを借りながら車椅子で馳せ参じてくれました。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 六二号
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

ににんへの投句についてのお願い
 文章と俳句の投句は基本的にはパソコンに送ってください。なおパソコンを使用していなくても携帯メールを使っている方は、携帯から編集部のパソコンに送ることも可能です。

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼同人費一万三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼「俳句年鑑」二〇一六年度
「ににん」動向と俳句十二人
星屑のやうな物種貰ひけり   岩淵喜代子
春の山町の後ろに正座せり   川村研治
ポケットの小銭探れば小鳥来る 新木孝介
二月堂に修二会の竹の届きけり 宇陀草子
青嵐正座して描く眉の山    五十嵐孝子
冬萌や風に押されてゐる背中  岡本恵子
春の雪振子時計の音ばかり   河邉幸行子
武蔵野は枯野原なり犬とゆく  栗原良子
正座する足裏の黒子に夏日さす 辻村麻乃
大寒や枕に耳の置き所     浜田はるみ
消炭のあつさり燃える夕べかな 山下添子
砂時計ひつくり返し春を待つ  山内美代子

▼九月十九日・
二七年度「埼玉県俳句連盟観光俳句大会」
参加者・鈴木まさゑ・武井伸子・豊田静世・浜田はるみ・山下添子

▼九月二六日・二七年度俳人協会埼玉支部
「花と緑の吟行大会」
参加者・浜田はるみ・岩淵喜代子

▼岩淵喜代子
「俳句年鑑」二〇一六年度・五句出句
北溟社「詩歌句二〇一六年年鑑」五句出句
詩歌句協会一九号 五句出句

▼木津直人
「山の本」二〇一五年秋号に、エッセイ「青い富士山」を掲載。同二〇一六年冬号に書評掲載。

▼「ににん」
次回の締め切り日にご注意ください。
締切日 二月二十日(発行日四月一日)

ににん集の兼題は(受信)
  たそかれの菜の花のメール受信中 浦川聡子
  河原鶸来てをりファックス受信中 小林せつ子
  冬薔薇星のひとつを受信せり 大西泰世

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ににん 60号 2015年10月1日 発行
特別掲載一切合財煙也2正津勉
俳句ににん集6大豆生田伴子
さざん集22宇陀草子
秀句燦燦ににんの反芻38岩淵喜代子
 十七音の宇宙40浜田はるみ
連載評論定型詩の不思議42高橋寛治
 わたしの茂吉ノート44田中庸介
 石鼎余滴48岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記52*
 
附録『雁の玉章』 木津直人
 武井伸子
 栗原良子
 浜岡紀子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子

●編集後記 六〇号●

▼戦後七十年の今年は、大変な猛暑の年となり、世界の中での日本の立場を考える大事な年ともなった。今年も多くの「終戦日」「敗戦日」の句のほか「終戦忌」「敗戦忌」という異常な使われ方が目についた。「子規忌」というように使われてきた忌の扱いがここでは全く異なっている。これは「原爆忌」があまりに一般化してしまったための弊害が露になったのであろう。俳句作りの上で「敗戦」と言い、「忌」と言ってしまったら、それ以上言うべきことはないと言っていい。仮に戦争に勝っていたとして、敵味方ともに多くの人間を殺してしまった果ての「戦勝日」を俳人が使うべきかどうかを考えれば「敗戦日」も否であることは言うまでもない。辛うじて「終戦日」が使える言葉だろうと思う。(川村研治)

▼六十号を数えることになった。すなわち十五年が経ったということである。記念号は新年の活気とともに手にするほうがいいと思うので、二〇一六年一月発刊の六十一号にすべて纏めることにした。  今回、正津勉さんが書きおろし作品を発表している。単なる連作というのではなく、なにか新たな試みの作品群が出来た時には、お寄せください。三年間ぐらいのうちに、各々がなにかの試みの作品を発表して貰えれば、次の二十周年の特集は決りなのだが・・・。試みの、あるいは冒険的な、あるいは実験的な作品群という漠然とした表現しか今は思いつかないが、個々に考えて頂きたい。(岩淵喜代子)

▼新同人の紹介(入会日順)。
黒田靖子(埼玉県朝霞市)
山下添子(埼玉県朝霞市)
近本セツ子(兵庫県宝塚市)
谷原恵理子(兵庫県芦屋市)
和智安江(東京都豊島区)
鈴木まさゑ(埼玉県朝霞市)
豊田静世(埼玉県志木市)
中崎啓祐(東京都杉並区)
村瀬八千代(埼玉県川越市)

ににん創刊十五周年について。
 二〇一六年冬号として発行予定の創刊記念号の編集は川村研治さんと浜岡紀子さん・高橋寛治さんによって進行中です。まだ作品を出していない方は、なるべく早く送ってください。
 また、創刊祝賀会については、武井伸子さん、浜田はるみさんを中心にして準備が進んでいます。

▼祝賀会の参加について
 みなさまには別紙で十五周年記念号のアンソロジーの作品提出の用意をお願いします。

ににんへの投句についてのお願い
 文章と俳句の投句は基本的にはパソコンに送ってください。なおパソコンを使用していなくても携帯メールを使っている方は、携帯から編集部のパソコンに送ることも可能です。

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 六一号
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼同人費一万三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼「ににん」次回の兼題「引力」
 締め切り二〇一五年十一月二〇日
  万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり 奥坂まや

●記事掲載●

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『俳句四季』九月号 今月のハイライト
――ににん創刊十五周年

▼岩淵喜代子
『百鳥』九月号
太田土男句集『花綵』の一句鑑賞
『浮野』九月号 落合水尾句集『円心』鑑賞
『浮野』創刊四十周年「浮野大賞」選者
『俳壇』十月号 月間日記――俳人たちの日常
『現代俳句』十月号 評論賞選考過程所感

▼辻村麻乃
『俳句界』九月号 グラビア
私の一冊に登場

▼浜田はるみ
『俳句文学館』 コラム「顔」欄執筆

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ににん 59号 2015年7月1日 発行
「鬣」賞書評俳句史の地平2水野真由美
俳句ににん集6及川希子
さざん集19岩淵喜代子
秀句燦燦ににんの反芻34川村研治
 十七音の宇宙36浜田はるみ
連載評論わたしの茂吉ノート38田中庸介
前田普羅42正津 勉
 定型詩の不思議46高橋寛治
 石鼎余滴48岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記52*
 
附録『雁の玉章』 浜岡紀子
 武井伸子
 栗原良子
 岩淵喜代子
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子

●編集後記 五十九号●

▼大学時代の合唱団の友人から一枚の音楽会の切符が送られてきた。ブラームスの「ドイツレクイエム」であった。レクイエムは多くの作曲家により作曲されているが、いずれもラテン語の歌詞によるものであった。ブラームスはその慣例を破り、ドイツ語訳の聖書から歌詞を選んで、作曲した。形式化したラテン語ではなく、自分の言葉で、自分の心をこめられる人間の悲しみを歌うために、自分の国の言葉であるドイツ語で作品を書きたかったのである。
 悲惨な出来事が多い今日の世界で、死者を悼むレクイエムを心をこめて歌い、又、それを聴くことによってその思いを深めていくことが大切だろうと思う。人間の悲しみを歌うドイツレクイエムの演奏は素晴らしかった。(川村研治)

ににん創刊十五周年について。
 二〇一六年冬号として発行予定の創刊記念号の編集は川村研治さんと浜岡紀子さん・高橋寛治さんによって進行中です。まだ作品を出していない方は、なるべく早く送ってください。
 また、創刊祝賀会については、武井伸子さん、浜田はるみさんを中心にして準備が進んでいます。

▼祝賀会の参加について
 個々に案内は発送されますが、今年度の十月三十一日に行う祝賀会は会員と購読会員のみに呼びかけております。会員とはもちろん雑誌に毎月投稿している「ににん」同人のお仲間だが、もう一つのお仲間は創刊からずっと「ににん」の雑誌を購読して下さっていた購読会員です。一堂に会する機会のないまま十五年が過ぎますが、「ににん」のいちばんの応援者でもありました。今回はその方たちとご一緒に、十五年間滞ることもなく雑誌を発行できたことを祝い合って、次の二十周年へ繋げたいと思います。万障繰り合わせてご参加して頂きたいと思います。(岩淵喜代子)

ににんへの投句についてのお願い
 文章と俳句の投句は基本的にはパソコンに送ってください。なおパソコンを使用していなくても携帯メールを使っている方は、携帯から編集部のパソコンに送ることも可能です。

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 六〇号
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼同人費一万三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼ににん前橋支部「煥乎堂」句会
 二〇一五年五月二十九日読売新聞朝刊に煥乎堂句会と同人誌「煥乎」二十周年の紹介記事

▼「ににん」次回の兼題「手足」
 締め切り二〇一五年八月二〇日
  今生は手足を我慢かたつむり 鈴木鷹夫
  白日傘ひるの手足をつれてゆく 鳥居真理子

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
「遊牧」六月号十句選
「俳句四季」八月号・俳句四季大賞受賞者の今
作品と近況
(平成二七年より以下の委員就任)
日本現代詩歌文学館振興会・評議院 
現代俳句協会評論賞・選考委員
さいたま文学館埼玉文芸賞俳句部門・選考委員

▼新木孝介
「季刊詩歌句」作品五句と短文

▼岡本恵子
「季刊詩歌句」作品五句と短文

▼辻村麻乃
「俳句界」九月号・グラビア「私の一冊」

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ににん 58号 2015年4月1日 発行
グラビア句集祝賀会風景2 
俳人協会評論賞受賞特集『二冊の鹿火屋』評4田吉 明
『二冊の鹿火屋』評8坂口昌弘
『二冊の鹿火屋』評12筑紫磐井
俳句ににん集16宇陀草子
 さざん集30石井圭子
秀句燦燦ににんの反芻44岩淵喜代子
 十七音の宇宙46浜田はるみ
連載評論定型詩の不思議48高橋寛治
 わたしの茂吉ノート50田中庸介
前田普羅54正津 勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記60*
 
附録『雁の玉章』  
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子

●編集後記 五十八号●

お詫び
 著作権の問題につきましては、昨年十月末に示談の条件を履行し、完了しました。
 ににん代表はじめ同人の皆様には、大変ご迷惑をおかけし、ご心配を戴きましたことを、心よりお詫び申し上げます。
 今後は、初心に帰って、精進してまいりますので、旧年中と変わりませずご指導とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
   平成二七年正月  伊丹竹野子

▼松過ぎた頃、口、顔に異常な痛みを覚えた。帯状疱疹であった。約一ヵ月間全ての予定をキャンセルして家に籠もることとなった。自分が居ずに諸事が進行してゆくのを見ていると、丁度死後の世界からぼんやりとこの世のありようを眺めているようで、小気味良ささえ感じた。
 帯状疱疹は、長年潜んでいたヘルペスウィルスが、体の弱みにつけこんで暴れだすらしい。長年住み着いているのだったら、静かにしていて欲しいものである。マクロに見ると、人種、宗教、国が異なるとるという理由だけで他者を攻める行為が世界中に起きている。悲しいことである。人類としての帯状疱疹が世界中に蔓延っているようなものである。俳壇の中でも同じようなことが起きてはいないだろうか(川村研治)

▼今回の『二冊の「鹿火屋」――原石鼎の憧憬』は、二〇〇九年に上梓した『頂上の石鼎』付録のつもりで出版したものだった。しかし、なぜかそれが俳人協会評論賞を受賞した。
 石鼎は気になる作家である。その気になることをだらだら書きつづけてきたのが今回の『二冊の鹿火屋』である。これらも書くものは原石鼎に限られるだろう。そうして、『二冊の鹿火屋』のように、何か一貫したテーマが見つかったら、また一冊になるかもしれない。とにかく今回の受賞は、書きつづけていくことへの弾みになった。嬉しいことである。多くの方の応援に心からお礼を言いたい。(岩淵喜代子)

新同人紹介
 谷原恵理子さん(芦屋市)

ににんへの投句についてのお願い
 文章と俳句の投句は基本的にはパソコンに送ってください。なおパソコンを使用していなくても携帯メールを使っている方は、携帯から編集部のパソコンに送ることも可能です。

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▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五九号
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼同人費一万三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼「ににん」次回の兼題「正座」
 締め切り二〇一五年五月二〇日   片隅に正座を強いる喪の師走  渋谷道

●記事掲載●

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『俳句四季年鑑』結社の動向と作品(全員一句)

▼岩淵喜代子
『俳壇年鑑』  今年の自選三句
『俳句文学館』三月号 俳人協会評論賞受賞のことば
『俳句』三月号 オモテの句ウラの句
『俳句四季』四月号 作品十六句
『俳句』四月号 俳句十六句
『俳句』四月号 俳人協会評論賞受賞のことば

▼辻村麻乃
『俳句界』二月号 俳句八句
『ウェップ俳句通信85号』俳句作品七句
『俳壇』四月号 特集
  早春に詠うー実力俳人諸家競詠五〇人

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ににん 57号 2015年1月1日 発行
グラビア句集祝賀会風景2 
牧野洋子総論4中上哲夫
句集特集一句鑑賞8武井伸子 他
 序にかえて10岩淵喜代子
俳句ににん集12岩淵喜代子
 さざん集24五十嵐孝子
秀句燦燦ににんの反芻38川村研治
 十七音の宇宙40浜田はるみ
連載評論定型詩の不思議42高橋寛治
 わたしの茂吉ノート44田中庸介
前田普羅48正津 勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記52*
 
附録『雁の玉章』  
 
表紙絵*尾崎淳子
題字*黒田靖子

●編集後記 五十七号●

▼五十六号の訂正
 正  蜑路地や海より濃ゆき茄子の花
 誤  蟹路地や海より濃ゆき茄子の花

▼ににんでは原則として文語、旧仮名で俳句を書いているが、そのことについて少し考えてみたい。俳句は自分の感動したこと、それも遥かなもの、永遠に繋がる感動を他の人と共有したいという願いで作るものであろう。人間というものは取るに足らない存在であり、いずれは消えてゆくべき悲しみに満ちた存在であるが、その思いを俳句のかたちに言い止めることができれば、永遠に繋がることが出来るのではないかと思う。このような重い内容を意識しているからこそ、俳句というものがこれまで続いてきたのではないだろうか。それを、わずか五七五で表現するには、普段着ではなく、それなりの身支度が必要になってくる。それが文語であり、旧仮名遣いではないかと思う。(川村研治)

▼小さな集まりの「ににん」では、句集の出版など二、三年に一度くらいだった。それが、昨年は三冊の本が立て続けに上梓された。その一冊が六月、宮本郁江句集『馬の表札』、二冊目が八月、牧野洋子句集「『蝶の横貌』。その二人の出版祝いも、既に行われた。三冊目の出版は十月、私の『二冊の鹿火屋』だった。この本は以前の『頂上の石鼎』の付録として出版するともりだったのだが、装丁が豪華に仕上がってしまって面映ゆい。(岩淵喜代子)

表紙の空気が変わりました
 これまでは線描の街の絵に明朝体の題字で続けてきていましたが、今年度から、尾崎淳子さんの日本画を使わせていただくことになりました。その日本画に合わせて題字も黒田靖子に書いていただきました。

新同人紹介
 近松セツ子さん、黒田靖子さん、山下添子さん、佛川布村さん

ににんへの投句についてのお願い
 文章と俳句の投句は基本的にはPCに送ってください。なおパソコンを使用していなくても携帯メールを使っている方は、携帯から編集部のパソコンに送ることも可能です。

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五八号
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締め切り(発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読は三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼同人費一万三千円
 郵便振替00150-8-85254にお振込みください。

▼「ににん」次回の兼題「時計」
 締め切り二〇一五年二月二〇日

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳句界』十二月号 ににん句会訪問記事

▼岩淵喜代子
『俳句年鑑』二〇一五年作品五句
『俳句年鑑』  俳人アンケート
『俳句あるふあ』十二・一月号 作品五句
『俳句あるふあ』十二・一月号 
「どうぶつ歳時記365日」収録
運命のやうに傾ぐや空の鷹
『俳句界』二月号 折井紀衣句集「石の眼」の一鑑賞
十一月九日 埼玉県加須市俳句大会での講演・「私の好きな俳句」

▼川村研治
『俳句四季』十二月号
  宮本郁江句集「馬の表札」鑑賞

▼宮本郁江
『俳句四季』二月号 俳句作品

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ににん 56号 2014年10月1日 発行
宮本郁江総論2小笠原高志
句集特集一句鑑賞6浜岡紀子 他
 序にかえて8岩淵喜代子
俳句ににん集10五十嵐孝子
 さざん集22新木孝介
秀句燦燦ににんの反芻36岩淵喜代子
 十七音の宇宙38浜田はるみ
連載評論乞食路通40正津 勉
 定型詩の不思議44高橋寛治
 石鼎余滴46岩淵喜代子
 
吟行記河内音頭50武井伸子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記52*
 
附録『雁の玉章』  
 
表紙絵*尾崎淳子

●編集後記 五十六号●

▼きびしい猛暑のこの夏も終戦日、敗戦日の句が俳人たちによって多く詠まれた。昭和二十年八月十五日も遥かな昔となり、その日のことを自分の記憶として持つ者は少数派になってしまった。私自身は季語として「敗戦日」を使わないのは、戦争は勝ち負けではないと思うからだ。
「負け」という言葉の裏には勝ったものに対しての憎しみの心が入っている。逆に「勝ち」という言葉の裏には負けたものに対する優越感、蔑みの心が入る。終戦の日、国民の殆どの人は、負けた、というよりも、ああ戦争は終ったのだ、もうこの恐ろしい苦しみからは解放されるのだという気持ちが強かったと思う。戦争は、終わりにしつづけなければならないものであり「終戦日」が確かな言葉だと思う。(川村研治)

▼宮本郁江句集『馬の表札』と牧野洋子句集「『蝶の横貌』の二冊の句集が上梓されました。表紙絵は尾崎淳子さんの絵画。「ににん」五六号、五七号で、それぞれの句集特集をします。

▼今年の夏の異常気象は各地の大雨、三鷹の大量の降雹、茨城県の竜巻、広島の土砂災害。どれも大災害なのにすぐに紛れてしまうのは、日本列島のどこかで頻繁に天災が発生しているからである。
 広島市八木地区の土石流災害は、「ににん」五六号の締め切り日と同時くらいだった。その後の、八月二六日現在のニュースでは死者七十人を越えている。そうして、今日は俄に秋風が吹いて、ごろ寝などしていられない涼しさになった。(岩淵喜代子)

▼ににん十五周年記念号の準備
 みなさまには別紙で十五周年記念号のアンソロジーの作品提出の用意をお願いします。

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五七号
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)
  →ににん集の兼題は(近江または淡海)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。

▼同人費一万三千円

●記事掲載●

▼ににん関連記事

二〇一五年度『俳句年鑑』
年間の活動並びに作品
夜光虫の水をのばして見せにけり 岩淵喜代子
朧にて星がぐらぐらしてゐたる  川村研治
鉛筆を削れば匂ふ日永かな    新木孝介
青葉冷え厩舎に夜の色の馬    尾崎淳子
店を出てすぐ白鳥の胸がある   木津直人
蚊遣火の香り漂ふ投票所     小塩正子
鉛筆の芯に雪解の匂ひかな    武井伸子
鉛筆の高さ揃へば風光る     服部さやか
はるのゆき夢より覚めてゆめの中 浜岡紀子
何事もなかつたやうに春の海   浜田はるみ
薄目開く犬に卯の花腐しかな   宮本郁江
冬耕やかなたにありし橋一つ   牧野洋子

▼服部さやか
『澤』七月号 五〇歳までの新人特集に収録。

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ににん 55号 2014年7月1日 発行
佃島盆踊り月島六番出口2浜田はるみ
 てのひらで3武井伸子
 月涼し4高橋寛治
 藍浴衣5河邉行幸子
 海匂ふ6岩淵喜代子
 盆太鼓7宮崎晩菊
俳句ににん集8新木孝介
さざん集20阿部暁子
秀句燦燦ににんの反芻32川村研治
十七音の背景34浜田はるみ
連載評論定型詩の不思議36高橋寛治
わたしの茂吉ノート38田中庸介
乞食路通42正津 勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』  
 
表紙絵*尾崎淳子

●編集後記 五十五号●

▼鳥の卵が孵るとき、殻の中で雛がつつくことを「啐」、そして、ちょうどその時、母鳥が殻を外からつつくことを「啄」と言い、この両方が同時に起こらないと、卵がうまく孵らない。禅宗では、師匠の悟らせようとする働きと、弟子の悟ろうとする働きが一致することの大切さを「啐啄同時」で説いている。俳句創作の上でも作者の心の底深くからの意識と外界からの刺激とが噛み合うことの大切さが思われ、広く社会生活の上での協力関係の上でも啐啄の関わり合いが大きな意味を持ってくる。ににんでは毎回兼題を設けて作句しているが、この題が「啄」であるとして、その刺激により、各作者が自分の全生涯の中からこれに応えるべき内奥の発想「啐」を探るということになろうか。(川村研治)

▼今回は兄部千達(こうべちさと)さんを紹介しておきます。このお名前、一瞬戸惑うのですが、パソコンではこうべと入力すると、あっさり出てきます。
「兄部」とは山口県周防あたりの中世の座の統轄者に与えられた名前。ににんの兄部さんのご実家の宮一本陣兄部家も「国定史跡」である。
萩と周防を結ぶ江戸時代の街道「萩往還」に面して、参勤交代の宿として諸国の大名が留まった。秀吉朝鮮出兵のおりは軍船に魚を献じたり、本陣に伊能忠敬が地図作りの折に泊まった等の話が残されているそうです。訪れてみたいものである。
周防という土地で、もう一つ訪れたいのは瑠璃光寺の五重塔である。この五重塔については七十歳から書き始めて八九歳で作家デビューを果たした久木綾子さんの『見残しの塔−周防国五重塔縁起 』に詳しい。   (岩淵喜代子)

▼ににん十五周年記念号の準備
 みなさまには別紙で十五周年記念号のアンソロジーの作品提出の用意をお願いします。

●お知らせ●

▼次号五六号締め切り八月二〇日(発行日十月一日)
ににん集の兼題は「路地・露地」になります。
路地裏を夜汽車と思ふ金魚かな
            摂津幸彦

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五五号
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。

▼同人費一万三千円
今年度末までに二〇一四年度の同人費を納入してください。(五三号から五六号まで)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

『俳壇』 五月号・子供の句
花果てのうらがへりたる赤ん坊  岩淵喜代子
眠る子の耳よりからすうりの花   川村研治
逃げる子も追ふ子も冬のどまん中  阿部暁子
実南天やっと十まで数へる子    石井圭子
     初空へふつと開きし赤子の手   伊丹竹野子
足元に子を絡ませて髪洗ふ     辻村麻乃
囀りやあいさつする子はいつもの子 牧野洋子
少年の羽化してよりの水の秋    武井伸子
魚は氷に風にまじりて子らの声   浜岡紀子
教室にかすかな浮力卒業子    浜田はるみ

▼岩淵喜代子
『俳壇』 五月号・子供の句とエッセイ
『俳句あるふぁ』6・7月
「どうぶつ歳時記365日」収録
空腹や海月はゆらす身のすみずみ
『俳句四季』六月号 作品十六句
『俳句四季』八月号
大牧宏句集『正眼』より一句鑑賞
『俳句界』九月号 作品六句

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ににん 54号 2014年4月1日 発行
渡良瀬遊水地野焼渡良瀬川2牧野洋子
 光の帯3宮本郁江
 炎立つ4中島外男
 はるばると5武井伸子
 葦の穂6高田まさ江
 都賀舟7佐々木靖子
 葦の炎8及川希子
 巴波川9あべあつこ
俳句ににん集10阿部暁子
さざん集22あべあつこ
秀句燦燦ににんの反芻34岩淵喜代子
十七音の背景36浜田はるみ
連載評論石鼎を憧れた人々①38岩淵喜代子
定型詩の不思議42高橋寛治
わたしの茂吉ノート44田中庸介
乞食路通48正津 勉
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記52*
 
附録『雁の玉章』  
 
表紙絵*尾崎淳子

●編集後記 五十四号●  岩淵喜代子

▼ににんはいつも入会者のことも退会者のことも取り上げないで、淡々とやり過ごしてきましたが、五十四号から参加する新しい同人についてご紹介いたします。
 そのお名前が大変珍しくて読めないのではないかと思ったからです。「大豆生田伴子(おおまみゅうだ・ともこ)」さんといいます。栃木にお住いですが、その土地には多い名前のようです。
 言語学者の金田一春彦によると、日本語で「みゅ」という発音が現われる唯一の単語だそうです。以前、金田一春彦は「みゅ」という発音を日本語の音節表から外すべきだと提唱しかけたことがあるそうです。しかし、大豆生田(おおまみゅうだ)姓の人物に出会い、その考えを訂正しました。
 もうお一人、四五号から参加の河邉幸行子(かわべ・さちこ)さん。幸行(ゆきつら)と読ませる男性の名前は見かけるのですが、女性は初めてです。

▼兼題が「火と灯」からもとの言葉の兼題に代わりました。そのため、ホームページの俳句の投稿欄が復活しました。すでに広場は同人の作品を一部UPしました。ごらんください。
 兼題を以前は一文字でしたが、今回は熟語、すなわち二文字にいたしました。一文字よりは数段難しいとは思います。おおかたが、物の言葉になることも、同じような作品が出来がちです。そのことを意識して、自分なりの作品になるように取り組んではいかがでしょうか。

▼ににん十五周年記念号の準備
 みなさまには別紙で十五周年記念号のアンソロジーの作品提出の用意をお願いします。

●お知らせ●

▼次号五五号締め切り五月二〇日(発行日七月一日)
ににん集の兼題は「映画」になります。

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五四号
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)  秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。

▼同人費一万三千円
今年度末までに二〇一四年度の同人費を納入してください。(五三号から五六号まで)

●記事掲載●

▼ににん関連記事

▼岩淵喜代子
『俳句』三月号 取り合わせについての小論
『俳句四季』三月号 野木桃花句集評
『俳句四季』三月号 一枚の絵
『俳句あるふあ」4・5月号
服部さやかの推薦文
『俳句あるふあ』4・5月号
どうぶつ歳時記365日へ収録句
やはらかき身をぶつけあひ鳥交る 喜代子 
『俳句』五月号 山崎聡『遠望』一句鑑賞
『わたしの俳句手帳』角川ライブラリー三月発売に収録句(ストーブに貌が崩れていくやうな)
『俳壇』五月号子供を詠んだ俳句とエッセイ

▼服部さやか
『俳句あるふあ』4・5月号俳句

▼宮本郁江
『俳句四季』三月号・句のある風景

▼田中庸介
『現代詩手帖』三月号・英米詩の翻訳と座談会

▼木津直人
季刊『やま かわ うみ(アーツアンドクラフツ)』二〇一一年春号〜一二年春号まで
「山・川・海の詩学」を連載

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ににん 53号 2014年1月1日 発行
若草山焼山談義2伊丹竹野子
 冬萌3岩淵喜代子
俳句ににん集4あべあつこ
さざん集16山内美代子
秀句燦燦ににんの反芻28伊丹竹野子
十七音の背景30浜田はるみ
連載評論乞食路通32正津 勉
上島鬼貫36伊丹竹野子
定型詩の不思議40高橋寛治
わたしの茂吉ノート42田中庸介
講演記録二冊の鹿火屋46岩淵喜代子
 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
編集後記80*
 
附録『雁の玉章』1 
 『野菊の墓』を訪ねて2浜岡紀子
 はしのはなし4新木孝介
 イルパライソで6栗原良子
 困難で思い出多い一日8木津直人
 妙喜庵 待庵10武井伸子
 
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 五十三号●

▼清水哲男氏のエッセイは休みます。

▼火と灯の祭祀についての特別作品の投稿はしばらく中止いたします。二〇一三年度までに預かった作品のみを今年度掲載いたします。従って五十三号の「若草山山焼き」・五十四号で「渡良瀬の野焼」・五十四号で「佃の盆踊」の以後はありません。

▼十五周年記念号の準備
「ににん」のみなさまには別紙で十五周年記念号のアンソロジーの作品の用意をお願いいたします。気が早いようですが、記念号の準備は今回非常に時間を取られることになりますので、早めの準備に入ります。同封したピンクの用紙を必ず読んでください。

▼震災記録(第十一回)
二〇一三年十一月二十六日に秘密保護法案が衆議院を通過した。『毎日新聞』の一面には「与党が採決強行」という見出し。裏面では「巨大与党の暴走が始まった日」がある。三面記事紙面では、「福島をバカにするな」とある。
『読売新聞』は「自民みな賛成 維新は退席」と淡々とした見出しが一面。裏面では「同盟国と機密共有へ」とあり、三面記事の紙面ではこの件に対する事項はない。
『日本経済新聞』では「半導体3パナソニック三工場を売却」という記事がトップ。その横に秘密保護法案が衆院通過、とこれも淡々とした対応。三面記事で「修正足りず」「曖昧なまま」という見出しで読売新聞よりは批判がある。
『朝日新聞』は「自公が採決強行−−みんな賛成、維新放棄」とあり、その裏面で「一強の慢心 民意軽視−政権・世論懸念し採決急ぐ」とある。三面記事で「強引渦巻く怒り」−特別委四十四時間、「ふざけるな」とデモの声に集約させている。

▼表三に『復興の記録』を執筆していた四宮暁子さんが男の赤ちゃんを出産しました。「阿部日菜穂ちゃん」です。おめでとうございます。従って四宮さんもこの号から阿部暁子で参加しています。四宮さんは東京生まれで、東京で暮らしていました。それが東日本大震災を機に宮城県の応援に出かけたまま住みついたという経緯から執筆が始まりました。しばらくは育児に専念することになりましたので、この欄は休載となります。

●お知らせ●

▼五四号締め切り二月二〇日(発行日四月一日)
ににん集の兼題「鉛筆」になります。
潮風・潮汁・満潮など「潮」の文字を使います

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五四号
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)  秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。

▼同人費一万三千円
今年度末までに二〇一四年度の同人費を納入してください。(五三号から五六号まで)

●記事掲載●

▼ににん関係

『俳句年鑑』二〇一四年度版掲載句
神の名に命の一字羽蟻飛ぶ    岩淵喜代子
原子の火消して寒中見舞ひとす  伊丹竹野子
花守に孫三人目生まれけり     宇陀草子
行く秋の木漏れ日音もなく揺れて  志村万香
スカイツリーから凍つる東京夜景かな  西方来人
口笛に冬三日月の揺るるとき   同前悠久子
水涸れて日増しに巌白くなる    中村善枝
筍を仏の如く茹であげる    西田もとつぐ
秋時雨窓に二合の米を研ぐ    山内かぐや

▼岩淵喜代子
『俳句年鑑』二〇一四年度に五句掲載
『俳句四季』十一月号
平沢陽子句集『花いばら』より一句鑑賞

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ににん 52号 2013年10月1日 発行
巻頭エッセイ下連雀からの眺め2清水哲男
座談会石鼎を巡る鼎談4 
越谷の虫送り青竹24あべあつこ
稲の虫25石井圭子
豊作26伊丹竹野子
白鷺27岩淵喜代子
家族28佐々木靖子
あの世この世29及川希子
夏の雨30岡本恵子
夏の闇31兄部千達
あとさき32川村研治
藁束33高橋寛治
宵闇34武井伸子
夜の秋35浜岡紀子
乳母車36中島外男
夏蛙37服部さやか
人影38牧野洋子
火屑39宮本郁江
俳句ににん集40山内美代子 他
 さざん集52山内かぐや 他
句句燦燦ににんの反芻64川村研治
 十七音の背景66浜田はるみ
連載評論『わたしの茂吉ノート』68田中庸介
連載評論『上島鬼貫』72伊丹竹野子
連載評論『定形詩の不思議』76高橋寛治
エッセイ俳句の風景78岩淵喜代子
詩と俳句の交差点51 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記80*
 
附録『雁の玉章』   
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 五十二号●

▼ご自分の俳句、文章の校正もれまたは誤植がありましたらお知らせください。次号で訂正文を載せます。

▼試みに詩と俳句を並べてみました。今回は金子兜太と正津勉のコラボレーション。こうした試みで、詩を傍らに置くことで俳句の鑑賞が奥深くなり、俳句を据えることで新たな詩の鑑賞もできるかもしれません。この機会に、自分の愛着の一句に匹敵する詩を探してみましょう。詩に親しむ機会でもあります。出来ましたら編集部へ送ってください。そのときには俳句の収録されている句集名、そして抜粋されている詩集名と抜粋した部分のページのコピーを添付してください。

▼震災記録(第十回)
福島発電所の原発汚染水タンクからの漏出が止まらない。全国漁業協同組合連合会(全漁連)と福島、宮城、茨城各県の漁連・漁協は25日、東電本店を訪れ、広瀬直己社長に「全国の漁業者・国民に対する裏切り行為だ」と抗議したようだが、この事故は極めて初歩的な事故だ。

▼五月三十一日から六月二日にかけて出雲へ行ってきました。以前からブログ「原石鼎」に石鼎の俳句鑑賞をしている人たちで、石鼎の故郷出雲を訪ねようという企画は出来ていたのですが、なかなか実行できませんでした。今年は六十年に一度という出雲大社遷宮の年ということに弾みがついて、やっと実行することが出来ました。そのとき思いついたのが松江の寺本喜徳氏にお目に掛かることでした。以前に石鼎の座談に出ていただいた土岐光一氏と旅の第一日目の午前中を、寺本氏の用意してくださった石鼎に関係する資料の数々について、お話を聴くという感じで、貴重な内容になりました。

▼創刊号から続いていたこの「俳句の風景」の企画は今回を以って最終回とします。
この「俳句の風景」に代わるものが巻末の「雁の玉章」となります。この形式にすることによって、どなたでも、いつでも参加することが出来るようになりました。毎回でなくても、ふと思い立って書き上げた文章をこの場に残してはいかがでしょうか。文字数は本文が二十二文字×四十一行です。場があることが書き続ける力になると信じています。

▼「詩歌句フェスタ東京2013」で、栗原良子さんの随筆が表彰されました。会のあとは隅田川花火大会の日でしたが、豪雨に見舞われて花火は三十分ほどで中止になってしまいました。

▼火・灯の祭の特別作品は今回は北越谷の「虫送り」を集めました。五三号は野焼きまたは山焼きがテーマの作品集になりますので、十二句に纏まりましたら送ってください。

●お知らせ●

▼五三号締め切り十一月二〇日(発行日一月一日)
ににん集の兼題「広場」になります。

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日 十時半開始
 会場・高田馬場駅下車・戸塚地域センター内

▼「ににん」次回 五三号
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)  秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。

▼同人費一万三千円/(二〇一四年度五三号から五六号まで)です。

●記事掲載●

▼ににん関係

▼岩淵喜代子
『俳句』十月号ローカル線でゆくー名句と出会う旅(原石鼎)
「講演−−二冊の鹿火屋」九月二八日・神奈川県現代俳句協会吟行会に於いて。
『俳句四季』十月号「名句集を語る」座談会
『俳句四季』十一号「名句集を語る」座談会

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ににん 51号 2013年7月1日 発行
巻頭エッセイ下連雀からの眺め1清水哲男
灯と火の祭祀「どんど祭」6及川希子
「鳥羽の火祭」7伊丹竹野子
「蛍火」8尾崎じゅん木
「焚火ショー」9栗原良子
「長野松明あかし」10西方来人
「空襲」11宮本郁江
俳句ににん集12山内かぐや 他
 さざん集23宮本郁江 他
句句燦燦十七音の宇宙36浜田はるみ
連載評論『定形詩の不思議』38高橋寛治
連載評論『わたしの茂吉ノート』40田中庸介
連載評論『この世にいなかった俳人』44岩淵喜代子
連載評論『上島鬼貫』50伊丹竹野子
俳句鑑賞35岩淵喜代子
俳句の風景54新木孝介
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
新刊紹介表3 
編集後記56*
 
附録『雁の玉章』木の葉聖書から2木津直人
修学院4武井伸子
手児奈伝説6浜岡紀子
夏来る8新木孝介
チューリップ10岩淵喜代子
野へ12正津勉
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 五十一号●

▼ご自分の俳句、文章の校正もれまたは誤植がありましたらお知らせください。次号で訂正文を載せます。

▼震災記録(第九回)
震災から二年が過ぎた。復興と呼べるような変化はない。むしろ個々の大きな被害状況が輪郭を現わしてきた。
*宮城県石巻の大川小学校は、校庭で保護者の迎えを待っていた一〇八人中、八四人と教職員一〇人が津波に呑まれた。現在も遺体は見つかっていない人がいる。
*福島第一原発の廃炉に向けた復旧作業だが、汚染水を保管するタンクの貯蔵スペースが限界に近づいていて、収束するのは四十年後という数字が出ている。そのニュースからすぐ、今度はその汚染水の貯水槽から水漏れが起こった。*また、各地の放射能汚染の処理は、除去した土砂などを保管する場所が見つからないで野積みになっている。こうした状況にありながら、前野田首相は在籍当時、福島原発事故は収束したという発言を残した。そうして、現安部総理大臣は安全を確認して稼働を行うと言う発言をしている。
*震災の津波発生は海外にも及び、ことにカリフォルニア州では船舶の転覆などで、被害額は合計五千万ドル(四十一億円)を超える見込みだという。

▼新連載『定形の不思議』は(三)になっているのは間違いではありません。「雁の玉章」に書いた「カーヴァー、アルトマン、俳諧」「ドナルド・ダック、サンバ、俳句」に続く連載となります。

▼火・灯の祭の特別作品は今回は各地の火、灯の季語で詠まれた連作を掲載しました。
詳細はまた二〇頁にあります。

●お知らせ●

▼五二号締め切り八月二〇日・発行日十月一日

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回 五二号
 秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十九号から五十二号まで)です。

●記事掲載●

▼ににん関係

▼伊丹竹野子
『俳句四季』六月号 句のある風景
  (滋賀県琵琶湖・浮御堂五句)
『与謝蕪村 この一句』青弓社
蕪村の句に鑑賞文
『女性俳人 この一句』青弓社 鑑賞文掲載
ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜   桂信子
逢ひたくて蛍袋に灯をともす    岩淵喜代子

▼岩淵喜代子
『月刊社会教育(国土社)』俳句の風景
講演七月二七日「石鼎俳句の宇宙感覚」
 「詩歌句フェスタ東京2013−詩歌句協会」
講演九月「石鼎の出雲」
 「現代俳句神奈川支部大会」
『俳句』八月号 八〇〇号記念作品八句
『俳句四季』八月号  巻頭三句

▼田中庸介
『文學界』四月号・開高健について、
『びーぐる』十九号・まど・みちおについて、
『現代詩手帖』六月号・四元康祐について、
詩の朗読会
 五月二九日 於・ギャルリー東京ユマニテ
 六月二日  於・本屋B&B

▼浜田はるみ
『女性俳人 この一句』青弓社 鑑賞文掲載
谺して山ほととぎすほしいまゝ   杉田久女

*岡本敬三さんのご冥福をお祈りいたします。

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ににん 50号 2013年4月1日 発行
灯の街香港「贋時計」2新木孝介
「上海蟹」3中崎啓祐
「海図」4岡本恵子
「霜月」5兄部千達
「霧の街」6小塩正子
「旅の地図」7服部さやか
「初時雨」8岩淵喜代子
吟行燦燦第23回 夜景9新木孝介
俳句ににん集10宮本郁江 他
 さざん集21牧野洋子 他
吟行燦燦第25回 七草火焚き神事33浜岡紀子
連載評論『わたしの茂吉ノート』34田中庸介
連載評論『この世にいなかった俳人』38岩淵喜代子
連載評論『上島鬼貫』42伊丹竹野子
俳句の風景46木津直人
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記48*
 
附録『雁の玉章』ドナルド・ダック、サンバ、俳句2高橋寛治
二本の商店街4武井伸子
伏姫籠穴6浜岡紀子
礼是のこと8新木孝介
焚火10栗原良子
八重桜12岩淵喜代子
野へ16正津勉
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 五〇号●

▼ご自分の俳句、文章の校正もれまたは誤植がありましたらお知らせください。次号で訂正文を載せます。

▼正津勉氏の連載「縁辺の人」は今回は休載いたします。その代わりに「雁の玉章」に詩を寄稿しています。

▼震災記録(第八回)
二〇一一年(平成二十三年)三月十一日十四時四十六分十八秒(日本時間)は俳句の世界も揺さぶりを掛けられた。
*二〇一一年・長谷川櫂『震災歌集』(中央公論新社)
*二〇一二年・三月号「俳句」で「特別対談 
自然とどう向き合うか 小澤實×高野ムツオ」
*二〇一二年度の「俳句」の五十句角川賞は永瀬十悟氏の「ふくしま」。題名からも分かるように震災を詠んだ作品群。永瀬氏はこの受賞作品を含めた句集『朧橋』を二〇一三年に出版。
 雁風呂と名付けて六日振りの風呂
 流されてもうないはずの橋朧
 揚雲雀疲れたときは風に乗れ
 誰も居ぬ花の校庭放射線
 牡丹園瓦礫置場になつてをり
 月の道ひとりのときは跳ねもして
*二〇一二年・毎年行われている佐藤鬼房顕彰全国俳句大会も此の年は震災を詠んだ句を募集。
*二〇一二年・照井翆第五句集『龍宮』角川書店
 ポンポンと死を数へゆく古時計
 春中の冷蔵庫より黒き汁
 卒業す泉下にはいと返事して
 いま母は龍宮城の白芙蓉
 穴と言ふ穴に人間柘榴の実
 朝の虹さうやつてまたゐなくなる
*二〇一三年一月二十二日 —俳誌『炎環』創刊二十五周年記念において座談会「短歌・俳句:大震災をどう詠むか」が行われた。

▼火・灯の祭の特別作品、五十号では「香港」の旅を掲載しました。一瞬、灯にも火にも無縁なように思われますが、「灯の街」というアプローチで香港を詠むことにしました。今後の吟行方法を少し広げられるヒントを得たような気がします。次号では、四十九号五十号のような群作ではなく、ひとりひとりが違う行事を取材してきた特集になります。まだ、作品を出していない人は次号までに是非作品をお寄せ下さい。
 なお「北川崎虫追い行事」が埼玉県で七月に行われています。その吟行会を行います。詳細はまた間近くなりましたらお知らせいたします。この虫追いの様子は、既に「ににん」のブログ「吟行燦燦」に掲載してありますので、御覧になってください。

二火や灯の行事が扱われている小説がありましたらお知らせください。順次追加していきます。

●お知らせ●

▼五一号締め切り五月二〇日・発行日七月一日

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回 五一号
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十九号から五十二号まで)です。

●記事掲載●

▼ににん関係
『俳句年鑑』二〇一三年作品五句
『詩歌句』二〇一三年年鑑
『俳壇』二〇一三年度俳壇年鑑
『マルホ俳壇抄・四十号』

▼岩淵喜代子
「ウエブ誌ZouX」・三月三日号 作品八句
『俳句』三月号《春の名句百選》と文章
『俳句界』三月号平成の代表作十句
『現代俳句』鳴戸奈菜一句鑑賞
『俳句』四月号 榎本亨句集『おはやう』評
『俳句四季』四月号 前田吐実男句集一句鑑賞

▼正津勉
『NHK短歌』出演 二〇一三年一月八日

▼服部さやか
『俳句界』グラビア三〇代作家特集

▲ページの冒頭へ

ににん 49号 2013年1月1日 発行
松明あかし「冬桜」2岩淵喜代子
「炎の聳ゆ」3河邉行幸子
「炎ひらりと」4武井伸子
「火と雨と」5浜田はるみ
「火柱」6牧野洋子
吟行燦燦第23回 須賀川 松明あかし7武井伸子
俳句ににん集8牧野洋子 他
 さざん集19浜田はるみ 他
連載評論『上島鬼貫』32伊丹竹野子
連載評論『わたしの茂吉ノート』36田中庸介
連載評論『縁辺の人 更科源蔵』40正津勉
連載評論『この世にいなかった俳人』44岩淵喜代子
俳句の風景50栗原良子
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記52*
附録『雁の玉章』1*
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 四十九号●

「原発反対」各種団体活動(岩淵喜代子責任記録)
日本ペンクラブの原発反対運動活動の一部
*二〇一一年十一月十六日=「脱原発を考えるペンクラブの集い」を開催。
*二〇一二年三月=平凡社より「いまこそ私は原発に反対します」が刊行される。
*二〇一二年三月九日=日本ペンクラブ福島視察団報告・一年後の「福島」を訪ねて。
*二〇一二年八月三十日=脱原発を考えるペンクラブの集いパート二〉『福島・チェルノブイリ・そして未来』
 以下ペンクラブホームページより転載《東電福島第一原発事故から約一年、浅田次郎会長以下、脱原発を考える日本ペンクラブのチームが、福島市といわき市を訪ね、放射能汚染の実情を視察するとともに、汚染と取り組む人たちと意見交換をした。東電や原子力委員会はもとより、政府や地方行政の対応に対する不信と不満の中で、いま何をすべきかを模索し続ける人たちの生の声を、私たちは重く受け止めた。
 昨年暮れに政府は、原発事故機の核燃料棒が冷却安定状態に入ったとして、事故の収束を宣言した。だがじつは、何ひとつ解決していないことを誰もが知っている。出口の見えない事故処理は、いま始まったばかりであり、今後何十年かかるか判らない。放出された厖大な放射能による汚染地域を、福島第一原発から同心円で二十キロとか三十キロ圏という範囲ではくくれない。風の*/流れや降雨によって、広範囲にわたる複雑な汚染地区をつくり出しているからだ。そうした地域に住むことを余儀なくされている人たちの、悲痛な叫びを私たちは聞いた。
*二〇一二年十一月十一日雨の中の「脱原発」国会周辺抗議行動。警察当局の調べで約七千人。抗議行動は首相官邸など九ヶ所で一斉に行われた。これまでも、毎週金曜日は官邸周辺の抗議行動は続けられ、今後も継続の予定。

二火や灯の行事が扱われている小説がありましたらお知らせください。順次追加していきます。
虫送り=『屍鬼』小野不由美
    『八日目の蝉』角田光代

▼火・燈の季語
 冬=「熊祭」「年の火」「世継榾」「寒灸」「関西震災忌」「冬の燈」「暖房」「ストーブ」「ペーチカ」「温突」「炭」「炭俵」「炭団」「練炭」「炉」「火鉢」「行火」「足温め」「火吹き竹」「炬燵」「懐炉」「湯タンポ」「炉開き」「焚火」「牡丹焚火」「火の番」「火事」「火事見舞い」「炭窯」「炭焼」「御火焚」「鞴祭」「秩父夜祭」「冬花火」「王子の火祭」「黒川能」「十夜」「鳴滝の大根炊き」「クリスマス」
 無季=「太陽」「金環食」「原子炉」

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回 五十号
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り (発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十九号から五十二号まで)です。

●記事掲載●

『角川俳句年鑑』二〇一三年度版  年間動向
『詩歌句俳句年鑑』二〇一三年度版 年間動向

▼岩淵喜代子
『俳句四季』十一月号「心のふるさと・埼玉」二句
『俳句』十一月号《名句に学ぶ!「切れ」入門》
『俳句』一月号《忘れられない挨拶句》
『俳句四季』二月号 句集寸評
『俳句年鑑』二〇一三年作品五句
『現代俳句年鑑』作品五句
『俳句界』三月号(年鑑)代表作十句

▼宇陀草子
『俳句界』十二月号俳句界への招待五句

▼浜岡紀子
『俳句四季』二月号「心のふるさと・千葉」二句

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ににん 48号 2012年10月1日 発行
巻頭言『下連雀からの眺め』102清水哲男
特集句集『白雁』書評4安西 篤
『白雁』一句鑑賞8伊丹竹野子 他
物語を詠む『居酒屋兆治』10伊丹竹野子
物語を詠む『野火』12佐々木靖子
物語を詠む『焚火』14高田まさ江
物語を詠む『焚火』16牧野洋子
俳句ににん集18浜田はるみ 他
 さざん集30浜岡紀子 他
ミニエッセイ火と灯の祀り42岩淵喜代子
木佐梨乃
佐々木靖子
高田まさ江
牧野洋子
山田紗也
吟行燦燦第21回 上毛高原 浜岡紀子
 第22回 北川崎虫追い 高橋寛治
連載評論『縁辺の人  角田清文』48正津勉
連載評論『上島鬼貫 「独ごと」から』52伊丹竹野子
連載評論『わたしの茂吉ノート』56田中庸介
連載評論『この世にいなかった俳人』62岩淵喜代子
俳句の風景66浜岡紀子
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記56*
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 四十八号●

二〇一二年七月六日の新聞に原発事故は人災だとする報告が国会事故調報告書に発表され、東電・保安院怠慢という見出しも付されていた。しかし、この報告書の直前に大飯原発三号機は再稼働を始めた。一機が稼働すればなし崩しに原発は稼働を始めるだろう。国会事故調報告書は、その稼働を納得させるための見解書にも思える。人災だったという見解はでても、原子炉の廃棄物問題さえ改善はしていないのである。
 日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は六月十八日、大飯原子力発電所の再稼働決定に反対する声明を出した。野田佳彦首相の再稼働の決断を、「根拠のない『原発安全神話』を蒸し返すことでしかない」と批判。いまやるべきは脱原発の「工程表を具体的に明ら>?かにする」ことだとし、再稼働の判断の撤回を求めている。朝日世論調査では大飯原発再稼働、五四%が「反対」という数字が出ている。
 各地で原発反対デモが行われている。中で、七月十六日、代々木公園では原発反対・脱原発の十万人集会デモが行われた。

この四八号を最後に「物語を詠む」の企画は終りにします。これに替わる企画としまして、各地の、あるいは日常に行われる火・灯の行事の連作を、一年に一作提出してください。なお、それ以上に作品をお寄せくださる方は、頁負担の会費が必要です。
 また、火や灯の行事が扱われている小説がありましたらお知らせください。順次追加していきます。
 虫送り=『屍鬼』小野不由美
     『八日目の蝉』角田光代

▼「火・灯」の季語
 秋=「月」「秋の雷」「稲妻」「秋の虹」「秋夕焼」「夕焼」「虹」「不知火」「秋の御灯」「佞武多」「竿灯」「後の二日灸」「原爆忌」「秋灯」「燈火親しむ」「灯籠」「火恋し」「秋の炉」「風炉名残」「鹿火屋」「秋の虫送り」「蘆火」「風の盆」「盆踊」「花火」「迎え火」「送り火」「門火焚く」「地蔵会」「灯籠流し」「吉田火祭」「鞍馬の火祭」「精霊火」「終戦日」「走馬灯」「岐阜提灯」「蒼朮を焚く」「大文字」「奉灯会」「誘蛾灯」「虫篝」「夜焚」「夜振火」「西瓜提灯」「那智火祭」「弥彦灯籠祭」
 冬=「熊祭」「年の火」「世継榾」「寒灸」「関西震災忌」「冬の燈」「暖房」「ストーブ」「ペーチカ」「温突」「炭」「炭俵」「炭団」「練炭」「炉」「火鉢」「行火」「足温め」「火吹き竹」「炬燵」「懐炉」「湯タンポ」「炉開き」「焚火」「牡丹焚火」「火の番」「火事」「火事見舞い」「炭窯」「炭焼」 行事・「御火焚」「鞴祭」「秩父夜祭」「冬花火」「王子の火祭」「黒川能」「十夜」「鳴滝の大根炊き」「クリスマス」
 無季=「太陽」「金環食」「原子炉」

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回 四十九号
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十五号から四十八号まで)です。
 なお、次号四九号は新年度の会費になります。会費の振り込みは次回の投稿と同じ時期にお願いたします。

●記事掲載●

▼岩淵喜代子
『俳句』九月号 句集『白雁』特集
『俳句四季』九月号 巻頭作品三句
『俳句』十一月号《名句に学ぶ!「切れ」入門》
『現代俳句協会通信部』第六回の最終回
『現代俳句協会通信部』八月三〇日
    句会と吟行

▼川村研治
『現代俳句』九月号句集『白雁』評

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ににん 47号 2012年7月1日 発行
巻頭言父のこと すこし2清水哲男
物語を詠む『風の盆恋歌』6宮本郁江
物語を詠む『金閣寺』8石井圭子
物語を詠む『花宵道中』10伊丹竹野子
俳句ににん集12浜岡紀子 他
 さざん集23服部さやか 他
ミニエッセイ火・灯の祀り35宮本郁江
浜岡紀子
小塩正子
兄部千達
武井伸子
中島外男
及川希子
栗原良子
服部さやか
連載評論『上島鬼貫 「独ごと」から』38伊丹竹野子
連載評論『わたしの茂吉ノート』42田中庸介
連載評論『縁辺の人 衣更着信』46正津勉
連載評論『この世にいなかった俳人』50岩淵喜代子
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
俳句の風景54浜岡紀子
復興の記録表3四宮暁子
編集後記56*
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 四十七号●

二〇一二年五月現在の稼働している原子炉は一基もない。たぶん、電力会社はすぐにでも稼働したいのだと思うが、今は政府の見解、世間の声の行方を窺っているというのが本音だろう。

「ににん」会員だった長嶺千晶さんが『晶』という雑誌を創刊することになった。心からお祝い申し上げたい。私は昨年五月下旬に長嶺さんに雑誌を持つように進言していた。何故と問われると明確な言葉にならないが、そうした方がいい俳人もいるのである。あれから一年経った。ご活躍をお祈りしている。

煥乎「ににん」では内側では前橋の同人グループが「煥乎」という雑誌を発行して一二号まで号を重ねている。「書く場があるということも自分の力になる」ということを真っ先に実行しているグループである。

▼「火・灯」の季語(順次追加してます)
「塞灯焼」「初灯」「初灸」「初火事」「窯始め」「鞴始」「鍛冶始」「太宰府天満宮の鬼すべ」「鬼会」「山焼」「野焼」「畑焼く」「畦焼く」「芝焼く」「二日灸」「雁風呂」「春燈」「春の炉」「春暖炉」「暖炉納む」「春炬燵」「炬燵塞ぐ」「炉塞」「薪能」「御灯祭」「鳥羽火祭」「修二会」「螢」「盆踊」「花火」「迎え火」「地蔵会」「灯籠」「炎帝」「炎暑」「終戦日」「キャンプファイヤー」「走馬灯」「岐阜提灯」「蒼朮を焚く」「虫送り」「誘蛾灯」「虫篝」「夜焚」「夜振火」「西瓜提灯」「ナイター」「螢狩」「那智火祭」「弥彦灯籠祭」
無季「太陽」「金環食」「原子炉」

▼「物語を詠む」リスト
『闇の絵巻・梶井基次郎』『この子を残し・永井隆』『寒灯・西村賢太』『ロンリーウーマン・高橋たか子』『風の盆恋歌・高橋 治』『カチカチ山・日本昔話』『明日・井上光晴』『父と暮らせば・井上ひさし』『黒い雨・井伏鱒二』『火の魚・室生犀星』『金閣寺・三島由紀夫』『大都会の夜(パリ、ロンドン、ベルリンー夜の文化史)・ヨアヒム・シュレーア』『花宵道中・宮木あや子』

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内)・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り (発行七月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十五号から四十八号まで)です。

●記事掲載●

▼ににん
『俳句四季』五月号
「わたしの吟行地」欄に川越吟行の一句掲載
『俳句あるふあ』特別号 花の吟行地

▼岩淵喜代子
『俳句』四月号執筆・句会の楽しみ
《超結社蕪村忌大会in京都》記事
『俳句』六月号自句自解
『俳句』七月号特集「平成の名句」を選ぶ
『俳句』八月号特集「歳時記活用」
『俳句』九月号「句集『白雁』特集
『俳壇』六月号俳句十句
『現代俳句』八月号「現代俳句12の秀句を探る」
「現代俳句協会通信部」今年度・選者
『八千草』十五周年記念号へ寄稿
『晶』創刊へ一句

▼川村研治
『現代俳句』九月号 句集『白雁』鑑賞

▼正津勉
『俳壇』四月号・俳壇ワイド作品集

▼武井伸子
『俳句四季』
五月号「わたしの吟行地」エッセイ

▼浜田はるみ
『私の好きなこの一句』平凡社編に鑑賞文

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ににん 46号 2012年4月1日 発行
物語を詠む『風の盆恋歌』2伊丹竹野子
物語を詠む『火車』2石井圭子
俳句ににん集6服部さやか 他
 さざん集18西田もとつぐ 他
ミニエッセイ火・灯の祀り30中村善枝
島崎正彦
四宮暁子
辻村麻乃
山城秀之
牧野洋子
連載評論『歩く人・碧梧桐』最終章32正津勉
連載評論『わたしの茂吉ノート』36田中庸介
連載評論『この世にいなかった石鼎』42岩淵喜代子
吟行燦燦遊行寺歳末行事「一つ火」48浜田はるみ
エッセイ俳句の風景4栗林浩
火・燈の季語集43 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記52*
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 四十六号●


(象潟や雨に西施がねぶの花)と詠む芭蕉が訪れた象潟は海だった。しかし、文化元年(一八〇四)の地震によって土地が隆起してしまい、現在は陸の松島と呼ばれている。今から二百年ほど昔のことだとするとそんなに遠い話ではない。当時の惨事がどんなものだったか聞いたことがない。そんな風に昨年の東日本大震災の話も何時か風化してしまうのだろうか。

清水さんの巻頭エッセイはこの号は休載。

四十六号には附録が挟んである。名付けて「雁の玉章」とした。現在の雑誌の方針は変えたくないのだが、「ににん」には散文の名手もたくさんいる。「雁の玉章」は言わば「ににん」のクラブ活動のようなものである。希望者はどなたでも参加できるので、お問い合わせください。(喜代子)

▼「火・灯」の季語集
「塞灯焼」「初灯」「初灸」「初火事」「窯始め」「鞴始」「鍛冶始」「太宰府天満宮の鬼すべ」「鬼会」「山焼」「野焼」「畑焼く」「畦焼く」「芝焼く」「畦火」「二日灸」「雁風呂」「春燈」「春の炉」「春暖炉」「暖炉納む」「春炬燵」「炬燵塞ぐ」「炉塞」「薪能」「御灯祭」「鳥羽火祭」「修二会」「浦佐の堂押」「万燈祭」「磯竃」「磯焚火」「初稲光」「嵯峨の柱炬」「炎ゆ」「雷」「炎天」「鎮火祭」「蚊遣」「虫篝」「誘蛾灯」「虫送り」「鵜飼」「川狩」「夜焚き」「烏賊釣り」「花火」「踊り」「野外演奏」「ナイター」「三井寺の札焼き」「夜光茸」「館林手筒花火大会」「夜店」「佞武多」「竿灯」「「百八燈」「七夕絵灯篭祭」「万灯供養」「百八燈(3詭投げ松明)」「迎え火 精霊火 送り火流灯」「地蔵会」「千灯供養」「大文字」「金魚提灯」「手筒まつり」「キャンプファイヤー」「夜振り」「夜焚き」「白浜海女まつり」「吉田の火まつり」「ナイター」「あばれ祭り」「蚊遣り」「虫篝」 「誘蛾灯」「蒼朮を焼く」「走馬灯」「岐阜提灯」

▼「物語を詠む」の作品現在リスト
『闇の絵巻・梶井基次郎』『この子を残し・永井隆』『寒灯・西村賢太』『ロンリーウーマン・高橋たか子』『風の盆恋歌・高橋 治』『カチカチ山・日本昔話』『明日・井上光晴』『父と暮らせば・井上ひさし』『黒い雨・井伏鱒二』『火の魚・室生犀星』『金閣寺・三島由紀夫』『大都会の夜(パリ、ロンドン、ベルリンー夜の文化史)・ヨアヒム・シュレーア』『戦火の馬・マイケル・モーパーゴ』『ガラスのうさぎ・高木敏子』『鬼火の唄・吉屋信子』『鬼火・横山光輝』『鬼火・横溝正史』『蒼い鬼火・団鬼六』『焚火の終わり・宮本輝』『稲むらの火・小泉八雲』『歌行燈・泉鏡花』『たき火・国木田独歩』『焚火・志賀直哉』

「火・灯がテーマの行事」の連作(十句)並びに「物語を詠む(二四句)」は随時受け付けております。

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内・吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回
 夏号・五月二十日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一二年度四十五号から四十八号まで)です。

●記事掲載●

▼岩淵喜代子
《超結社蕪村忌大会in京都》参加十二月二三日
『会津』二月号作品五句
『俳壇年鑑二〇一二年版』
「全国実力作家三〇〇人の秀句」
『俳句界』三月号 「現代俳句協会特集」
『俳句』四月号 選句の楽しみ
『俳句四季』三月号
   「今、もっとも思い出す俳人特集 原裕」
『雷魚』八九号 一〇句選

▼武井伸子
『俳句四季』五月号「わたしの吟行地」

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ににん 45号 2012年1月1日 発行
巻頭言過ぎにし我が家2清水哲男
句集特集長嶺千晶『白い崖』句集評4栗林浩
長嶺千晶『白い崖』句集評8坂本登
物語を詠む『ロンリー・ウーマン』10伊丹竹野子
俳句ににん集14西田もとつぐ 他
 さざん集24中村善枝 他
ミニエッセイ火・灯の祀り35岩淵喜代子 他
連載評論『わたしの茂吉ノート』36田中庸介
連載評論『歩く人・碧梧桐』41正津勉
連載評論第一句集『長子』から学ぶもの46長嶺千晶
ブログの転載原石鼎俳句鑑賞集50 
雁草57 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
俳句の風景58浜岡紀子
復興の記録表3四宮暁子
編集後記60*
表紙絵*尾崎じゅん木

●編集後記 四十五号●

▼災害記録
九月二十二日現在、死者一五八二二人・行方不明 三九二六人・避難者 七三二四九人。福島の原発処理には三十年が必要だと発表された。この期に及んでも原子炉廃棄の方針を政府は出していない。十月三十一日に世界人口は七十億人となった。
国内にある全五十四基の原発のうち、現在稼働しているのは十一基にとどまり、再稼働がなければ来春にはゼロとなる。それだと来夏には全国平均で九%、原発利用度の高い関西電力では二十%近い電力不足に陥ると試算されるというが、それに代わる対策をしてでも、やはり原発は中止の方向に行って欲しい。
昨年は異常な年だった。ににんにとっても異常な年だったようだ。一月からご親族を亡くしたという報告がつぎつぎと十月まで続いた。そのうえに上田禎子さんが突然亡くなった。そんなことも起るのだ、としみじみ生きてゆくことの危うさを感じた一年だった。災害も世界各国で続いた。一番新しいのはタイの洪水である。日本から進出した企業も操業不能の状態が続いている。(喜代子)

▼「ににん」次号の「火・灯」の季語
「塞灯焼」「初灯」「初灸」「初火事」「窯始め」「鞴始」「鍛冶始」「太宰府天満宮の鬼すべ」「鬼会」「山焼」「野焼」「畑焼く」「畦焼く」「芝焼く」「二日灸」「雁風呂」「春燈」「春の炉」「春暖炉」「暖炉納む」「春炬燵」「炬燵塞ぐ」「炉塞」「薪能」「御灯祭」「鳥羽火祭」「修二会」

3詭

▼特別作品掲載について
「火・灯の行事」の連作は十句(一ページ)
「物語を詠む」も火・灯を扱ったものに限りますが、リストに挙がって無いものをこころみるときには、問い合わせをしてください。リストも追々発表します。
小説で現在リストに挙がっているもの。
『闇の絵巻・梶井基次郎』『この子を残し・永井隆』『寒灯・西村賢太』『ロンリーウーマン・高橋たか子』『風の盆恋歌・高橋 治』『カチカチ山・日本昔話』『明日・井上光晴』『父と暮らせば・井上ひさし』『黒い雨・井伏鱒二』『火の魚・室生犀星』『金閣寺・三島由紀夫』『大都会の夜(パリ、ロンドン、ベルリンー夜の文化史)・ヨアヒム・シュレーア』

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内)
 吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼今年度の俳句テーマ
 灯・火の季語を主題にしたもの。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一一年度四十五号から四十八号まで)です。

●ににん関係の掲載●

▼岩淵喜代子
『俳句』十二月号 中西夕紀句集一句鑑賞
『俳句四季』十二月号季節の花エッセイ
『俳句四季』関森勝夫句集「一句鑑賞」
『俳句ウエップ』六十四号特集
「句作の上で念頭におくこと」
『俳句』一月号 原雅子句集一句鑑賞
『俳句』年鑑 二〇一一年の五句
『詩歌句』年鑑二〇一一年の五句
『俳句四季』三月号・もっとも思い出す俳人
          「原裕について」
「現代俳句協会通信部」今年度・選者

▼辻村麻乃
『俳壇』十月号 キネマ館

▼長嶺千晶
『俳句』年鑑 二〇一一年の五句
『俳句』一・二月号「新刊サロン—長嶺千晶の評する角川書店の新刊」執筆
『俳壇』十二月号「俳壇ワイド」作品七句
『現代俳句』作品十句
『星雲』十七号「星座探訪」執筆および「季節の作品」十二句

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ににん 44号 2011年10月1日 発行
巻頭言写真の日2清水哲男
句集特集伊丹竹野子『愛の花言葉366日』4川村研治
句集所感集8川村研治
物語を詠む『吉原十二月』10伊丹竹野子
 『向う側』12武井伸子
俳句ににん集14中村善枝 他
 さざん集24長嶺千晶 他
上田禎子特集ある筈のなき道36岩淵喜代子 他
連載評論『この世にいなかった俳人』40岩淵喜代子
連載評論『わたしの茂吉ノート』44田中庸介
連載評論『歩く人・碧梧桐』49正津勉
長嶺千晶句集受賞風景35 
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
俳句の風景54武井伸子
復興の記録表3四宮暁子
編集後記56*
表紙絵*若山卓

●編集後記 四十四号●

▼災害記録
八月十一日(震災五ヶ月目)現在、八万人超が全国に避難、内四八、九〇三人が福島県外避難・死者一五、六八九人・不明者四、七四四人。欧州宇宙観測機関の人工衛星がとらえた南極では、東日本大地震で発生した津波により、氷山の一部(長さ九、五キロ、幅六、五キロ、厚さ八〇メートル)が流出。
震災当初から総理交替の声が激しく、ついに八月二九日に再選で野田佳彦が首相となる。

▼冬号四五号からの兼題について
十五周年までのににん集は「火と灯の季語」を集める企画に変更します。火または灯をテーマにしたものはどのくらいあるのか、この企画の中で集めて見たいとおもいます。火・灯はかなり許容範囲を広げておきます。
追々、その季語を掲載してゆきますが、各人が季節ごとの火・灯がテーマになっている季語を探したり、その行事を追う旅を試みてはいかがでしょうか。参考までに少し挙げておきます。地域ごとにもいろいろある筈です。あまり知られていない行事は内容も書いてください。
四五号は秋または冬、新年の季語でお願いいたします。
秋灯・稲妻・不知火・盆踊り・ねぶた・竿灯・門火・迎え火・送り火・・精霊火・後の二日灸・原爆忌・夜学・燈火親しむ・灯篭・火恋し・秋の炉・風炉の名残・鹿火屋・秋の虫送り・蘆火・花火・鞍馬の火祭・大文字・焚火・どんど焼き・
(稲妻や原爆はどうかと思う方もいるかもしれませ3詭んが、単調にならないように拡大解釈でいきます。夏なら夜光虫、光苔・蛍なども入れることにします。総体的には「光」と捉えていてもいいのかもしれません。たくさんの光を探してください)

▼特別作品掲載について
「火・灯の行事」の連作は十句(一ページ)
「物語を詠む」も火・灯を扱ったものに限りますが、リストに挙がって無いものをこころみるときには、問い合わせをしてください。リストも追々発表します。(例 「風の盆恋歌・高橋治」・「ロンリーウーマン・高橋たか子」。「明日・井上光晴」「父と暮らせば・井上ひさし」)「黒い雨・井伏鱒二」(喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚地域センター内)
 吟行・第三土曜日

▼「ににん」次回
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)
 夏号・五月二十日締切り  (発行七月一日)
 秋号・八月二十日締切り (発行十月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼今年度の俳句テーマ
 灯・火の季語を主題にしたもの。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一一年度四十一号から四十四号まで)です。

●ににん関係の掲載●

▼岩淵喜代子
『現代俳句』八月号俳句十句
『俳句』九月号俳句作品二十一句
『俳壇』十月号にほん俳句風土記「尾道」
『俳句界』十月号私が憧れた一句&開眼一句
『俳句&あるふぁ』十二月増刊号・作者が語る私の一句・花果てのうらがへりたる赤ん坊
『俳句年鑑』諸家自選五句
『ポエトリ・フェスティバル(テーマ・神々の彼方へ)』朗読九月十日

▼長嶺千晶
『俳句研究』秋号 夏の自選五句
「紫」一・二・三・四・五・六月号
「ずうむゐん紫」作品鑑賞執筆
『現代俳句協会』「多摩のあけぼの」一句鑑賞
『俳壇』九月号俳句作品六句
『俳句年鑑』諸家自選五句

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ににん 43号 2011年7月1日 発行
巻頭言震災詩歌2清水哲男
物語を詠む『太陽の季節』4伊丹竹野子
俳句ににん集6長嶺千晶 他
 さざん集19中島外男 他
ミニエッセイ月下独酌31中島外男・長嶺千晶・服部さやか・浜田はるみ・牧野洋子・宮本郁子・浜岡紀子・須賀薊・山田紗也・木佐梨乃・岩淵喜代子
 吟行燦燦35武井伸子
連載評論『預言者草田男』36長嶺千晶
連載評論『この世にいなかった俳人』44岩淵喜代子
連載評論『わたしの茂吉ノート』48田中庸介
連載評論『歩く人・碧梧桐』53正津勉
俳句の風景58武井伸子
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
復興の記録表3四宮暁子
編集後記**
表紙絵*若山卓

●編集後記 四十三号●

▼二〇一一年(平成二三年)三月十一日十四時四十六分十八秒、日本の太平洋三陸沖を震源とする地震は、マグニチュード九で国内観測史上最大の地震。宮城県では震度七。津波の最大被害を受けた岩手・宮古市の田老地区での高さは三七.九メートルに達していたことが、東京大学の現地調査でわかった。この津波により福島第一原子力発電所事故発生(水素爆発による放射能漏れ)四月末までの現在、終息の見通しは立たず、二十キロ圏内の住民は強制退去命令という悲惨なものとなった。
四月二五日現在の被害者数=死者(一四三四〇 )・行方不明者(一一八八九 )・避難者(一三九一〇)。崩壊家屋(四八七三四)。被災地ではパイプラインの復旧に一ヶ月を要したが、四月末まだ復旧していない地域もある。余震は日に幾度となく訪れ、現在でも治まらない。この津波と原発事故との複合被災に対して、テレビ放映の中で語る識者は「第二の戦後」という呼び方をしている。五月九日に政府の要請により浜岡原発の運転中止決定。福島原発事故は世界の原子力発電への警鐘となっている。

▼我が家では娘一家が仙台在住二十年になる。津波は免れたが家の中の倒れるものはすべて倒れ、落ちるものはすべて床に散ったという。新幹線が一カ月経ってようやく開通したので仙台まで行ってみた。家の中の壁紙はほとんど張り直さなければならないようだ。あちらこちらで応急処理のテープが張られていた。出窓は地震に弱い事も分かった。情報によると、盛り土をした土地は家屋崩壊の被害が強かったようである。確かに、千葉浦安地域では液化現象が起きている。
家に一人で居るときに出合った地震は二十歳の孫娘にとってはこの上ない恐怖だったようだ。その時以来二階の自室で3詭は眠られなくなって、玄関脇の和室を寝室としていた。そこが外へ直ぐに飛び出せるからである。新学期は五月の連休明けから始まった。学校が始まるまでの日々、家を流された級友のためにせっせとアルバム作りをしていた。(喜代子)

▼「物語を詠む」は八年ほど続きましたが、今年度四四号で、紙上での発表は一時中止いたします。企画は検討中です。

●お知らせ●

▼「ににん」四十四号の次回稿締め切りと発行日
 八月二〇日
 発行日十月一日

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日 十時三十分
 句会・毎月第二月曜日 十一時
(いずれも、高田馬場駅より徒歩三分の戸塚地域センター内)
 吟行・第三土曜日(場所は随時お知らせ)

▼今年度の俳句テーマ
 四十四号「酌」
 秋号・八月二十日締切り (発行十月五日)
 冬号・十一月二十日締切り(発行一月一日)
 春号・二月二十日締切り (発行四月一日)

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一一年度四十一号から四十四号まで)です。

●ににん関係の掲載●

▼岩淵喜代子
『俳句四季』三月号俳壇トピックス
           十周年祝賀会紹介
『俳句あるふあ』十二月別冊
          (ふるさと歳時記、埼玉県担当)

▼岩淵喜代子
『俳句研究』夏号 作品五句
『遊牧』六月号十句選
『俳句ウエップ』六月号誌上句会
『かのん俳句通信』八号・吟行日和(川越)
『俳壇』六月号(夏の秀句・好句へ収録)
今生の螢は声を持たざりし
『鴎』十周年募集俳句選者
『第二回東京ポエトリーフェスティバル九月・
(神話、その彼方へ)俳句二五句朗読出演』
『俳壇年鑑』実力作家の秀句(小林貴子氏抽出)
  大足の人も虫干ししてゐたり
  浜豌豆咲けばかならず叔母が来る
  まるごとが命なのかも海鼠とは

▼長嶺千晶
『俳句研究』夏号 夏の自選五句
『紫』三・四・五月号
「ずうむゐん紫」作品鑑賞執筆
『現代俳句協会』「多摩のあけぼの」一句鑑賞

▼辻村麻乃
『俳句四季』六月号 俳句十六句

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ににん 42号 2011年4月1日 発行
 ににん祝賀会風景2 
座談会碧悟桐を語る4正津勉 他
物語を詠む『人間失格』22伊丹竹野子
俳句ににん集24中島外男 他
 さざん集38同前悠久子 他
ミニエッセイ月下独酌51佐々木靖子 他
連載評論『わたしの茂吉ノート』54田中庸介
連載評論『歩く人・碧梧桐』59正津勉
連載評論『預言者草田男』64長嶺千晶
新連載評論『この世にいなかった俳人』68岩淵喜代子
英語版『奥の細道を読む』表2木佐梨乃
吟行燦燦72浜岡紀子
俳句の風景74武井伸子
編集後記76*
表紙絵*若山卓

●編集後記 四十二号●

▼清水哲男氏のご尊父がご逝去なさいました。百歳に六ヶ月足らなかったとか。心よりご冥福をお祈りいたします。

▼「ににん」十周年記念号は一月一日予定通りに発行されました。その熱気の消えないうちにと同じ一月の十六日に高田馬場にあるレストラン・テインバーで「ににん」創刊十周年祝賀会を持ちました。
会場の都合もありまして、今回は五周年以後の「ににん」への寄稿を頂いた方にお声を掛けさせて頂き、ごくささやかな宴でしたが、田中庸介さんの自作の朗読、栗原良子さんの「武蔵野」朗読、それと会員すべてが自分の俳句の朗読を行いました。祝賀会につきましては「ににん」より先に『俳句』三月号のヘッドライン・『俳句四季』三月号の俳壇ニュースに、すでに紹介されています。
十周年のお祝いもしたのですから、この号からまた新しい出発をします、と言いたいのですが、新しいということはどうすることなのか途方に暮れています。さしあたってまた淡々といつものリズムで進めようと思います。いつものリズム?と言っても、それもまた曖昧模糊としていますが、進歩は、個々の同人の積み重ねではないかと期待しています。
振り返りますと、五周年は「同人誌とは」を特集して全員が「ににん」に参加している意識を文章に纏めました。そうして今回の十周年は「物語を詠む」のアンソロジーとなりました。五年後も雑誌を続けていられるのなら、なにか新たな企画を考えたいとおもいます。

▼「ににん」の座談会は第二回目。今回は「河東碧梧桐」の作品とその生き方について語りあいました。同人誌の座談会は専門分野の有識者の蘊蓄をくり広げるだけでは意味がない。それなら活字で読めばいいのである。仲間で語り合う話題がどれだけ振幅を見せるか、それが「ににん」の「ににん」たる所以です。(岩淵喜代子)

●お知らせ●

▼「ににん」四十三号の次回稿締め切りと発行日
 夏号五月二〇日締め切り
 発行日七月一日

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日 十時三十分
 句会・毎月第二月曜日 十一時
(いずれも、高田馬場駅より徒歩三分の戸塚地域センター内)
 吟行・第三土曜日(場所は随時お知らせ)

▼今年度の俳句テーマ
 四十三号「独」
 四十四号「酌」

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/(二〇一一年度四十一号から四十四号まで)です。

●ににん関係の掲載●

『俳句』三月号ヘッドライン十周年祝賀会紹介
『俳句四季』三月号俳壇トピックス
           十周年祝賀会紹介
『俳句あるふあ』十二月別冊
          (ふるさと歳時記、埼玉県担当)

▼岩淵喜代子
『詩歌句』一月号 「私の好きな森澄雄の二句」
『鴎』十周年俳句選者
『俳句研究』春号 招待席
『俳壇』二〇一一年度年刊へ一句
  「全国実力作家三百人の秀句」へ三句
『俳句四季』四月号
 今月の華(写真・一句・エッセイ)
『俳壇』四月号
特集「桜を詠む」俳句とエッセイ
『WEB週刊俳句』超21人集一句鑑賞
『現代俳句』四月号 「年鑑」の作品鑑賞
『俳句界』五月号 海の句特集
『俳句』五月号「平成俳句叢書」クローズアップ・和田順子句集『黄雀風』の一句鑑賞
『俳句』五月号 名句の鑑賞十句

▼長嶺千晶
『俳壇』二月号
「俳壇キネマ館・オペラ座の怪人」を執筆
『俳句』五月号「新刊サロン」
上田日差子句集『和音』の一句鑑賞
『紫』一月、二月号
「ずうむゐん紫」作品鑑賞執筆
『握手』五月号「反射鏡」作品鑑賞執筆
第十回雛流し俳句大会選者

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「ににん」十周年記念 41号 2011年1月1日 発行
 十周年の挨拶 岩淵喜代子
 「ににん」の発足と俳句四季賞受賞風景1
 「ににん」五周年祝賀会’吟行アルバム記2
 目次4
巻頭言下連雀からの眺め(五) 漫画教室6清水哲男
 『歩く人・碧梧桐』8正津勉
寄稿「ににん」を読んで  
 結社、同人誌、一匹狼……俳人のあり様10中上哲夫
 同人相互の反響を雑誌の力に12中西夕紀
 同人誌のあり方、そして「ににん」14行方克己
寄稿
物語を詠む
『千軒岳』16岸本直毅
 『田園に死す』18齋藤愼爾
 『プロレゴメナ』20筑紫磐井
 『桜の森の満開の下』22八本忠栄
物語を詠む
「ににん」会員
『誰も知らない小さな国』24荒木孝介
 『手鎖心中』26五十嵐孝子
 『千代女』28石井圭子
 『古事記』30伊丹竹野子
 『タイムスリスフコンビナート』32岩淵喜代子
 『夏服の女たち』34上田禎子
 『きんぎょの夢』36及川希子
 『楢山節考』38尾崎じゅん木
 『星の王子さま』40川村研治
 『西遊記』42木佐梨乃
 『うたたね』44木津直人
 『荒地の恋』46栗原良子
 『青春は美わし』48兄部千達
 『博士の愛した数式』50小塩正子
 『明暗』52佐々木靖子
 『死者の書』54四宮暁子
 『女の一生 キクの場合』56島崎正彦
 『白い象のような山並み』58須賀 荊
 『木皆義仲物語』60西方来人
 『草すべり』62高田まさ江
 『夏と花火と私の死体』64武井伸子
 『お伽草紙』66辻村麻乃
 『博士の愛した数式』68同前悠久子
 『しろばんば』70中島外男
 『車輪の下』72中村善枝
 『源氏物語』74長嶺千晶
 『平家物語』76西田もとつぐ
 『スティルライフ』78服部さやか
 『モザイク』80平林恵子
 『葉っぱのフレディ いのちの旅』82牧野洋子
 『まぼろしの邪馬台国』84宮本郁江
 『タタド』86望月 遥
 『草庵に暮らす』88山内美代子
 『なめくじ長屋捕物さわぎ』90山城秀之
俳句ににん集92同前悠久子 他
月下独酌エッセイ106新本孝介 他
「ににん」10年の歩み 111 
 吟行燦燦[出羽三山の旅]124上田禎子
編集後記128*
表紙絵*若山卓
デザイン*馬場龍吉

●編集後記 四十一号●

 十周年記念号をお届けいたします。毎回の編集の煩雑さを振り返るときに、我ながらよく十年も続いたものだと感心しています。この号は記念号のために、さすが体力も技術も追いつかないので、編集のすべてをプロにお願しました。
 今回の記念号特集はこれまで続いてきました「物語を詠む」のアンソロジーとなります。
 この企画には、いろいろなご意見があるかもしれません。しかし、こうした方法は芭蕉をはじめとして、多くの俳人が既に試みていることです。例えば金子兜太の氏の句集『詩經國風』・鈴木榮子氏の『鳥獣戯画』がそれにあたるでしょう。「ににん」の企画はそれをもっと明確に指標したにすぎません。
 私のこれまで発表してきた作品について言えば、たとえば庄野頼子の「タイムスリップ・コンビナート」は勿論実際の舞台の鶴見線の海芝浦駅までの小さな旅。黒井千治の「たまらん坂」は国分寺近く、今もその由来が書かれた案内板のある坂です。だが、そうした土地を辿れない小説もたくさんあります。高橋たか子の「ロンリー・ウーマン」は渡良瀬遊水地の葦焼の風景を重ねることで作られました。
 それにもまして、小説を読むことの面白さを味わっているのが、「ににん」の正津勉氏を中心としたゼミです。ここでは毎月二回の読書会が開かれています。興味のある方は、是非一度足を運んでください。
 このゼミ取り上げた一番新し本は泉鏡花の『天守物語』です。この会では、書いてある中の理解出来ない部分を誰かが解読して納得することも多々あります。今回は討手に追われた図書乃介と夫人が「切腹はいけません。ああ是非もない。それでは私が御介錯、舌を噛切ってあげましょう」という箇所で、「舌を噛み切って」という情景に戸惑っていましたが、中の一人が抱擁の場面なのだと、それも男の舌が夫人の口の中なのだと言う意見で、納得したものでした。
 これからも、小説を詠みながらの企画は続きます。次号からは、吟行も小説の世界を辿ることにしました。
(岩淵喜代子)

●お知らせ●

次回から「ににん」次回稿締め切りが速くなりますのでお間違えないようにお願いたします。

▼「ににん」四十二号の次回稿締め切りと発行日
 春号 二月十日締め切り
 発行 四月一日

▼「ににん」例会
 句会・毎月第一月曜日・第二月曜日
 会場は高田馬場駅より徒歩二分の戸塚福祉センター内)
・吟行・第三土曜日

▼次号俳句テーマ
 四十一号・「月」
 四十二号・「下」
 四十三号・「独」
 四十四号・「酌」

▼お願い
 締め切りは厳守してください。早い分には一向にかまいません。

▼季刊ににんの購読
 郵便振替00150-8-85254に三千円をお振込みください。追って次号より一年間お送りいたします。何号からと書き込んでいただければ、バックナンバーでも在庫があればお送りできます。

▼同人費一万三千円/年

●ににん関係の掲載●

『俳句あるふあ』十二月別冊
 (ふるさと歳時記、埼玉県担当)
『俳句年鑑』二〇一一年度・ににん五句出句
『俳句研究年鑑』二〇一一年度・五句出句
『詩歌句年鑑』二〇一一年度 結社動向

▼岩淵喜代子
『俳句年鑑』二〇一一年度・五句
『俳句研究年鑑』二〇一一年度・五句
『俳壇』十二月号 俳壇シネマ
「セラフィーヌの庭」書評
『俳句界』一月号 俳句七句
『俳句研究』冬号五句
『俳句研究』冬号アンケート
『爽樹』創刊お祝い句
『小熊座』十一月号(八月号の二十句選)

▼長嶺千晶
『俳句年鑑』二〇一一年度・五句
『俳句研究年鑑』二〇一一年度・五句
尾瀬文学賞俳句大会中学生の部選者

▼西田もとつぐ
『俳句界』九月号
  「京大俳句を読む会」インタビュー
  「京大俳句を読む会」の紹介

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